Letter15 社会人二年目〜試験前日の私へ〜

地元では、まだピンクと緑に入り混じった葉桜を楽しめる6月。

大学編入試験の一次試験を通過し、二次試験が始まった。

受験は全部で３校。

先に２校受験し、それぞれ合格発表がある。

一校目。

一度目も受けていた大学だった。

試験前日。

緊張はあまりしていなかった。

やれるだけはやったはず。

あとは、何だろう・・・。

自分を信じて・・・

その時、何かが降りてきたように気づいた。

私は今まで、

一度も自分を信じたことがなかった。

と・・・。

私が私の味方にならなくて、

誰が私の味方になるのだろう・・・？

こんなにやってきたのに・・・

私は私を信じていなかった。

自分を信じる。

どうすればいいかわからない。

私は手のひらに収まるような小さいメモ用紙を出した。

鉛筆でその中央に

「自信」

と書いた。

今にも消えそうな薄い字だった。

小さな紙をさらに折りたたんで、

ポケットに入れて会場に持っていった。

その紙は、今も大切に持っている。