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P.12|ノルウェーと日本の間、ある船の記憶をたぐる / Drawing a memory of a ship between Norway and Japan
(English follows.) ノルウェーに来てから半年が過ぎました。滞在の折り返し地点です。4月下旬からオスロにて最初の展示を行います。会場はオスロ大学図書館の展示スペースです。こちらで参加している研究プロジェクト「Whales of Power」との展示です。 ここ半年ほど手繰っていた物と語りを紹介します。 ---------- それは一枚のガラスネガから始まった。撮影者はヘンリク・G・メルソム。1900年前後に日本の捕鯨船で活躍したノルウェー人砲手だ。20世紀
news|「鯨寄る浜、海辺の物語を手繰る」(苫小牧市美術博物館・企画展「NITTAN ART FILE4:土地の記憶~結晶化する表象」のこと)
鯨に導かれるように、海を伝うようにさまざまな土地を訪れてきた。ある時、苫小牧で聞いた話が、頭から離れなくなった。かつて苫小牧の浜辺が広い砂浜だった頃、砂山の上にあった恵比寿神社と稲荷神社に鯨の骨が祀られていたという。 それはどんな光景だったのだろう。なぜ人々は鯨の骨を大切にしたのだろう。さまざまな海浜植物が花を咲かせた広い砂浜も、鯨の骨が祀られたという神社も、すでに失われた、今。海辺に立ち辺りを見渡しても、かつての眺めを想像することは難しい。 東北から北海道南部の海
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記事をすべて見る すべて見るnews|是恒さくら+Dylan Thomas 「ふたつの水が出会うとき / When two waters meet」(Cyg art gallery、盛岡)
盛岡・Cyg art galleryにて、是恒さくら+Dylan Thomas「ふたつの水が出会うとき / When two waters meet」を開催中です。今回の展示について、Cygのnoteで記事にしていただきました。企画を一緒にすすめてきた藤岡麻衣さんとのトークの動画も公開されました。 カナダ先住民であるコーストサリッシュのアーティストDylan Thomasとの2人展です。 Dylan Thomasの来日は叶いませんでしたが、カナダとのやりとりを通して、北西
xi. {対談}『ありふれたくじら』Vol.6を読んで〜本で旅する、本を旅する。/ゲスト:ペンギン文庫 オーナー・山田絹代さん
様々な土地で本屋を開き、本と本屋の持つ新たな可能性を探してきた移動式の本屋、「ペンギン文庫」。『ありふれたくじら』シリーズも、ペンギン文庫を通じていろんな土地に届けていただきました。『ありふれたくじら』Vol.6の感想と、最近の活動のことを、オーナーの山田絹代さんにお聞きしました。 ********** 是恒:ペンギン文庫は移動式本屋として、出店場所にあわせてセレクトした本との出会いを各地でうみだしてこられましたが、今年はどのような変化がありましたか。 山田:去年までの活
- 再生
ⅷ. 本のゆくさき〜映像と音楽と〜
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、さまざまなイベントが開催中止となった2020年。世界各地のブックフェアの多くも開催中止、またはオンラインでの開催となりました。そうした状況からZINEのナノ・パブリッシャー「crevasse」は、アーティストによる自主制作出版物(ZINE・リトルプレス)を紹介する映像ストリーミングサービス「AP (Artists Press) Streaming」を構想。Vegetable Recordによる3つのオリジナル音源から、参加アーティストがBGMを選び、映像で見せるZINE・リトルプレスのライブラリとなるものです。 APStreamingに参加した『ありふれたくじら』Vol.6の映像です。 crevasse: https://www.crevasse.info/