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観音菩薩への祈り

奈良には観音様がたくさんおられる。
お水取り真っ最中の東大寺二月堂には秘仏十一面観音の大観音と小観音。
隣の東大寺三月堂には不空羂索観音、興福寺には不空羂索観音坐像、
さらに今、奈良国立博物館では三輪山の聖林寺十一面観音が。

美しい姿を今、私たちが観れるのは、幾多の苦難を乗り越えて、多くの人たちが信仰を護り伝えてきたからだ。

3月は悲しい月である。
ウクライナではロシアが侵攻し、連日攻撃を加えられている。
日本でも77年前、東京・大阪など各地に無差別攻撃が加えられ大勢の人が命を落とした。
そして発生から11年の東日本大震災も3月、津波によって被害が増大し、行方不明者も含めて1万5千人以上の人たちが亡くなった。

奈良時代から今日まで衆生の救済や天下を平穏を求めて、各地の観音菩薩に祈りを捧げてきた。人々の祈りは届かないのか。

私も十一面観音の柔和なお顔、たおやかな体躯に問いかけてみた。頭上に積み上げられた面に目を凝らすと、悲しみ、叫び、恫喝、果てのない戦いとか激しい感情が見える。・・・・

でも、思う。
「なぜあなたは沈黙される」かと。

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