既白庵(京都妙心寺 桂春院)


「既白庵(きはくあん)」

京都の妙心寺塔頭、桂春院にある茶室。

利休の孫の宗旦に師事した茶人・藤村庸軒の流れを汲んだ人の作とされています。

妙心寺では修行の妨げになるとして茶の湯が法度(禁止)となっていましたが、それが安政年間(1854~60年)には解けたといいます。

そのような背景から、この茶室はその頃(江戸末期)に作られた、もしくはそれ以前から秘密裏に使われていたものと思われます(諸説あり)。

内部は三畳下座床の席で、板床の形式となります。約一畳の板の間をはさんで、七畳と六畳の書院に通じています。

床柱は赤松皮付、床框は面取りの木地縁にし、壁の入隅は塗り廻しています。さらに、左の壁には墨蹟窓があきますが、掛け障子は外側に掛けられています(※通常は内側に掛けます)。

点前座は上げ台目切り、コブシ丸太の中柱を立て、袖壁の下方を吹き抜けとし、客座側から二重棚の下棚が見えるようにしています。上下の棚は同じ大きさで、これは不審庵などにも見られるような利休流の形式となります。

点前座には風炉先窓があき、他には躙口の上にあいた大きな連子窓、隣の壁には下地窓と天井には突上窓があきます。

三畳下座床という構成や板床の形式、大きめの墨蹟窓など、藤村庸軒作の澱看席に似通っている部分があります。

この茶室は通常非公開ですが、今も桂春院に現存しています。

また、桂春院には狩野山雪筆の襖絵や庭園など、他にも見所があります。こちらは、拝観料を支払い、拝観もできるそうです。

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