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京都にある茶室

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守るべき文化財の宝庫、京都に現存する茶室を集めました!
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2024年3月の記事一覧

国宝茶室 密庵(京都大徳寺 龍光院)

「密庵(みったん)」

国内に現存する国宝茶室(待庵・如庵・密庵)の一つで、江戸前期の茶人・小堀遠州の作。

密庵のある龍光院は京都大徳寺の西南の端に位置し、特別公開も含め一切の拝観を行っておらず完全非公開となっています。そのため、他の二つは見ることができることから「最も見るのが難しい国宝」とも呼ばれます。

密庵は現在、書院の北西隅に組み込まれていますが、当初は独立した建物であったそうです。

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松月亭(京都醍醐寺 三宝院)

「松月亭(しょうげつてい)」

京都 醍醐寺の子院・三宝院にある茶室。

内部の杉戸の鴛鴦図(おしどりず)は岸良(1792~1852年)の筆によるものであることから、江戸時代末期に造られたものと推定されます。

東南の角柱が庭の池中の根石に支えられており、池の上にせり出すように建っています。

内部は四畳半本勝手で、東面の壁に大きな円窓があるのが特長的です。

南面の壁は、東側に貴人口と池の上に竹

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芭蕉庵(京都 金福寺)

「芭蕉庵(ばしょうあん)」

京都の金福寺にある茶室。

元禄年間(1688年~)に俳聖・松尾芭蕉(1644~1694年)がこの庵に滞在して句をつくったそうです。

その庵は荒廃し形も無くなっていたところ、江戸中期の俳人・与謝蕪村(1716~1784年)がその荒廃を惜しみ一門と共に再興したのが、この芭蕉庵と伝えられています。庵の近くには蕪村のお墓もあります。

内部は三畳台目に踏込床形式の台目床で

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