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「世界漂浪の記」 羽生隆 101選

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50年遅れの同じ日付で毎日投稿されていた羽生隆さんの旅行記「世界世界漂浪の記」の中から、何度も読み返したい特に印象深い投稿を集めました。
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2022年6月の記事一覧

❨279❩1972.6.6 火 雨→曇  進歩という言葉は走って来た距離の中にだけある/アルゼンチン(Argentine)

❨279❩1972.6.6 火 雨→曇 進歩という言葉は走って来た距離の中にだけある/アルゼンチン(Argentine)

懸命に走った後は、スガスガしい気分になる。

霧雨の中を短パンに赤いベレー帽、目立つのだろう、ほとんどの車が振り返る。

走る事に明け、走る事に暮れる毎日。
人間を、社会を、深く考える時はあまりない。

走っている時は想い出をたどり、未来を考える。夜は疲れて、ボンヤリあれこれ思い浮べるだけ。

進歩という言葉は、今の俺には、走って来た距離の中にだけある。

❨289❩1972.6.16 金 曇→雨  日記1冊目終了/アスンシオン5日目·パラグアイ(Asunción:Paraguay)

❨289❩1972.6.16 金 曇→雨 日記1冊目終了/アスンシオン5日目·パラグアイ(Asunción:Paraguay)

ブラボー・ブラジルのビザをもらった (280グアラニ)。

今日は、冷たい雨降り。
街の中の道は、川になってしまう。ひどいところだ。

30分の座禅と一時間の補強をする。

めまぐるしく土地が変わる
気候が変わる
人までも変わる

こんな毎日が続く
今まで・・・今も・・・これからも

問題はその中で 何を吸収し
何を見捨て行くかでは、ないだろうか?

遂に、この手記も終わってしまった。
九ヶ

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❨294❩1972.6.21 水 曇  イグアスの滝/ブラジル(Foz do Iguasu:Brazil)

❨294❩1972.6.21 水 曇 イグアスの滝/ブラジル(Foz do Iguasu:Brazil)

イグアスの滝

旅に出る迄、この名は知らなかった。
中米で会った日本人旅行者に聞いて、初めて興味を持った。

昨日はあれから、真下まで行った。

見た 見た!スゴイ
豪快というか雄大というか、自然の偉大さをここでも目の当たりに知らされた。

水の色は薄茶に濁っているが、それが遠くから見ると立ち昇る水煙とマッチしてスバラシ イ眺めである。
滝は二段になっており、二段目には、中程迄橋がかかっていた

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