sakata.crust

sakata.crust

記事一覧

犬とサナダムシ

ここ最近、リビングのカーペットにゴマ粒ようなものが落ちていた。「えっ?これは何?」とネットで調べると、どうやらノミの糞か死骸のようなのだ。 「犬がもろてきたな」…

sakata.crust
2年前
1

桜の森満開の下

「桜の森満開の下」は坂口安吾の短編小説だ。 あちこちで桜が満開になる今頃、いつも思い出す。 遠い昔、窃盗と殺人を繰り返す悪人の頭領は山深い処に住んでいた。奪った財…

sakata.crust
2年前
2

田辺聖子さんのお誕生日

3月27日は田辺聖子さんのお誕生日だった。、ご存命なら94才。奇しくもその日、昨年12月に刊行された『田辺聖子18歳の日々の記録』の講演会が伊丹市立図書館ことば蔵で開か…

sakata.crust
2年前
1

観音菩薩への祈り

奈良には観音様がたくさんおられる。 お水取り真っ最中の東大寺二月堂には秘仏十一面観音の大観音と小観音。 隣の東大寺三月堂には不空羂索観音、興福寺には不空羂索観音坐…

sakata.crust
2年前
1

父の名前を書くこと

訳あって、生前の父の名前を書く練習をしていた。ヘロヘロの筆文字である。 父が結婚後、何万回と書いたであろうその名を、父が最後に書いたのはいつだったのだろう。 父…

sakata.crust
2年前

能を楽しむ

京都のロームシアターで開催の「伝統芸能入門講座 芸能の在る処」の最終回へ行った。 前回、樟蔭国文に新任の古川先生で松竹新喜劇編、今回は国文を退官された森西先生の…

sakata.crust
2年前

どこ、見とんじゃい

春めいた日、暮れかかる頃、早いめに犬の散歩から戻ってきた。いつもなら往復2キロ程度の散歩だが、この日は往復で6キロと少し遠くまで行った。犬はともかく、私は歩いた…

sakata.crust
2年前
2

雨の夜に

「2号線はこっちですか?」 降り続く雨の夕方、近所のコープへ買い物に出た。あたりはすっかり暗く傘をさして歩いていたら。突然、暗闇から声をかけられた。 見ると、白髪…

sakata.crust
2年前
9

犬に噛まれると保健所がやってくる

犬噛まれて急遽、傷に貼った「傷パワーパット」はよく効く! 翌日、止血でき腫れもひきかけところで、町内の医院へ行った。 「外科」とあったが、受付で言うと「もう、やっ…

sakata.crust
2年前
2

犬に噛まれる

先日、暗くなりかけた夕方買い物途中に、犬友のご夫婦に出会った。 ちょうど愛犬を夕散歩に連れて出られる時だった。2頭のワンコは私も見かけて、なでなでも何度もしてい…

sakata.crust
2年前
4

犬とサナダムシ

ここ最近、リビングのカーペットにゴマ粒ようなものが落ちていた。「えっ?これは何?」とネットで調べると、どうやらノミの糞か死骸のようなのだ。
「犬がもろてきたな」。私はノミの被害にあった事はないが、ひどさは見聞きしていた。
これから暑くなるし、ノミが部屋やスタンダードプードル犬のマドちゃんに繁殖でもしようものなら大変なことになる。
と、すぐamazonでノミ駆除グッズを1万円近くポチった。(明日着予

もっとみる
桜の森満開の下

桜の森満開の下

「桜の森満開の下」は坂口安吾の短編小説だ。
あちこちで桜が満開になる今頃、いつも思い出す。
遠い昔、窃盗と殺人を繰り返す悪人の頭領は山深い処に住んでいた。奪った財宝に囲まれ、捕まえてきた女たち数人で暮らしているのだ。そこへ同じように捕まえ来た女が一人加わった。
その女はそれまでいた女たちを殺し、自分一人で頭領を操るようになる。
ある日、女は都へ帰りたいと無理を言う。
真夜中、頭領は女を背負って都へ

もっとみる
田辺聖子さんのお誕生日

田辺聖子さんのお誕生日

3月27日は田辺聖子さんのお誕生日だった。、ご存命なら94才。奇しくもその日、昨年12月に刊行された『田辺聖子18歳の日々の記録』の講演会が伊丹市立図書館ことば蔵で開かれた。編集担当の文芸春秋出版局の柘植学さんと田辺聖子文学館館長中 周子先生の対談である。

田辺聖子さんの死後、ご自宅の遺品の中から昭和19年から22年までの直筆日記が発見されて話題を呼んた。それがこの本にまとめられた。

内容は太

もっとみる
観音菩薩への祈り

観音菩薩への祈り

奈良には観音様がたくさんおられる。
お水取り真っ最中の東大寺二月堂には秘仏十一面観音の大観音と小観音。
隣の東大寺三月堂には不空羂索観音、興福寺には不空羂索観音坐像、
さらに今、奈良国立博物館では三輪山の聖林寺十一面観音が。

美しい姿を今、私たちが観れるのは、幾多の苦難を乗り越えて、多くの人たちが信仰を護り伝えてきたからだ。

3月は悲しい月である。
ウクライナではロシアが侵攻し、連日攻撃を加え

もっとみる
父の名前を書くこと

父の名前を書くこと

訳あって、生前の父の名前を書く練習をしていた。ヘロヘロの筆文字である。

父が結婚後、何万回と書いたであろうその名を、父が最後に書いたのはいつだったのだろう。
父は
「葬式、戒名不要」
「死んだら焼き場へ直行」
「骨は海に捨てろ、墓はいらん」
「誰にも知らせるな」
と病の床についてから十日にあけず私にこの言葉を吐いていた。
同じことを先日亡くなった石原慎太郎氏も言っていたようだが、父は10年以上前

もっとみる

能を楽しむ

京都のロームシアターで開催の「伝統芸能入門講座 芸能の在る処」の最終回へ行った。
前回、樟蔭国文に新任の古川先生で松竹新喜劇編、今回は国文を退官された森西先生の能楽編だ。
能楽となると、シテやワキ、仕舞、謡、音曲など演目の中心の講演が多いが、森西先生の京都を中心とした能舞台の変遷の前説が面白かった。

まず、能舞台の構造と特色の解説から始まり、能楽堂以前の野外の能楽堂の様子。京都の数々の能楽堂の来

もっとみる
どこ、見とんじゃい

どこ、見とんじゃい

春めいた日、暮れかかる頃、早いめに犬の散歩から戻ってきた。いつもなら往復2キロ程度の散歩だが、この日は往復で6キロと少し遠くまで行った。犬はともかく、私は歩いた暑さと疲れで意識がモーローとしていた。
門扉の内で犬のハーネスを解いていた時、門のすぐ前に一台の車がやってきて、うちの塀に沿って停まった。「えっ?誰だろう」
T字路で一方通行、道路交通法で駐停車禁止のエリアである。

弟たちの車ではないし、

もっとみる

雨の夜に

「2号線はこっちですか?」

降り続く雨の夕方、近所のコープへ買い物に出た。あたりはすっかり暗く傘をさして歩いていたら。突然、暗闇から声をかけられた。
見ると、白髪のセミロングのおばあさんである。目が白く濁っている。
私は瞬時「この世の人か?」と思った。足はある。
2号線とは国道2号線のこと。この場所からなら北へ軽く1キロはある。

「2号線やったら、この道を真っ直ぐ歩くと行き当たりますよ。でも1

もっとみる
犬に噛まれると保健所がやってくる

犬に噛まれると保健所がやってくる

犬噛まれて急遽、傷に貼った「傷パワーパット」はよく効く!
翌日、止血でき腫れもひきかけところで、町内の医院へ行った。
「外科」とあったが、受付で言うと「もう、やってないんですわ」と受付の人は申し訳なさそうに言う。看板には外科、内科・・・とある。
周りの医院を見渡すと内科、循環器科、消化器科、心療内科はあっても、外科は整形外科だけになっていた。(外科オンリーは需要がないのだわ)
それでも受付の人に「

もっとみる
犬に噛まれる

犬に噛まれる

先日、暗くなりかけた夕方買い物途中に、犬友のご夫婦に出会った。
ちょうど愛犬を夕散歩に連れて出られる時だった。2頭のワンコは私も見かけて、なでなでも何度もしていた。2頭ともミックス犬だが、見た目は甲斐犬に似ていて、いつも静かに歩いている。保護犬を引き取って育てておられるようだった。
その時、私は一人だった。
いつものようにご夫婦と挨拶をして、1頭の犬がいつものように私のそばに来た時・・私は「うちは

もっとみる