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「茶の湯」ってなに?意外と知らない茶道との違い🍵

こんにちは!国際茶の湯団体茶柳会学生インターンの中村です。

我々茶柳会は、「茶の湯をもっと自由に、もっと日常に」というクレドのもとに、在京大使館でのイベント開催などを行っています。
今回は、そんな私たちの活動の中心である「茶の湯」についてのお話です。

そもそもみなさんは「茶の湯」が何かご存知ですか…?
「茶」の文字が入ってるし、なんとなくお茶を飲むことなのかなとは想像できますが、「茶道との違いは?」詳しいことはよく知らないという方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は「茶の湯」について、「茶道」との違いなどを中心に、まとめてみたいと思います。

京都、静岡、鹿児島の『やぶきた』抹茶の飲み比べ。これも広義の『茶の湯』である。

「茶の湯」と「茶道」の目的の違い

茶の湯と茶道は、それぞれ以下のように説明することができます。
(※流派や研究者ごとに意見の違いはあります。)

茶の湯→抹茶を使ってお客さんをもてなす全ての行為
茶道→茶の湯によって精神を修養し、交際礼法を極める道のこと

簡単にいうと、茶の湯の一部に茶道があるという位置づけです。
抹茶を点てて、お茶を飲むという行為は両者に共通しますが、茶道はお茶を点てることを通して自身の精神を修養するということに一番の主眼が置かれている一方で、茶の湯にはもっと気軽にお茶を楽しむこととお客さんをもてなすことに主眼が置かれています。

茶の湯の歴史

次に、簡単にお茶の歴史についても紹介します。

平安時代(9C) お茶が中国から伝来
鎌倉時代(13C) 抹茶が中国から伝来
室町時代(15C) 村田珠光が茶の湯の一様式である『侘び茶』を創設
安土桃山時代(16C) 千利休が茶道を大成

こうしてみると、お茶の歴史はかなり古いことがわかりますね。
伝来した当初のお茶は「団茶」と呼ばれるもので、蒸した茶葉を型に入れて固めた固形のものでした。
また、現代では「日本の味」というイメージの強い抹茶ですが、元々は中国から伝来したものなんです。
中国ではある時代(※先日中国人研究者と話した時は、モンゴル人が支配者となった元の時代に失われたと話していました)を境にに抹茶の文化が途絶えてしまった一方、
伝来先の日本では、武家階級を中心に栄え、日本を代表する大きな文化として根付いていきました。

茶道の精神性

先ほど、茶道は、茶の湯によって精神を修養し交際礼法を極める道だと説明しましたが、その精神性の部分を少し詳しくご紹介したいと思います。
茶道の心得を示す言葉として、「和敬静寂」という言葉があります。
それぞれ、以下の意味が込められています。

和→お互いに心を開いて仲良くすること
敬→尊敬の意味で、お互いに敬い合うこと
清→心身共に清らかであるということ
寂→どんな時でも動じない心

茶道は単にお茶を飲むというだけではなく、上記のようなおもてなしの総合芸術とも言えるようなものなんですね。

ちなみに現在でも、茶道がビジネスや社交の場で利用されることも多々ありますし、精神性に共感して、海外の方が自室に茶室を設けるといった事例もあるそうです。

最後に

今日は、茶の湯と茶道の違いについてまとめてみました。
元々、我々茶柳会代表の砂川がこの会を立ち上げたきっかけは、茶人として活動する中で、茶の湯と抹茶が現代人の生活からかけ離れてしまっていることに課題を感じたことにあります。
茶道はとても美しく洗練された日本文化ではありますが、厳格な作法があり、なかなか近寄りがたいイメージを持つ方も多いと思います。
「茶の湯」をもっと自由に、日常的なものにすることで、抹茶を楽しむ人が増えて欲しいと思い、活動しています。

茶柳会では、初心者でも楽しめるお茶のイベントを開催しているので、ご興味がある方はぜひお気軽にお越しください。

茶柳会は今年も楽しい茶の湯交流イベントをたくさん企画しています!
最新イベント情報は公式Instagram(@salud_kai)を是非ご覧ください!


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