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ありふれたくじら Vol.1 :網地島/鮎川浜

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宮城県石巻市、牡鹿半島の先端のまち・鮎川浜は捕鯨基地として知られる。その対岸にある網地島には、鯨を奉る古い石碑がある。海をはさんで向かい合うふたつの土地で暮らしてきた人たちにとっ… もっと読む
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記事一覧

vol.1 『ありふれたくじら』について

ほとんどの種の鯨は季節のうつろいとともに北の海から南の海まで回遊する。途上にはたくさん…

vol.1.1 第1部 網地島

ここは昔から漁業の村だった、と宮城県石巻市の網地島(あじしま)に住む人たちは話す。男性た…

vol.1.1.1 くじらっぽね

網地島には、くじらっぽねと呼ばれる場所がある。「鯨の骨」を意味することから、鯨の骨を埋め…

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vol.1.1.2 漁師と鯨

長渡浜に住む元漁師のおじいさんは、鯨の話を聞きに訪れた私に畑で育てたスイカをご馳走してく…

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vol.1.1.3 鯨でないもの

網地島・長渡浜の人たちがともに生きてきた海とは、広い海を自由に泳ぐ鯨が時折人の暮らしに迷…

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vol.1.1.4 かりんとう

昔は北東の風が吹くと必ず鯨の匂いが流れてきた、と網地島・長渡浜に古くから住む人たちは話す…

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vol.1.2 第2部 鮎川浜

「鮎川浜は鯨の町」と、この町で長年暮らしてきた人たちだけでなく、周りの集落の人たちも話す。鮎川浜に住めば鯨肉をたらふく食べられる、と憧れだったという。捕鯨基地として栄える以前、鮎川浜は牡鹿半島の先端の小さな漁村だった。約100年前からいくつもの捕鯨会社が進出、捕鯨産業が好況となった鮎川浜には1万人もの人が集まり、立ち並ぶ飲食店や映画館が賑わった。今は木々が生い茂る周辺の山々の上まで田畑が広がっていた。捕鯨の最盛期、南氷洋での半年間の航海に出れば家を1軒建てられるほどの収入があ

vol.1.2.1 鯨をとる町

鮎川浜にはかつて、いくつもの捕鯨会社があったが、商業捕鯨の中止と捕鯨産業の衰退とともに撤…

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vol.1.2.2 船、飛行機、鯨

鮎川浜で鯨の話を聞いて歩くと、鯨そのものではなく、船や飛行機の話があちこちで出てくる。例…

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vol.1.2.3 歯

かつて、鮎川浜の捕鯨船乗りたちは南氷洋までミンククジラ、ナガスクジラ、イワシクジラなど主…

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vol.1.2.4 鯨の卵

鯨の港、鯨の町として栄えた頃の鮎川浜のことを知るふたりのおばあさんに出会い、話を聞いた。…

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