【短編小説】そら浮くねずみ
ハリネズミはシャボン玉をふかしていた。
ぷくー
ぷくー
ひと玉
ひと玉
ゆっくりと登っていく。
ハリネズミはお腹を出して優雅にぷくぷくしていた。
ひと泡
ひと泡
ぷくー
ぷくー
ハリネズミは試しに大きなシャボン玉を作ってみることにした。
ぷくううううううううううううう
大きくなりすぎたそれは
だんだんハリネズミを持ち上げた
飛ぶシャボン玉
ぶら下がるハリネズミ
ぷらぷらと浮いたあと、
ぱっと弾けて落ちた。
いていて
ハリネズミはしりもちをついた。
ぷかぷか浮けたのが面白くなってきた。
今度は体の向きを変えて思いっきり大きく息を吹き込んだ。
大きくなったそれは、ほんの一瞬自分の棘に刺さり、消えてしまった。
ハリネズミは、引きこもった。
サポートしていただくとさらに物語が紡がれます。