
MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)、それだけでは仕事は進まない
こんにちは、Webサービスの開発・グロースをしている村野です
最近、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を設定する企業が増えてきました。もちろんMVVを設定することはとても素晴らしいことだと思います
個人的に、10Xさんの「10Xから逆算する、自立する、背中を合わせる」などはとても好感が持てますし、会社としての価値観は設定されるべきものだと思います
しかしながら、MVVを設定しただけでは普段の事業活動でチームが方向性をあわせて進むのは難しいと感じます
この記事では普段の事業活動をスムーズに進めるための方法の1つを紹介していきます
MVVの目的と効果
そもそもMVVはどのような目的で設定するかというと、
・会社の方向性を明示化し、共有する
・組織の価値観の共有
ということがあります。つまり組織での意思決定においてMVVを基準となるべきものだと考えます
一方、実際の業務活動において、MVVを基準にして意思決定はいつ発生するでしょうか?
一例として、大きな会社ですと半期に一度の事業の方向性や、小さなスタートアップなら業務の進め方などがMVVが反映される対象となると思います
事業の方向性や進め方を決めて、いざ仕事を進めてみると、あの人とこの人なんか的はずれなことしてる?なんてことが起きがちです。時には自らやるべきことが分からなくなったりすることもあります
これらの事象は事業活動の方針が具体性にかけていることが原因の1つだと考えられます
私が普段携わっているWebサービスの開発では、具体的な方針を決めるためにエレベーターピッチを取り入れています
エレベーターピッチって何?
一般的に、エレベーターピッチとは30秒で行うプレゼンで、エレベーターの移動中にキーパーソンにPRできるよう、短く・訴求力のある内容のものを言います
私のお奨めは、アジャイルサムライという書籍のテンプレートを使ってエレベーターピッチを決めることです
アジャイルサムライのテンプレートを以下に抜粋します
[潜在的なニーズを満たしたり、潜在的な課題を解決したり] したい
[対象顧客] 向けの、
[プロダクト名] というプロダクトは、
[プロダクトのカテゴリー] です。
これは [重要な利点、対価に見合う説得力のある理由] ができ、
[代替手段の最右翼] とは違って、
[差別化の決定的な特徴] が備わっている。
テンプレートの [ ] の中を変えることで、事業(プロダクト)の強みや対象、競合を明確にすることができます
無駄なワードを削ぎ落とし本当に訴求すべきポイントを明確にすることができるので、個人間でずれにくい共通認識を持つことができます
普段の活動において、私の場合はWebサイトのテキストに使ったり、ペルソナを考える際の基準にしたり、リスティング広告のターゲットや広告文を考えるのに使ったりしています
他にも、SNS運用の方針や営業戦略にも使えます。というか使うべきです。エレベーターピッチではなくてもいいのですが、この事業の根幹となる戦略が曖昧だったり、共有できていないことが多く、結果場当たり的な事業活動になってしまっていること思います
エレベーターピッチを作ってみる
何はともあれ実際に作ってみて始めることが大切です
ここでは例として、私が愛用しているEvernoteのエレベーターピッチを作ってみることにします
さっそくテンプレートをコピーして、[ ] 部分を変えてみます
[一度覚えたことを忘れないように] したい
[パソコンを使っている人] 向けの、
[Evernote] というプロダクトは、
[電子ノートサービス] です。
これは [簡単にノートが作成] ができ、
[ボイスレコーダーやメールなど] とは違って、
[素早く正確に検索できる機能] が備わっている。
やってみると分かりますが、この日本語のテンプレートは文章として少し不自然な構成になってしまうので、私は順序を入れ替えてまとめ直すことが多いです。以下が書き直したものです
Evernote は自分の脳・記憶を拡張したい人のための電子ノートサービスです。
どこでもノートに記録し、いつでも検索して呼び出すことができます。
ボイスレコーダーやメールなどの記録媒体と異なり、記録が容易で検索も正確です。
これをベースに事業を進める際には、
・検索性を重要視する
・ノートを忘れない記憶領域に保存したいユーザー
などを念頭に活動できるようになると思います
さいごに
Evernoteの例では少し冗長な箇所(ターゲットの具体性が弱いなど)がありました。実際の運用でも同様に完璧なものを作るのは困難なので、こだわりすぎない方が良い結果につながることが多いです
事業(プロダクト)ごとにエレベーターピッチは変わりますし、ターゲット毎にも変わります。ステージによっても変わるので完璧なものを作ることは不可能です
それよりも定期的に見直しをはかり、ブラッシュアップしていくことが重要です。ブラッシュアップが進むにつれ自分たちの事業理解も深まっていく効果もあります
この記事をきっかけに、エレベーターピッチを中心として、各々が方向性を合わせて活動ができるようになって頂ければもらえればと思います
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