見出し画像

10年目を迎えるサクラスの2024年度会社方針


2015年の創業以来、テクノロジーと戦略で国内エンタメ業界のDX支援を行ってきたサクラス。AI技術が飛躍した2023年を経て、どのような目標を掲げ2024年を突き進むのか。会社note事務局が本年度の会社方針について代表にインタビューを行った。

インタビューを通じて見えてきたのは新たな領域の萌芽を開花させ、さらなる組織力の強化を図るサクラスの姿だった。

―― サクラスは今年で10年目を迎えますね。これまでも新しいチャレンジをたくさんしてきましたが、最近はよりチャレンジと実務が結びついている様に感じています。今年度のサクラスはどのようなチャレンジをしていくのか、2024年度の会社方針を教えてください。

 今年度の会社方針は大きく分けると3つあります。まず1つ目は日本のコンテンツを海外に発信する支援をしたいと思っています。これまでの10年は主にエンタメ業界の国内向けプロジェクトを支援をしてきました。ポストコロナとなり私自身海外の人とコミュニケーションを取ることが増え、日本の文化的な価値にニーズを感じています。その中でも日本のコンテンツは食などと並んで世界に価値を提供できる商材だと考えています。
 一方で日本のコンテンツはより積極的に発信してもっと存在感を出していけるのではないかとも考えています。例えば韓国は近年積極的に海外発信を行いコンテンツのグローバル展開に成功していると思います。そのような支援をする事が今年のチャレンジです。

―― 確かに最近だと意識して情報収集しなくとも韓国コンテンツの話題が耳に入ってきますね。海外発信の支援ですが、サクラスは今までどんな海外向けビジネスを支援してきましたか?

 過去にはIP周りなど様々な支援をしており、昨年は2つの海外プロジェクトを支援しました。1つ目は海外で行う小説投稿イベントのパートナーを見つけるお手伝いです。パートナー候補となる30社程をピックアップした後、4,5社との商談を経て実際にイベントを実施する方向で進めています。

―― 海外でゼロから新規取引先を見つけたんですね。最初に30社程度ピックアップしたとのことですがどのように選ばれたんですか?

 chatGPTを使い会社データの取得や情報整理を行うことで膨大なデータを効率的に扱え、良い候補を抽出できたと思います。

―― 2023年話題となったテクノロジーをすぐに実務へ活用していますね。もう1つはどのようなプロジェクトでしたか?

 昨年初めて開催した国内イベントの海外発信を支援しました。このキャンペーンではイベントをPRする投稿に対して、海外から多くのコメントを頂けました。こうした「生のコメントをもらえる」SNSキャンペーンというのは難易度は高いのですが、成功すると2次拡散に繋がるほか、広告の効果実感も得られるので関係者の理解も得やすいです。当社が強みにしているいつもの手法が海外に対しても有効であることがわかりました。

―― 興味ある層にきちんと届いているからこその結果ですね。

 こういった活動を今年はもっと増やしていきたいと思います。個人的な活動では海外イベントの参加や海外の学生向けの授業を担当する機会が増えてきているので情報収集・発信ともに今年は機会を増やしていきたいですね。

―― 昨年のケースはどちらも新しいチャレンジだったと思いますが、テクノロジーを活用し価値につなげて支援しているのがサクラスらしいですね。では、2つ目の方針を教えてください。

 個人が輝ける次世代の組織づくりをもっと進めていきます。創業以来個人が組織に頼らず働ける環境を提供したいと思っており、そのために当初からフルリモートワークを採用しています。現在では首都圏以外在住のメンバーや留学中含め海外在住のメンバーなど各地から参加してもらっています。私自身も海外から仕事に参加することが増えています。

―― 私も福岡在住ですが、不便に感じたことはないですね。たぶん私が福岡在住だと知らない人も多そうです。それくらい問題なくフルリモート体制で組織がまわっていますよね。今後海外事業を進めていき世界中からサクラスに参加する人が増えたとしてもうまく回る未来が見えます。

 そうですね。フルリモートの体制は完成しており、柔軟な働き方ができていると言えます。今年はもっと会社を未来型の仕組みにしていき、代表の仕事をさらに機械化したいですね。
 その1つとして組織に所属している人たちと共同で会社を保有する準備を進めています。例えばですがNFTを活用しメンバーが会社の10%分のオーナーになるなど。そうすると業績、つまり自分の出した結果と連動して対価を受け取れます。固定給や時給では反映できない、活躍している人がきちんと報いられる仕組みだと思っています。

―― そこに上司や人が関わらない仕組みですね。

 通常の組織だと上司の判断が色々なところに介在するので、上司の顔色を伺うことや権力に振り回される・・・なんてことが発生するかもしれません。メンバーがオーナーになることと上司の機械化を進めることで、権力に頼らず気にせず活躍できる。これはサクラスがミッションに掲げている「抑圧からの開放」にも繋がります。(サクラスのミッションについて詳しくはこちらの記事参照

―― 内部的なコミュニケーションに労力を割かず、メンバーは創造性や生産性の向上に集中できますね。代表はプロとして最大限のパフォーマンスを追求することを日頃からメンバーに求めていますが、それが組織体制にも現れていますね。その他に未来型組織の仕組みや代表の機械化で進めていることはありますか?

 請求を受けて支払いするなどのお金周りの流れをよりスムーズに自動化しています。また今まではZoomの出席時間を自分で申請し、PMから承認を受けて時間分の請求をするフローでしたが、Zoomの出席時間を自動で取得し申請する仕組みができあがりました。
 上司の機械化としては入社3ヶ月おめでとうのメッセージと共に3ヶ月の実績を自動で取得しslackに投稿しています。この様に機械が判定し、機械が運営する姿を今年は突き詰めていきたいですね。

―― 人間の記憶だと正確じゃなかったり主観が入ったりしますが、機械が取得した正確なデータを用いて客観的に自分の実績を振り返れるのはいいですね。未来型の組織となり、上司は機械に・・と聞くとなんだかすごく無機質なようにも聞こえますが、サクラスの文化や価値観といったところはどのように共有していますか?

 目指しているような自律型分散組織において、アウトプットが残っているのは重要だと思っています。アウトプットというのは提案書や報告書、このnoteみたいな記事ですね。読むとサクラスの歴史や価値観がわかってくると思います。代表の歴史ではなくサクラスの歴史を残したいので文集みたいにみんなが1ページずつ担当して一緒に作っていきたいです。

―― 実際に私もインタビュー前に過去の記事や提案書類を読んだのですが、今まで感じていた事が言語化され、よりサクラスに対する解像度があがりました。文集みたいに参加する側になると帰属意識も高まりそうですね。では、次に3つ目の方針を教えてください。

 3つ目の方針は取り組み規模の拡大です。今までの反省点として、うまくできた事をさらに社会の色々な場所に広げていく活動が弱かったことがあげられます。今年はもっと蓄積しているノウハウを展開できるようチャレンジしていきたいですね。

―― うまくできた事というと具体的にはどんなことでしょうか?

 広告事業では見た人に喜ばれる広告配信を心がけていて、実際に「こんな広告が流れてきて嬉しい」というコメントをたくさん頂いています。広告主さんのコンテンツがいいからというのもありますが、喜んでくれる層を狙い当てて広告が打てているからだと思います。
 また、ECサイトの支援事業でも戦略を立てるところから定量的な効果を分析するところまで高度な支援ができていると思っています。戦略の文脈を読み取って運用する世界と数字を読み取って効率を追求する世界があると思うのですが、その2つをバランスよくまわして支援しています。その他にもRPAを利用した国内サイトの高度なリサーチもなども行っています。

―― 展開していく上での課題はありますか?

 自社マーケティング、顧客獲得を強化していくのが課題ですね。
昨年は営業代行サービスを利用したり、顧客獲得のためにSNS広告を出したりと試行錯誤しました。今は顧問制度を採用し、顧問からの紹介を受け良い提案をしていく流れがうまくいきはじめています。この連携と質の高い提案を強化していきたいですね。

―― サクラスの取り組みといえば最先端テクノロジーの早期活用が浮かびますが、そのあたりで取り組みの拡大をしていくことはありますか?

 昨年はAIが飛躍した年でしたので、色々な場面でAIの活用をしてみました。例えばプログラミング未経験者がAIを用いてコード作成したり、実用化はしませんでしたがAIキャラのXアカウントを作り自動ポスト自動返信するプロトタイプの作成と提案などしていました。
このように目的ありきで技術の応用し実務に活かす取り組みは今後もチャレンジしていきたいですね。プロトタイプもさっと作れることがわかったので、先にプロトタイプを作ってみて提案するのもいいかなと思っています。

―― 今までは主に社内での早期活用を行っていましたが、社外への展開もチャレンジしていってるのですね。最後に代表の今年の目標を聞いてもいいですか?

 昨年は事業部を3つに分け、さらに事業部ごとに口座を分けて独立採算制にするところまでできました。器としては3つに分かれましたが、中身がまだ追いついていないので今年はサクラスを3つの独立した企業に成長させたいと思います。そのために事業部長と顧問を探すのが私の当面の課題ですね。


 これまでの10年で国内におけるエンタメ文化の発展支援と輝ける個人ための組織づくりを行ってきたサクラス。「機械化」「自動化」をテーマに新しい技術を活かした組織づくりで、個人の創造性や生産性の向上を促進してきた。2024年度のチャレンジは海外発信や新規顧客獲得などゼロに近いところからのスタートだが、最大限のパフォーマンスを発揮し達成していく体制は整っている。

(文/K.S.)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?