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歴史を学ぶとマネジメント力が上がる

私の趣味は読書でして、一番好きなジャンルは歴史小説です。逆にあんまりファンタジー小説や推理小説などは読みません。

好きな作家は司馬遼太郎さんで、司馬さんの出した著作では8割がた読破しています。

あまりに著名な方ですし、特に解説をするつもりもないのですが、私は偉大な作家だと思いますし、多くのことを学ばせていただきました。

私が歴史小説を好んで読むのには訳があります。

それは多少フィクションが含まれているとはしても「事実に即した内容」であり、ある意味他人の人生を追体験できる、というのが堪らなく面白いと感じているからです。

で、歴史で実際に起ったことには、現代にも通じる多くの示唆が含まれています。

特にビジネスの現場においては顕著です。

たとえばマネジメント。経営者でなくとも、ちょっとした業務のリーダーなどをやるにしても、組織・部下を動かすスキルというのは、非常にビジネスの現場では重要です。

AIの活用が進み、ひとりひとりのスキルや能力で差をつけられなくなりつつある現代に追いて、「マネジメント」や「リーダーシップ」というのは非常に重要なスキルといえるでしょう。


そういった中で、歴史上の人物、特に成功した人物のマネジメント手法は大変参考になります。

たとえば織田信長。

彼は、ちょっとした名古屋の豪族の子供として生まれ、類まれなる戦略や戦術を用いて国を拡大した中世の英雄としてよく知られています。

彼のマネジメントには多くの特徴がありまして、その一つが能力第一主義。

当時の武士社会では、門閥などが非常に大切だとされていましたが、彼は卑賤の出身である羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)・明智光秀・滝川一益など、能力の高い人物を次々と発掘し、組織の要職につけて勢力を拡大させていったことで有名です。

一方で彼は門閥もそれなりに重視しており、代々仕えてきた家柄の人物である柴田勝家や丹羽長秀などもしっかりと組織に組み込んでおり、そのバランスは傍目にみても芸術的と言えるほどです。

よく織田信長は「徹底した能力主義によって人材を活用していた」と言われますが、私は彼のすごさは能力の高い人物の発掘だけでなく、従来型の人材もしっかりと組織内で活用していたことにあると考えています。

さて、彼が実践していたマネジメントは現代のビジネスにも多く活用できるのですが、一例として上げると「茶器の活用」が面白いと思います。

面白い記事がありましたので、紹介します。


織田信長は生前、茶道に傾倒しており、世の中にある茶器の収集家でもありました。

彼の茶道は趣味と実益を兼ねています。

信長は、ときおり活躍した部下に所有している著名な茶器を褒美として与えていました。当時の茶器は高価なものとなると、現在の価格では数千万レベルのものがあり、有名な茶器を信長から貰えるということは当時大変な名誉なことでありました。

ところが、この価値観を作った人物こそが信長です。

当時、活躍をした武将に対する褒美というは、基本的には領地でした。「君は今回とても頑張ったのでこの土地をあげるね」というものです。

しかし考えてみればわかりますが、土地は有限です。無限に与えることはできません。

このときに活躍するのが茶器です。茶器はある意味、無限に作ることができます。信長から茶器を貰えるということは大変に名誉なことである、という付加価値を組織に浸透させ、茶器を渡すことによって部下に大きな満足感を与える、ということを実践しました。


現代のビジネスにおきかえると、戦国時代の「領地」は「給料」にあたるものだと考えればいいでしょう。活躍している部下に対して報いるためには「給料」を増やしてあげれば手っ取り早いのですが、そんなことを無限にするわけにはいきません。

それに代わるために、給料に代わる「茶器」を用意してあげることが必要です。

現代のビジネスにおいては、「全社員が集まる中での表彰」や「経営トップとの会食」などが該当するでしょうか。こういったお金以外でメンバーに報いる方法というのを、リーダーは考えていかなければなりません。

もちろん信長も全く領地を与えず茶器だけを与えていたわけではないので、要するにバランスです。


まぁ、信長は最終的に部下の明智光秀に裏切られてこの世を去る訳ですし、彼が部下に背かれたことは他にもたくさんあります。

ですので、彼のマネジメントの完璧なお手本とはいきませんが、短期間で組織を拡大できた手法として学ぶべきことは多くあると思います。


このように歴史上の人物が行ったマネジメントの手法からは、多くの学びが得られるかと思います。



★こんな会社経営してます。
(株)トライエッジ(http://www.triedge.co.jp)
<事業内容>
データベースマーケティング支援
・顧客データ分析
・マーケティング施策立案と実務代行


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