「なんでも屋」だった私が、プロダクトに本気で向き合うためにPLG型SaaSのPdMに飛び込んだ話
はじめまして!2023年2月に株式会社ベーシックに入社したさなえです!
これまで私は、エンジニア、フィールドセールス、カスタマーサクセス、カスタマーサポートと、SaaS業界での複数の職種を経験してきました。そして現在は、ベーシックのPLG事業部にて、フォーム作成管理ツール『formrun』のプロダクトマネージャー(PdM)として、プロダクトを進化させるために日々新機能の開発に取り組んでいます。
今回は、SaaS業界のいわゆる「なんでも屋」状態だった私が、なぜプロダクトに本気で向き合いたいと思い、ベーシックのプロダクトマネージャーというキャリアを選んだのかをお伝えしたいと思います。
特に以下に該当する方にお読みいただき、少しでも今後のキャリアを考えるうえでの参考になれば嬉しいです。
今までの経歴と転職の想い
この春、社会人7年目となる私は、新卒から6年間で以下のような職種を経験しました。
「あれ?経歴と年数が合わないじゃないか」と思った方、そうなんです。実は2社目では3つの職種を「兼任」で担当しており、ベーシック入社前のラスト1年はさらに追加でもう1つ、別のSaaSプロダクトも兼任で担当していました。
このように多くの職種を経験してきた私ですが、働く上で大切にしている価値観は共通しています。それは「便利なサービスを提供して人に喜んでもらいたい」というものです。
1社目では、ビジネス職が決めた要件に対して忠実に開発を進めていました。
ただ、実際に顧客からの要望を直接聞いて開発をするわけではなかったため、自分がリリースしたシステムが「本当に顧客に喜ばれているのか」「本当に顧客にとってそれが最善の方法だったのか」が分かりませんでした。
そのため、自分自身が①顧客とコミュニケーションを取ることで顧客が何を求めているのかを知り、②顧客目線に立った上で要件定義・開発をし、③顧客の喜ぶ顔を見たい、と思い転職をしました。
2社目では、主にアパレル企業の顧客に向けて、EC支援のためのSaaSサービスを提供していました。
そこで行っていた業務としては、サービスに興味をもってお問い合わせしていただいた顧客にアポイントをとり、サービスの提案から受注後のオンボーディング、追加機能のアップセル/クロスセル提案をすることです。
業務の幅としてはかなり広かったですが、どの職種においても上述の価値観①②③の通り、顧客と接点を持ち続けることで顧客の求めていることを知り、プロダクトの質をあげることで、顧客の業務の効率化や顧客の売上アップに貢献していました。
このような環境下でチームで協力して開発することに大きなやりがいを感じていた一方で、当時の環境にはひとつ課題も感じていました。
それは、複数の職種を兼任していたためプロダクト改善の企画にかけられる時間が限られていたことです。この背景には、社内でのSaaSの事業規模が小さく、担当する社員の人数が十分ではないという事情がありました。
顧客からの声を聞くことで、プロダクトの課題は日々見えてくるのに、その課題を解決するための企画に十分な時間をかけられず、課題と企画の数のバランスが合わなかったり、企画自体が不十分で質の高い改善に落とし込めてなかったりすることもありました。
実際に、顧客のニーズに沿ってリリースした新機能が、具体的な業務フローに落とし込むと実は利用までに高いハードルがあることがわかり、思うように利用者が増えなかったという失敗もありました。
これは、顧客の業務フローに本当にマッチするかを詳細まで検討しきれていなかったことが原因だと思っています。
このような状況に日々もどかしさを感じていた私は、大きな市場をターゲットとした急成長中のSaaS企業であれば、より多くの社員と協力して共に成長し、プロダクトの磨き込みに本気で向き合えるのではないかと考えました。
このような想いから、改めて以下の3つの軸で企業選びを行いました。
ベーシックを選んだ理由と感じた魅力
この3つの軸の中でいくつかの企業のお話を聞き、「ここしかない!」とビビっと来たのがベーシックです。その理由は大きく3つあります。
①PdMとして、自分が企画を発信する形でプロダクト改善に携われること
PdMとはプロダクトマネージャーのことです。「ミニCEO」などとも呼ばれ、技術開発やデザイン、マーケティングなどプロダクト開発の全体に関わり、その最終決定に責任を持つ役職で、主な職務には以下のものがあります。
マーケットや顧客のニーズの調査、競合の分析をする
プロダクトのビジョンを定義する
プロダクトの設計や開発、テスト、リリースを監督する
プロジェクトの進捗を管理し、問題が生じた場合に解決策を見つける
まさに、プロダクトに関わる全てを司る役職ということで、私の「プロダクトに本気で向き合いたい」という思いにぴったりな職種でした。
私が現在所属しているベーシックでは、BtoBマーケティングのお困りごとをまるっと解決するサービス『ferret One』、フォーム作成管理ツール『formrun』という2つのSaaSプロダクトを主として展開しており、それらはコロナ禍以降も成長し続けている状況です。
面接時には今後も複数のプロダクトをリリースしていく予定であることを聞き、新しいプロダクトが次々に生み出される環境にワクワクしたことを覚えています。(実際に今年の4月には日程調整ツール『bookrun』のオープンβ版の提供も開始しました!)
私はPdMとしての実務経験がなかったため、まずはプロダクトの改善に一部関われる別の職種からスタートし、将来的にPdMを目指していきたいと考えていました。
しかし、それを面接時にも伝えたところ、私自身の今後の成長を期待してPdMという選択肢をいただけ、その上『formrun』を支えている複数の優秀なPdMと切磋琢磨していけることを知り、「こんなチャンスは今ここにしかない!」と強く感じました。
実際に入社後、PdM同士で集まって各々担当するプロジェクトで考えている企画や進め方を共有し、「プロダクトとしてどうあるとより良いのか」について、意見を出し合う機会が頻繁にあります。ひとりではなくチームで協働しながらPdMとして成長していける環境だと強く実感しています。
②PLG型のプロダクトという新たに挑戦できる環境であること
SaaSのプロダクトは、大きく2つの戦略に区分されると言われています。
1つはSLG型(Sales-Led Growth)と言われ、セールスがプロダクトを売り込むことで事業を成長させるモデルです。そしてもう1つがPLG型(Product-Led Growth)であり、プロダクトでプロダクトを売り込むことで事業を成長させていくモデルです。
前職では「セールスがプロダクトを売り込むSLG型」を長く経験していたため、「顧客はいつもすぐ近くにいる」という前提がありました。そのため「顧客へのプロダクトの価値の伝え方は直接的」であり、「顧客が今どのような課題やニーズを持っているかはまず顧客に聞いてみる」ということが、当たり前になっていました。
しかし、私が現在担当している『formrun』は「プロダクトでプロダクトを売り込むPLG型」にあたり、顧客に対し直接的なセールス活動を行わないため、私の今までの経験とは全く別のアプローチが必要となります。日々のユーザーの利用状況をデータで分析して仮説を立てて検証を行うという「データドリブン」な意思決定が必須となるのです。
今までと戦略が異なるプロダクトに挑むことに少し不安もありましたが、PLG型のSaaSとして「プロダクトで売り込む」からこそ本気でプロダクトに向き合える、この環境に飛び込むことが一番だと思ったのです。
※PLG型SaaSにおける意思決定のポイントについては『formrun』でプロダクト部のマネージャーをしている岩間が詳しく記載しているので、以下の記事もぜひご確認ください。
③チームワークやコミュニケーションを大切にした方々に魅力を感じたこと
転職活動中、いくつかの企業に面接をしていただく機会がありましたが、正直、どうしても品定めをされているような感覚があり、気を張ってしまうことが多くありました。
一方で、ベーシックでの面接はとてもウェルカムな雰囲気と、会話の中で社員同士の自然なチームワークを感じ、心地よい空気感のなかでお話しできたことをよく覚えています。
ベーシックの大切にしている行動規範のひとつに『TEAM SPIRIT』というものがあります。これは、チームで共闘しながらお互いを高めあえる関係性の中で、ともに成長していくことを目指すというものです。
ただ掲げているだけではなく、これを社員ひとりひとりが体現し、お互いを尊重することができているからこそ、安心感を感じることができたのだと思いました。
実際に入社してから、ベーシックに入社した決め手を他の社員の方から聞くことがあったのですが、ほとんどの人が「人の魅力」をその理由のひとつに挙げており、納得感を感じました。
まだ入社して約3か月ですが、当時感じていたこの魅力はもちろんのこと、それ以外にもベーシック社員ひとりひとりの
・改善意欲、挑戦意欲の高さ
・それをすぐ行動に移すスピードの速さ
・部署の垣根を感じさせない活発なコミュニケーション
に日々刺激を受け、私も少しでも早く追いつきたいという気持ちで日々邁進しております!
今取り組んでいることと今後の挑戦
私は現在、『formrun』というフォーム作成管理ツールの中で、「EFO」という新機能の開発にチームで取り組んでいます。EFOとはEntry Form Optimization(エントリーフォーム最適化)の略で、フォームに入ってきた回答者の、回答率を高めるために様々な施策を行い、フォームを最適化することです。
このEFO機能の開発は、顧客にも事業部にも大きな効果があると考えています。(今年の4月にオープンベータ版としてリリースを行いました。)
フォームの管理者である『formrun』のユーザーにとっては、EFO機能を利用しフォームの回答者が少しでも使いやすいフォームに改善することで、フォームの入力中に感じる手間を減らして離脱を防ぎ、フォームの回答率や売上の向上が期待できます。
そして事業部にとっては、顧客に「デザイン性の高いフォームが簡単に作成できる上に、EFO機能も効果的だから、引き続きフォームは『formrun』を利用しよう!」と感じてもらうことで、『formrun』と顧客の粘着性を高め、解約率の低下と客単価の向上に繋げることができると思っています。
また、EFOという新しい価値を『formrun』が提供することで、新たな市場の開拓と、既存EFOツール市場からの新規顧客の獲得が期待できると考えています。
ここからEFO機能をさらに磨きこみ、より多くの顧客に継続的にEFO機能を使ってもらうため、私はPdMとして2つのことを行っています。
これらを実行する上で、まず初めに重要なことは、EFO機能を利用してくれている顧客のことを深く知ることです。そのため、データを通じた利用状況のモニタリングと、顧客の生の声を聞くヒアリングの両方を以下のような観点で分析を進めています。
どんな業種、商品、サービスの顧客が利用してくれているのか
その顧客がどんなフォームを利用しているのか
どのEFO機能を利用しているのか、利用していない機能には理由があるのか
どのEFO機能が効果を出しているのか、またそのフォームの特徴は何か
顧客が現状のどんな要望を持っているのか
ベーシックを選んだ理由の2つ目で「PLG型のプロダクトという新たに挑戦できる環境であること」とお伝えした通り、『formrun』はPLG型であるが故、プロダクトそのものの価値で勝負する必要があります。
だからこそ今後の私の挑戦としては、『formrun』を利用してくれている顧客のことをデータやヒアリングを通して行う深い分析力と、その分析によって得られた事実をもとに、次なる効果的な狙いを正しく定められるような企画力を向上させていきたいと思っています。
そして「顧客に本当に求められている価値をプロダクトで提供すること」を常に意識して行動し、『formrun』を世界で戦えるプロダクトに磨きこんでいきたいと思っています!
最後になりますが、私は複数の職種を経験したことで「自分が本当にやりたいことが何なのか」気が付くことができました。この先どんなキャリア・職種を選択すれば良いのか分からず悩んだときには、ひとつの方法として、「まずはひとつ今気になるものに挑戦してみる」というのも良いのではないでしょうか。
もしその挑戦の先にベーシックを選んでいただけたなら、とても嬉しいです!
このnoteをご覧になってPLG型SaaSのプロダクトやベーシックに興味を持って下さった方は、ぜひ採用サイトも覗いてみてください。このnoteをご覧になった皆様と、近い将来ご一緒に働けることを楽しみにしています!
最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!
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