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京都にある茶室

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守るべき文化財の宝庫、京都に現存する茶室を集めました!
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2023年10月の記事一覧

東陽坊(京都建仁寺)

「東陽坊(とうようぼう)」

京都最古の禅寺・建仁寺にある二畳台目の茶室。

建仁寺は禅と茶を中国から持ち帰り、日本に広めた栄西禅師が開祖。栄西禅師が著した「喫茶養生記」は、我が国最古の茶書だそうです。

この中で、「茶は養生の仙薬、延齢の妙術」と説かれています。建仁寺にはそんな栄西禅師の茶碑もあります。

この茶席は、秀吉が催した有名な北野大茶会で、利休の高弟・東陽坊長盛(ちょうせい)が担当した

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安勝軒(京都大徳寺 瑞峰院)

「安勝軒(あんしょうけん)」

京都大徳寺境内の南に位置する瑞峰院(ずいほういん)に現存する茶室。

昭和3(1928)年に、数寄者・小島弥七氏の寄進で、表千家12代の惺斎(せいさい)宗左宗匠による指導の元つくられました。

安勝軒は三畳台目の逆勝手席(※右側に勝手があり、左に向かい御点前をする)で、大徳寺の茶室としては唯一だそうです。

全体は本席と次の間三畳、水屋三畳、土間の台所で構成されてい

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官休庵(武者小路千家の茶室)

「官休庵(かんきゅうあん)」

武者小路千家を代表する茶室。

利休の孫・宗旦の次男で、武者小路千家初代の一翁宗守(いちおうそうしゅ)の好みと伝えられます。

宗旦は生涯在野を貫きましたが、一翁は高松藩へ茶頭として仕えました。

1667(寛文7)年に75歳で官を辞し、そのときの境地にもとづく名として「官休」とついたのがこの茶室です。

一畳台目の下座床で水屋洞庫をそなえ、客座と点前畳の間に半板(

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