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『働く女性の先駆者』ガブリエル・シャネルについて #2 (CHANEL)

今回も前回に続きガブリエル・シャネルについてお話したいと思います。

前回は主にシャネルの生い立ちについてお話しましたが、今回はシャネルが残した三つの功績についてお話していきます。

一つ目の功績:シャネルは女性のからだを自由にした事。

まず一つ目の功績として、シャネルは女性のからだを自由にしました。
シャネルは本質的な批評精神があり、上流階級のファッションに何一つ憧れを抱いていませんでした。
むしろ、女性から自由を奪う窮屈なドレスや装飾過剰な帽子にうんざりしていました。
そこで、それまで裏地にしか使われてこなかったジャージー素材を、あえて表地で使用し、女性を窮屈なファッションから解放しました。
シャネルのコンセプトは常に『自分自身の着たい服』
機能的なジャージー素材には、彼女からの『女性の自由と解放』というメッセージが含まれていたのかも知れません。



二つ目の功績:香水を階級を超えて全ての女性のものにした事。

シャネルが香水を世に出す前は、香水は花の原料だけで作られ、単一の花の香りしかしないものでした。
また、大量の花を消費して作られる香水はとても高価で、香水を買えるのはお金持ちの貴婦人か娼婦だけだったそうです。
そこでシャネルは、ロシア人の天才調香師、エルネスト・ボーに香水の調香を依頼し香水制作にとりかかりました。
何度も何度も試作を重ねた結果、100年以上たった今もなお愛されている「シャネルNo.5」が出来上がりました。
「シャネルNo.5」は、さまざまな花の原料に化学合成品を加えることによって大量生産を可能にし、階級を超えて全ての女性が香水を楽しめるようにしました。



三つ目の功績:オフィスにもパーティーにも着られるスーツを発表した事。

最後、三つ目の功績は、71歳にして再びコレクションにカムバックし、オフィスにもパーティーにも着られるシャネルスーツを発表した事です。
シャネルは前回のコレクションから15年という長いブランク期間を経て表舞台に再びカムバックしました。
この時発表されたダークカラーのシャネルスーツは、ジャージー素材で出来ており、また直線的なカットにより動きやすさも兼ね備え、シャネルらしい創造性が詰まったスーツとなりました。
しかし、ヨーロッパでの評価は不評で「夢の無いデザイン」とマスコミに揶揄(やゆ)されましたが、シャネルはそんな不評をもろともせず、マーケットをアメリカに移し大成功を納めます。
その背景には、丁度この頃アメリカでは社会進出を果たした女性がオフィスにもパーティーにも着られるシックな洋服を求めていました。
そんな潜在的ニーズに答えたシャネルスーツは、アメリカで大ヒットし、たくさんの類似品が世界中で作られました。
こうして、シャネル風のスーツはオフィスで働く女性の定番スタイルに定着しました。



自分で決めた道を真っ直ぐ歩く

2回に渡り、ガブリエル・シャネルを取り上げて来ましたが、改めてシャネルのストーリー、言葉を聞いて、あなたは何を感じて、どう考えましたか?
私は、シャネルという人物は世間の常識を常に疑い、必ず自分のフィルターを通して物事を判断してきた人だったんだろうなと解釈しました。
そのためには、他人の指標や世間の目、流行に流されない『確固たる自分』を形成しなければいけません。
だからこそ『かけがえの無い人間である為には、人と違っていなければならない。』という強い言葉を残されたのかも知れません。
こうでなければいけない。という世間や他人が決めた勝手なルールに疑いを持ち、否定するだけでなく新たな提案をし、作品を通して周りを納得させ続けたシャネルは、本当に強い女性だったんだなと感服しました。
何歳になっても挑戦する事は遅くないし、本当の意味で生活を豊かにする事、つまり生きる活動を豊かにする事は、周りに流されず自分の信じた道を真っ直ぐ愚直に歩み続ける事なのかも知れません。
その道を突き詰めた結果、自分だけでなく、周りの共感者にも幸せがインフルエンスしていくのだと思います。
あなたは今、自分で決めた道を真っ直ぐ歩いていますか?


音声配信もしています。

引用・参考文献

シャネル 最強ブランドの秘密 (朝日新書)
・山田 登世子 (著)
②ココ・シャネルの言葉 (だいわ文庫)
・山口 路子 (著)

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