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【短編小説】トゥクトゥクDJパロット




トゥクトゥク



ズィン ズィン ズィン




トゥクトゥク



ズィンズィンズィン




トゥクトゥク


ズィンズィンズィンズィンズィン




トゥクトゥク



ズィンズィンズィン




みんなー!盛り上がってるかー!



ピー!!!!



パーティーパロットたちは返事をした。



今夜は最後まで飛ばしてこー!飛べー!!!



DJパロットがあおると全羽が一斉に飛んだ。



カラフルな照明に天国を思わせる羽の数。



そこは圧倒的に楽園だった。



DJパロットは感動した。




自分の目の前でおびただしい数のパーティーパロットが飛んでいる。



圧巻だ。DJを目指してずっと頑張ってきてよかった。



この景色が見たかったんだ。



感傷に浸ろうと目を閉じて再び開けると、そこは電化製品売り場だった。



あ、そうか。ずっと僕は夢の中にいたのか。



当たりを見渡すとそこは電化製品売り場。



あ、夢か。



蓄音機体験場で意識がトリップしたことを思い出し赤面した。



トリップしている間に自分の後ろには長蛇の列ができていたようで、最後尾がわからないほど大勢のパロットが並んでいる。



急いでヘッドホンを外し、そそくさその場を離れた。



あの数のパロットたちが僕のお客さんだったら良かったのに…。



そう思いつつ、今日見た景色を胸に抱いて、今夜もDJの練習を頑張ろうと心に誓ったのであった。

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