通りゃんせん

ふとした片想いも 通りゃんせん
ちょっした脇道も 通りゃんせん
其れが似合いの私ですが 鼻緒が切れそうです

夢見た恋心も 通りゃんせん
浴衣を着たって 通りゃんせん
哀れが魅力の私です 夜も冷たくなります

腰紐を首に巻いて 夕顔を迎えて
あんたの優しさがまるで棘みたいに
身体中に刺さっては 浴衣も染まる紅(あか)
どうにもこうにもあんたには愛されない
なんとか飾って私は愚か者です

違うと声にしても 通りゃんせん
間違った知識で 通りゃんせん
其れが普段のその日暮らし 簪(かんざし)が情けです

感情を飲み込んで 通りゃんせん
愛はあきらかに 通りゃんせん
「お前は半端で気色悪い」 語り口も慣れます

簪(かんざし)を首に刺して 夕顔を染めては
赤紫色がやけに目立ってます
其れが私の気持ちで だけど大事なのは
どうにもこうにもあんたには他人(ひと)の視線
心を殺して 私は金魚の祭り

提灯の灯りが神社の境内を色付けても
ひとりぼっちの私はまだ入れません
ひとりぼっちの私はまだ通りゃんせん

誰も居ない境内を ひとりで歩いては
夕顔が咲く時間が私の祭り
石畳に下駄が鳴り 浴衣が風に揺れ
どうにもこうにもあんたには逢えないです
鳥居を通れる丑三つ時に行きます

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