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Buen Camino_Portugués-6【pilgriming】ポルトガル巡礼の道

これまでのあらすじ。
スペイン巡礼道の1つ、ポルトガル巡礼路を歩く旅がスタート。いよいよポルトガル最終日。歩きながら現在時間が変わる。1歩を踏み出すと1時間先の未来に飛びます。
今日はRubiaes→Tui(19.97km)の予定。

昨日のNoteはこちら

Buen Camino_Portugués-6【pilgriming】ポルトガル巡礼の道


明け方に宿を出発。頑張って時間通りに起きた。
朝に宿の従業員に合う。昨日大丈夫だった?ちゃんと寝れた?と気にかけられる。
話をしていくと、「あなたも家族もみんなアレ知ってたんかい!?」という感じになったAM6時。

朝食はパンを出してくれたので、パンとバターとジャムで軽めに済ます。
コーヒーが温かい。
テルモスにもコーヒーを入れて持って行く。こういう時にステンレスボトルは最適。ナルゲンボトルでもいいのですが。

Bom Camiho

今日はポルトガルとスペインの国境を超える予定。
「Bom Camiho」と言うのも最後になる予定。


写真のフレームにフレームをおさめる
街に1つ教会
Tuiまでの道のり。看板がちょっと汚くて残念。
Fontoura着。黄色はSantiago de Compostela方面。青はファティマ方面
マンホール
道はしっかりと整備
ブドウ畑
こういう道がカミーノ

ポルトガルルートは舗装路が多く結構足にダメージがくる作り。
雨で泥だらけにならないのはいいのですが、ストックも使いづらいし私は土道、砂利土道のほうが好みです。


教会があると礼拝しながら休憩もできるのでついゆっくりしてしまう。
クレデンシャルスタンプ
スペインとの国境、ポルトガルの要塞都市ヴァレンサ
整備されています
五稜郭っぽいヴァレンサ・ド・ミーニョ
こんな絵をゴールデンカムイでみた気がします
壁全体に水が流れていて冷ややか
ヴァレンサの要塞の中は生活空間。家や商店が立ち並ぶ。当然教会もある
五稜郭が組み合わさった要塞都市ヴァレンサ
ポルトガルの名物料理を集めてみました

ヴァレンサを観光していたところ、昨日の宿で一緒だったカナダ人のサイモンに出会う。

「昨日寝れた?」
開口一番これであった。

サイモンの部屋は、
私の部屋→ミエリン吹き抜けベッド→リビング→トイレ/シャワー→サイモンの部屋
という位置関係。
どうやらリビングだけでなくトイレ/シャワーでも忙しかったらしい。

「寝れていない。そしてなんか家族もみんな知っていたみたいだよ」という朝の最新情報を教えると、
「まじか!?」と言ってビールをおごってくれた。
乾杯。
共通の敵ができると仲良くなるものだ。私たちはもともと敵でもなく彼らも敵ですらないが。

デンマークを拠点に生活するようになって知らない人にビールをおごってもらう機会が何回も起こっている。
デンマーク人もカナダ人も、知らない人にビールをおごる習慣は無いみたいなのだが・・・。
それにつられて私も知らない人にビールをおごる体質になった。
知らない人と話をするのは面白い。

サイモンは今日はここValenca泊まるようだ。
私はTuiに行くことを伝え、またどこかで会おうBom Camihoと言って別れた。

鉄に穴を開けただけの金属板だけど、しっかりと情報が伝わる。
ネコが要塞を防衛
別の教会
光の入り方がすごい。ジェームズ・タレルかな?
こちらにもアズレージョ
壁の向こう側も道は続く
要塞の要件:水場があること。でもここのはControlされていない水なので飲んではダメ。
今日も今日とて栗拾い。
拾ったそばから食べている巡礼者がいた。そうか、栗は巡礼者の貴重なタンパク源。
国境橋に差し掛かる。
国際橋:Ponte Rodo-Ferroviaria de valenca
ミーニョ川が国の境目。
結構怖い。高いところの隙間は苦手。
この歩道をずーっと歩いていきます。
左:ポルトガル  右:スペイン
スペイン編開幕

1時間先の未来へとんだ。
だが何も変わらなかった。
時計の時間が変わっただけ。
何ならデジタル時計はまだ追いついていない。

感覚が追い付かないのは、北の国境を超えたからなのだろうか。
地球を上に進んで、時差がつくというのは何となくピンとこない。
左(西)とか右(東)に進んで時間が変わるのは太陽の位置も動くからなら、なんとなく納得はいくのだけど。
地球は丸くて北は上、時差は北と南を境界線として差があるという知識が邪魔しているのかもしれない。真実かもしれないけど、地球が丸いのを自分で見たわけでは無いし。

そういえば、サマータイムは勝手に時間が戻ったけど問題なかった。
案外、人は時間に順応できるのかもしれない。

電気系のマンホール
カントリーサインの旅


今日の宿はあの山の上の教会の向こう側
上から見るとこんな感じなのかしら
街の中は迷路。行き止まりが多い。
こちらも要塞や城下町の造り。
石の道、石の家。
この道はsantiago de Compostelaの道
Tui大聖堂
広く大きい

アルガルベを発見。
ここのおばちゃんはだるそうだ。
明日朝8時に絶対に退出するよう命じられる。
その後も説明をいくつか受けた後現金で8€払う。

今日の寝床#1。8€
このがっちり木で固定タイプだと揺れが少ないので快適に寝られるはず。

今日は公共の巡礼宿を確保できた。
寝床を手に入れた。
宿泊費用は8€。
Barcelosで見かけた公共宿の看板では6€だったので、やはりこのご時世値上がりしているようだ。
それでも破格に安いが。

体が汗で冷えているのでまずはシャワーを浴びる。ルーティーン。
晴れているようなので今日着ていた服を帽子も含めてすべて洗濯する。

私は巡礼旅ではあまり服を持ち歩かない。重くなるからだ。
その分、速乾性が高い素材の服や匂いの残らない材質の服を選んでいる。晴れていれば4時間ほどで乾く。

人によっては上下タイツ(半袖、ショートパンツ)の人もいる。
これも軽くする対策かしら。
何れにしても洗いやすく乾きやすい材質だろう。
日本ではあまり見ない景色。でもピタッと薄手のタイツのみ。
聞いたところ、ある人は着ているものと同じタイツだけ、合計2着しか持っていないという人もいた。
何れにしても自分で荷物をすべて運ぶ場合は総重量を減らすことが脚やカラダへの負担を軽くする近道。

荷物を運んでくれるサービスを利用している場合はそこの心配も必要無い。
そもそも移動中は水だけを持っていたり、ウエストポーチ1つという人もいる。
スナック感覚で巡礼ができる。
そういった人をTuiに入ってからさらに多く見かけ始めた。
皆いろいろな方法を選択してサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指している。

現在は100km以上歩くと巡礼証明書を発行してくれるが、これは伝統的な巡礼からはかけ離れているという理由で200kmに伸ばそうという動きがあるらしい。
こうなると大分歩き方も変わるだろう。
長く歩く私には関係のないことだが、ものすごくビジネスの香りがする。


そんなことを考えながら洗濯が終わる。
私は基本手洗い。3€、5€を払って洗濯機や乾燥機を使う方法もあるが出費を抑えることやできる限り機械を使わないようにするため使わない。
その代償もある。腕が疲れるし手のひらは擦れてくるしということも起こる。
選択は自分。

さて、遅い昼食を食べに行くことにする。
受付前で入れ違いでフランス人ペアにあう。
軽く挨拶。
この宿の仕組みを予想するに、上のベット#2は次に到着した人。
そうなるとこの2人のどちらかということになるのか。
軽く挨拶を交わして分かれる。
遠くで2人の叫び声が聞こえる。

通りに出て何件かレストランやカフェを眺める。
良さげなレストランを発見。

クレジットカードが使えるか聞いたところ、試してみてくれと店員は言う。

試す?と思ったがカウンターへついて行く。
BBVAのクレジットカード認証端末が登場。
これ使ったことがあるからBBVAだったら大丈夫と伝えたが、いや試すと言って何か打ち出す。

BBVAはビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行。スペインビルバオにある銀行。Norte巡礼の際よく利用した銀行だ。
そのクレジットカード決済機。

作業を眺めると試しに入れていたのはAgua。
いや。先に説明してください。
まあ水は飲むからいいけど。

カードが問題なく支払えることを確認。
安心して席につく。

メニューを見て地元産っぽいものを選ぶ。
待つ。
結構待って30分ほど。

順番がきた。

Costilla de Cerdo Duroc
ガリシア州デュロック産の豚カルビを甘辛いタレで味付けた料理。14€

カラフルな料理。手のひらよりも大きい。
お腹が空いていることもあると思うが相当うまい。
お肉はやわらかく甘辛い味。上に載っているトッピングがサクサクしていて食感もおもしろい。
そして安定のじゃがいも添え。
いも美味しい。

15時を過ぎたあたり。やはり人が増えている。
今日の宿泊先はここTuiか1つ前のValencaに分散される。
国境の町はその本来用途である貿易拠点でもあるため他の町より発展している事が多い。
またTuiやValencaは世界遺産もあることから観光需要もある。しかしながらそこを鑑みてもやはり人が多い。

Tuiは残り約120kmの距離となる場所。距離証明書を取得したい場合は100km以上歩いた証明が必要となるため、この付近の街から始める人が多い。ということはここからはさらに人が増える。

まあ、悩んでもしょうがない。
微力でもベストを尽くすしか無いのだ。
自分の力以上のことは当てにできない。そういう意味ではシンプルだ。
「なぜベストを尽くさないのか」日本科学技術大学の教授も言っていた。
なぜベスの精神で進むしかないのだ。

宿の窓からゆったり景色を楽しむ
ライオン雲。銀座三越前にある像
Catedral Tui
観光案内所情報。明日は分岐があって工業団地を通る本来ルートと新たに整備した自然道を選べるとのこと。
遊ぶ子どもたち
階段を走ろうとして止められる子どもたち
スーパーでチョコバーを手に入れた。3つで2€
街中を観光バスが循環してる
信頼の水、Solan。
ボトルの強度もしっかりあって扱いやすい。
Tuiからの道筋と高低差マップ。

食事と買物を終えて宿に戻るとフランス人のたちは#3と#4になっていた。
ああ、あのとき聞いた叫び声は#2と#3のベットを見ての叫び声だったか。

あとから個別に聞いたら、その後来た女の子に交渉してベットを変わってもらったらしい。

バスに電車や飛行機などもそうだが、席を予約していると席を交換してほしいと交渉される事が海外は多い気がする。
話をして主張を通す文化だからなのだろうか。
窓際がいいだの、通路側がいいだの、隣が家族だからなど理由は様々。
ある時、個別の1席を予約していた際も、1人席に座りたいからこちらの2人席の1つと交換してほしいと交渉されたこともある。
いやいや。値段違いますし、隣の人誰ですか?席はみ出しているぐらい大きいし。
替わりませんよそんなの。
というケースもある。

理由に納得すれば交換するが、それ以外はしっかり断るようにしている。
断るときはしっかり断ったほうが良い。これからの使用に支障が出るし、そもそも追加料金を払ったり、並んだりして頑張って取った席だ。変わる理由もないだろう。
そして交渉してきた人も席を変わらずともずっと近くに居続けることになることを想像しておかなければならない。
判断をはっきり伝えてその後トラブルになったことはないのでそうすることをおすすめします。

さて明日も早い。
しっかりと休息を取ろう。
寝る前には毎日ストレッチとマッサージ。
体にも疲れが溜まってきている。

#3ベットにおさまったフランスのリヨンくんは小指と足裏の豆が痛々しい。
彼は靴が合わず、新しい靴をネットで買って宿で受け取ったツワモノだ。
どこかのスニーカーからホカオネオネにしたようだ。さすがフランス人。
ホカオネオネは走りやすいよねと声をかけたら結構意気投合した。
また彼は薬マニア。いろいろ薬を持っている。薬売りレベルだ。
服とかの巡礼荷物より薬のほうが多いのではなかろうか。
そんな彼メンソレータム臭のする何らかのクリームを足にいつも塗り込む。
会っていなくても、クリームの匂いがきついので今日彼が泊まっていることがわかるくらいだ。
また、足を引きずりほとんど歩けないおばあさんや、足や膝に包帯を巻いている子もいた。
みんな疲れやダメージが目に見えて現れている。
諦めて帰る人も明日はいるだろう。

でも私は。それでも私は進む。
早く休もう。

それでは今日も良い一日を。

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