![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86005227/rectangle_large_type_2_231e01a61166500156d6e5c3533bc03e.jpeg?width=800)
『七十二候』禾乃登‥こくものすなわちみのる
『禾乃登‥こくものすなわちみのる』
9月2日から6日頃
9月に入りましたね。
稲などの穀物が実り始める頃となりました。
稲穂がキラキラと黄金色に色づき
様々な穀物が実ります。
しかし、この時期は台風も多く
被害が心配な時でもありますよね。
台風の進路などに気を揉みながら
無事に収穫ができることを祈るばかりです。
実るほど頭を垂れる稲穂かな
稲が成長すると実を付けその重みで実(頭)が垂れ下がります。
その様子を立派に成長した人間、人格者ほど頭の低い謙虚な姿勢であるということに例えた
有名なことわざです。
稲穂のように強風に煽られ
どんな困難なことがあったとしても
そこを乗り越え、強く逞しい中にも
謙虚な姿勢、思いやりそして
優しさを忘れず‥歳を重ね‥。
![](https://assets.st-note.com/img/1662031407732-OQEXTkupuf.jpg?width=800)
わたしは、今の会社で働くようになり
今年で7年目になるのですが
同じ会社で働く期間が長くなればなるほど
どうしてもそういう謙虚な気持ちを
忘れてしまいがちです。
ふとそんな自分自身に気付いた時は
いつも初心。初心。と
言い聞かせています。笑
是非初心不可忘
時々初心不可忘
老後初心不可忘
新しくなにかを始めたときの記憶や
そのときに味わった上手くできない悔しさや
失敗してしまった気持ちなど
そこから現在に至るまでの数々の努力を忘れてはいけませんよ。
世阿弥が編み出した言葉には
自分の未熟さを受け入れ、心にしっかりと置き
しかしそこで満足し止まるのではなく
新しい事態にも挑戦していくこと。
会社の中だけに限らず
生きていく中で様々なステージが
待ち受けているその中でこれまでの経験を糧に進みなさい。
能楽師であった世阿弥から
感じるメッセージは600年の時を越えた今も
胸に刺さるものばかり‥。
![](https://assets.st-note.com/img/1662117805700-HuvJcasW6v.jpg?width=800)
秘すれば花なり秘せずは花なるべからず
秘めるからこそ花になる
秘めねば花の価値は失せてしまうという
意味があるこの言葉なのですが
改めてこの言葉と向き合った時
まるで今の自分を見透かされているようで
ドキッとしてしまったのはわたしだけでしょうか。
すべてを語り
知って欲しいと思う反面
やはり少し見えない部分‥
ミステリアスなところがある方が
興味を惹き魅力的に映ることもあるかもしれません。
手の中をすべて見せず
ここぞというときに披露する‥。
能の大成者である世阿弥が父の教えに基づき
著した物だからこそ深さを持つのかもしれませんね。
![](https://assets.st-note.com/img/1662030982733-V7C5nOAa09.jpg?width=800)
さて、九月に入り
異名として一番に浮かぶのは
「長月」ですが
その他にも
夜長月‥よながづき
稲刈月‥いねかりづき
紅葉月‥もみじづき
菊月‥きくづき
菊咲月‥きくざきづき
彩月‥いろどりづき
梢秋‥こづえのあき
寝覚月‥めざめづき
と。その月その月にいくつか名前が
付いています。
以前この異名を使い
ひと月に一度短歌を詠んでいたことがあるのを思い出し、検索してみましたが
続けられなかったようで‥
五つの短歌しか見つけられませんでした。
その中の貴重なひとつ‥。笑
一昨年の六月に詠んだ短歌を
紹介しますね。
風待ちの 薄紫の色彩に 思い巡らせ夢見風鈴
『詩的な記憶』♪るん短歌。
![](https://assets.st-note.com/img/1662040253826-1ixXrIlx28.jpg?width=800)
六月の異名のひとつである
「風待ち月」を使って
書いたものです。
チリンチリン‥。二年前のわたしは
夏風鈴に
どのような夢を巡らしていたのでしょう。
涼やかに静かに
風に吹かれ‥今日もどこかで
夏の終わりの蒼風鈴‥。チリンチリン。
そして
今回、九月の異名「長月」を使い
久しぶりに書いてみました。
長月夜 指折り数え待ちわびて
ひとつ口づけ苦き恋かな
![](https://assets.st-note.com/img/1662117680431-RbtMAvcv8K.jpg)
実はこの短歌には恋愛の他に
「あるもの」のことを歌ったものですが
分かりますでしょうか。
七十二候の記事に
登場したことのあるものですよ。
今回のように、詩や短歌を書く時
わたしはよく別の意味をこっそり
忍ばせていたりします。
一見、花のことを書いているように見せて
恋愛観について書いていたり
夢のことを書いているように見せて
友情について書いていたり‥。
受け取ってくださった方が
いろんな受け止め方を
していただけるような
百人百様‥。
いろんな方向から膨むような
そんな作品を書いていけたらいいな。
今日も明日もこれからも‥。
![](https://assets.st-note.com/img/1662118405135-B4Dd3ThhHw.jpg?width=800)
今回の七十二候に使用している写真はphotoAC+るんphotoを使用しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?