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2周年を迎えた「あふ食堂」 Vol.56

農林水産省の職員食堂、「あふ食堂」が当社運営受託2周年を迎えました。今回は産地のPRや、農林水産業の課題解決のため、さまざまな取り組みを行ってきた「あふ食堂」に密着します。


産地にフォーカスしたフェアを積極的に行っています

食の中央省庁「農林水産省」の食堂

生産者と共に汗をかき、日本の食文化を守るべく、産地の活性化に向けた『価値ある食文化』の提案を理念に掲げる当社。あふ食堂では、「食の責任官庁 農林⽔産省」にふさわしい食堂づくりを目指し、国産食材、有機農産物等環境に配慮した食材、被災地産食材を積極的に使用したメニューを提供しています。

これまでの2年間、産地活性化のため全国各地の食材を使ったフェアや、日本の第一次産業を盛り上げるべく様々な取り組みを行ってまいりました。

毎月3・4・5・6・7日は「さかなの日」

水産庁では、水産物の消費拡大への取り組みを官民協働で推進するため、3⽇〜7⽇を「3(さん)から7(なな)」=「さかな」の⽇と制定しています。
日本は恵まれた海洋環境に囲まれて古来から魚食文化が根付いています。その一方で、水産物の消費量は年々減少し続けている現状があります。

当社でも、日本の魚食離れを食い止め、おいしい魚を未来につないでいくことに積極的に取り組んでおり、『あふ食堂』をはじめとした当社受託食堂において、毎月3日〜7日の「さかなの日」にそれぞれのテーマに基づいた魚メニューを提供してまいりました。

石川の1日も早い復興を願って 【石川復興応援フェア】

石川県の港

来る6月は、令和6年能登半島地震発生からちょうど半年となります。被災された地域では、未だライフラインの復旧がままならない地域もあります。
特に水産業への影響は大きく、水揚げをする港や港の岸壁や防波堤では大きな被害が出ており、地盤隆起や地面が大きく割れて使用できなくなった港もあります。被害が大きく漁業の継続を不安視されている漁業関係者も多数おられるそうです。海岸線の隆起により、国の重要無形文化財にも指定された、輪島の海女さんたちによる素潜りでの漁も一時見合わせとなっています。

当社では「いま、私たちにできること」として、令和6年能登半島地震により甚大な被害を受けた石川県の食材を各食堂より情報発信し、利用者のみなさまに広く知っていただく広報的な役割も併せて担い、利用者の応援の声を生産者方々へ届けたいという想いで、能登を含め県内各地で水揚げされ金沢港でセリをされた魚を中心に、石川県産原料の水産加工品や地元農家さんが栽培された加賀野菜を使用したメニューを販売し、石川県へのエールを送る意味をこめて「石川復興応援フェア」を実施するに至りました。

石川県フェアにあたって

石川県漁業協同組合より2月より打合せを重ね、石川県で親しまれてきた「アカガレイ」や石川県から直送で届いた「アジ」や「サバ」などの水産物、輪島の海女の方々が昨年獲ったサザエやワカメ食材、そして、石川県金沢市農産物ブランドの「加賀野菜」、春~初夏にかけて栽培された地元農家で獲れた金沢野菜を使用したメニューを開発しました。

「アカガレイ」の煮つけ

【「アカガレイ」の煮つけ】
多種多様なカレイが水揚げされている石川県で、水揚げ量が最も多いのがアカガレイで全国のプライドフィッシュにも登録されています。石川県の漁師の協力で守られる漁業方法で漁獲されており、県を代表する魚。近い漁場だからこそ実現する高鮮度が自慢です。味は淡白で、低脂肪・高たんぱく。地元石川でも定番の食べ方である煮つけで提供。

「石川県産アジ」フライカレー

【「石川県産アジ」フライカレー】
マアジは、石川県では5~8月に定置網やまき網などで多く漁獲され、漁獲高は全国でも上位に位置しています。肉厚の獲れたてアジを加工後直送、各店で一つ一つ丁寧にパン粉付けしたアジフライに石川県のご当地グルメである黒カレーを合わせました。

「加賀丸いも」すりおろしのマグロ山かけ丼

【「加賀丸いも」すりおろしのマグロ山かけ丼】
「加賀丸いも」は、石川県の能美市・小松市で栽培される特産のブランド山芋です。モッチリとした強い粘りと独特の食感、滋味深い味わいで栄養価も高く、肝臓や腎臓の機能を高める作用や老化予防などさまざまな効果が期待できます。平成28年9月に石川県内初、全国で17番目に「日本地理的表示(GI)保護制度」に登録されました。

農林水産大臣と石川県漁業関係者の喫食会

坂本農林水産大臣は5月31日の記者会見において、能登半島地震復興応援企画として本フェアについて発信され、6月3日には、大臣と石川県、輪島の海女の方々との意見交換会ならびに会食が行われ、当社の社長、官公庁・パスタユニット長も参加させていただき、大臣へ料理のご説明を行いました。

会食では食堂で提供される料理を喫食していただきながら、海女の方々からは食材や石川の漁場の状況等についてお話されました。

喫食会の様子

フェアを振り返って

6月3日~6月14日の期間中、農林水産省あふ食堂のみならず、当社運営受託店舗の財務省『テゾリーナ』・『三福』、法務省『霞ケ関一丁目食堂』、厚生労働省『笑縁食堂』・『グッドミールダイニング』、外務省『笑縁食堂』、防衛省市ヶ谷『笑縁食堂』・『パスタママ市ヶ谷防衛省店』、東京法務局『東京チカラめし食堂』にて、石川県復興応援メニューを提供いたしました。あふ食堂の店長、料理長の2名にフェアを終えての感想を伺いました。

今回石川県側の方々とお打ち合わせを進める中で、被害が大きく元の生活を取り戻せない地域と石川復興に向け一歩を踏み出している地域があり、長い道のりを一歩一歩前に進めていくことが、石川県の方々の絆をより深めていくことと感じました。
私たちができることとして「食」を通じた石川県産食材の消費応援により、一日も早く元の生活に戻れることの手助けになればという想いでした。
イベント期間中は省内外を含め、多くのお客様にご来店いただき、産地食材の魅力発信と伝統野菜を始めとする食文化のご提案ができたのではないかと思っております。
今後も継続して石川県産の食材利用も考えており、震災で苦しんでいる方々の手助けだけでなく、食を取り巻く生産者・食品加工事業者全体の「チカラ」になれば良いなと思っております。(あふ食堂・店長)

今回は海女さんがお見えになりました。時間等の関係で難しいものとなりましたが、石川の海女さんたちが普段から食している食べ方などもメニューで提供できれば、より郷土愛が伝わったかと感じました。
またご縁がありましたら、海女さんに限らず石川の方々に寄り添えますよう尽力致します。(あふ食堂・料理長)

あらためて、私たちの日々の食事は、生産者の方々あってのものだと再度認識するとともに、こうした取り組みを通じて、一人でも多くの方に日本各地の現状を伝え、そして応援していただけるよう、取り組んでいくことを決意いたしました。

さいごに

2022年6月1日より運営を開始した農林水産省職員食堂「あふ食堂」は、この6月で2周年を迎えました。
これもひとえにご来店いただきました皆様の支えと、食堂に食材を提供していただいております産地の皆様のおかげに他なりません。
あふ食堂を支えてくださいますすべての皆さまに、心より感謝を申し上げます。


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