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『自分が好き』な自分になるために取り組んでいること:#なりたい自分:福山桜子

<自分のことは好きですか?>

その昔、サッカーの中田英寿さんが「自分探しの旅に出たい」ということで「職業・旅人」になった時、若槻千夏さんが「自分探しの旅に出た中田さん探しの旅に出たいわー」と言っていたのに大爆笑した記憶があります。

「自分とはなにか」
これはもう哲学・心理学の世界に突入するわけですが、そこまで大きな大命題ではなくとも、理想の自分=なりたい自分、というのがクリアに見えていて、具体的なイメージがある人はどれくらいいるのでしょう。

「好きなことで稼ぎたい」「有名になりたい」「パートナーと子供と持ち家で暮らしたい」物質的なことは色々あって、そこに向けての努力をしたりしなかったり、「目標」や「希望」を抱いて前に進む日々。

しかし。

好きなことで稼いでいても、有名でも、家族と持ち家に住んでいても、それはイコール「なりたい自分」にはならない。どんな目標や希望であれ、安心して「こんな自分が好きだわ〜」と笑顔でいられないところには幸せはないと、私は思っています。

周りに目を向けてみると、「自分嫌いの人」「自信が持てず、自分のことが好きになれない人」はとても多い。

そして、自分のことを振り返れば、「自分が好きじゃない」という状態だったこと、ありました。

<私はなにを間違えたんだろう>

その頃の私は、むちゃむちゃ焦っていた。自分で思っていたより歩みが遅い。大きな劇場でのミュージカルの演出や、全国公開映画の監督をやらせていただいたけれど、思うように仕事が繋がらない。思いつく限りの努力はしている。けれど評価されてるように感じない。こんなことじゃダメだ。理想には程遠い。あとできることはなんだ?もっとやらなきゃ!そんな感じ。

そこで舞い込んだ、とある舞台の演出の仕事。主演はとても有名な俳優さん。「ここが勝負どころかも!」と張り切りました。ところが、これが、本当に酷いモラハラ・パワハラ・セクハラの嵐の現場でした。

そこで私はまともに戦ってしまった。まあ、ハラスメントとか忖度とか絶対に許さないので戦うのは当然なのですが、孤軍奮闘状態なのがとてもとても辛かった。「演出」を考える時間よりも「どうしたら自分のやりたいことが実現できる体制が作れるのか」「味方は誰か」というようなことをを考える時間が多くなる。「あなたはダメ人間」というようなことを毎日言われるので、心はバキバキ折れていく。ついイライラしていて、コミュニケーションのやり方も悪くなっていく。

そして突入したのが、自己批判祭りでした。「私は何を間違えたんだろう」「私がもっと有名だったらこんなことにはならなかったのかもしれない」「どうしてこうなるって見抜けなかったんだろう」「自分がバカだった」「実力以上のことを望んでしまったのではないか」「迷惑かけている人がいる」。とうぜん、自分のことは好きじゃなくなりました。(*結局この作品は、全く違う大きなことで上演まで至りませんでした)

<できていないことばかり見てしまう癖>

立ち直りの気づきは、しばらく経ってからのワークショップ。
「他人に言っていることを、自分にも言ってあげればいいじゃん」でした。

私はアクティングのコーチをしており、不定期で俳優さんたちとワークショップをやっています。毎回最後に「今日の気づき」を一人ひとこと言うのですが、最初の回では、ほぼ100%、みなさん「ぜんぜん出来なかった」「実力がないことを思い知った」「なにもできない自分に凹んだ」など、自己否定をします。

そこで私が必ず言うのは
「できなかったことじゃなくて、できたことを言ってください」。
「自分の技術を上げようとワークショップに来た」それだけで、もう偉い。
「昨日まで知らなかったことを知った」それだけでもう偉い。
10日間のワークショップを終えた後は、きっとより「なりたい自分」に近づける。
「十分頑張ってるんだから、自分を褒めてあげてください」と言っていた。

他人にはそんな言葉を投げていたのに、いつのまにか自分自身が「できていないこと」ばかり見ていたのでした。焦りに焦ってた&ハラスメント攻撃に弱っていたのも大きな要因ですが、ぜんぜん自分を褒めていなかった。

これは癖です。この癖が一度ついてしまうとなかなか外せません。それでも癖というものは「自分の考え」を発端にしているので、考え方を変えていくと、癖は自然となくなります。

今できてないことは、今できないこと

<今日の私も偉かった>

・NYで20年近くいろいろなものに触れてきた
・日本で1300席の大きな劇場でミュージカルを演出できた
・規模は小さくとも全国公開の映画を2本監督した
・うまくいかなかったけど大きな仕事の話もくるようになった
確実に前に進んでいるじゃん。加害者のいる現場にぶちあたって傷ついてしまったのは当たり前。それによって「桜子はまったく悪くない」と次の機会をくださった方も現れた。成長しているよ、私。頑張ってんじゃん、私。見てくれてる人もいるじゃん。そんなふうに傷を癒していきました。

今の私も、やりたことがたくさんあって、できていないこともたくさんあるけれど、「今できてないことは、今はできないこと」と思っています。そしてムカついたことがあったら、絶対に聴いてくれる人に愚痴りまくって、そこからおなじことを起こす可能性をさげるために「何が起きたか解析」をします。

あとは、小さな達成を毎日続ける。
いきなり変わることを自分に求めず、ちいさいことを積み重ねる。
「毎日運動する」から「週一回はヨガに行く」、「読んでない資料の本を三ヶ月以内に全部読む」も「1日必ず3ページ資料を読む」、「一ヶ月で断捨離する!」を「1日15分何を捨てるか考える」。ハードルを下げて、できないことで凹むより「できたじゃん」を増やす。そうすると、自分のことが好きになれることが増えていくのです。

毎日頑張っているみなさん、ひとつでいいので、昔に比べて成長している自分を見つけてあげるところから始めてみてください。ハードルを下げて、小さな積み重ねをしてみてください。

やりたいと思っていたことが出来た時に、自分のことが好きでいられるように。

今日の私も偉かった。

#なりたい自分

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