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おいしい食べ物、たのしい食べ方

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おいしく食べてやろう。 たのしんでやろうと思うと、いつもの料理、いつものお店も違ってみえる。 飲食店を嫌いになるのはもったいない。
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#銀座

茶碗蒸しが主役のお昼と、凛々しい女将

銀座で昼食。酒の穴に来る。 らん月っていうしゃぶしゃぶ、すき焼きのお店のビルの地下2階。 ひとつ上のフロアにはステーキがおいしいレストランも姉妹店としてあったりして、ビル全体がおいしい世界。 ランチタイムで一番人気があるのはここ、酒の穴でしょう。 手軽な値段で気軽な料理。メニューの品揃えも豊富でそれで次々、スーツ姿のおじさんたちがやってくる。 それにしてもこの店のおねぇさんたちの物憂げな立ち居振る舞いに、昔はドキドキしたものでした。一見すると機嫌悪そうにみえる表情に、こち

今日の気分はバリバリの麺

口の中をバリバリしたもので刺激したくて、それで「羽衣」。 銀座の新橋よりにある中国料理の老舗店。 入り口は小さいのだけど地下に広がる大きな空間。しっかりと作り込まれたインテリアはいつもピカピカ。 古いのだけど古臭くない熟した感じがとても好き。 昼は近所のオフィスの人たちが老若男女を問わず集まり、たのしくお腹を満たしてく。曜日替わりの定食が人気でけれど、ボクはここの麺類が好き。 特にまもなくはじまるであろう冷たいそばは具材とスープ麺が別々にやってきて自分好みの食べ方をたのし

目の前で仕上がるカフェオレ

トリコロールでのんびりします。 見事な洋館。古いだけでなく手入れがしっかり行き届き、お店の外も中もピカピカ。 入り口が回転ドアというのがボクは大好きで、その回転ドアの真正面の席が2人のオキニイリ。 銀座で待ち合わせのときによく使ったお店で大抵、このテーブルに座って待った。回転扉が動くたび入り口の方を見たくなるんだけど待ち遠しい気持ちを見せるのが悔しくて、ちらっと見てはすぐに目線をそらしてた。 早目に来るのはいつもボク。彼は時間に自由な人で大抵遅れてやってくる。待つ時間すら

優雅な時間をホットチョコレートが温める

銀座でちょっと甘いもの。ひさしぶりに和光のティーサロンにやってくる。 昔、時計道楽だったことがあって和光で散財することがままあった。 買った時計をそのまま持って帰ることができないのが和光という店のスゴいところで、調整のために2、3週間お預かりします…、ってことになる。 お金は払った。その高揚感をおさめるためにティーサロンを重宝してた。 コロナの時期にあってもうやうやしいサービスは昔のままで、街場の喫茶室というよりもホテルが日常の隣にある贅沢な場所だった時代のラウンジのような優

夏の終りの青汁は苦い…。

銀座に来たら野菜を飲んでおきましょう…。 青汁サービススタンドにくる。 時間帯がちょうどお昼休みが終わるタイミングということもあったのでしょう…、おそらく昼食を終えてオフィスに戻る前に立ち寄るサラリーマンが次々お店に入ってしばらくしたら飛び出していく。 青汁だけの専門店。午後を元気にがんばるための健康を手に入れるための対価はたったの350円。グラス一杯の青汁で、体が救われる以上に気持ちがシャキッとします。 お店に入った途端に緑の香りに包まれて、スタッと出されたグラスの中は

まもなく休業、銀座の虎屋

銀座の虎屋。 甘味処の「虎屋菓寮」が併設されたお店はここが最初のお店だそうで、そこもまもなく取り壊し。 10月中旬でしばらく休業になっちゃうんだという。 確かにふるびてはいるけれど、風情があって銀座の街に溶け込んでいる。 2階の喫茶室の吹抜に面して設えられたカウンター席のステキなこと。大きなガラスの窓越しに銀座の街を見通せる。 銀座のビルが新築されると風情をなくすことが多くて、例えばミキモトビルのガラスの要塞みたいなよそよそしさはなんとも冷たく、かつてクリスマスツリーでに

黒豚のおいしい食べ方は鹿児島の人に聞け

銀座でテキパキ。けれど上等なランチを食べようと銀座インズの「いちにぃさん」にやってくる。提供時間はクイックで、でも上等という店はランチにぴったり。ありがたい。 旧江戸城の外堀を埋め立て作った高速道路の高架下。 前の東京オリンピックにさきがけてできた施設で60年以上の歴史を誇る。 インズって名前は銀座の中心的な存在になりたいからと「GINZA」の真ん中の3つの文字、「INZ」と名付けた。気が利いている。 1・2・3と3つの建物に分かれてて、いちにぃさんは「1の地下」。かつて

銀座を眺めるマダムな朝カフェ

ちょっとゆっくり目の銀座。 10時ちょっと前というのに街は静かで歩く人もそんなにいない。 商業施設が10時半とか11時とかの開店になってしまっているからそもそも、銀座の朝が遅くなったということもある。 百貨店の前には開店待ちの人がたむろしてたりして、ほんのちょっとだけ密を感じて心配になる(笑)。 木村家総本店が開いていました。 2階にある喫茶室「カフェ木村家」が朝食営業をしているというのでためす。 1階はパンの売り場でお店に入るとあんぱんの甘い香りが漂ってくる。 階段使って

冬の煉瓦亭、牡蠣のバター焼き

銀座をウロウロ、鼻をクンクンさせながらランチのお店を探して歩く。 すると煉瓦亭の入り口に「牡蠣入荷しました」と張り紙がある。 殻付きの活きた牡蠣しか使わぬ店です。しかも店のお眼鏡にかなう大粒のものでなくては仕入れぬこだわりの店。冬になっても入荷がないことがままあるほどで、今日はラッキー。即決しました。 開店してから30分ほどたっていたので二階は満席。地下に案内されました。明るい瀟洒な2階と違って紅白の大きなチェックのテーブルクロスに太い梁。スイスの山小屋風の設え。洋食店!

サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカ、リヨンなお昼

銀座の小さなフランス料理のレストラン。サラマンジェドイザシワキサカ。 リヨン料理を得意とする店。ワキサカヒサシさんの食堂とでも訳せばいいのでしょうか。「Hisashi」をフランス語的に読むとイザシ。 Hは発音せず母音で挟まれたSは濁るというルール。 日立に就職した花田くんがフランスにいきなり赴任になって出発前に「オレ、来週からイタチのアナダになるんだぜ」って言って仲間を笑わせていたことをちょっと思い出す。 シェフがメニューを運んでやってくる。 以前来たときには小柄でけれど姿

ひょうたん屋。うな重をご飯少なめで粋に味わう。

銀座でうなぎ。銀座六丁目、GINZA SIXの裏側にある「ひょうたん屋」にくる。 小さい。10人ほど座れるカウンターに4人がけのテーブルふたつ。 夏のうなぎのシーズンになるとにぎわう人気の店ではあるけど、さすがに冬はすんなり入れる。 カウンターに座ります。 目の前に厨房が間近にみえる。左手の玄関側に炭場があってうなぎが焼かれる。右手にまな板。一番奥には羽釜がおかれて今日2回目でしょうか…、蒸気が上がってご飯が炊かれる。 ちょうどボクの目の前が盛り付け場。飯炊き場の前でご飯

銀座三州屋のカキフライ定食

牡蠣フライを猛烈に食べたくて「三州屋」にくる。 どこにしようかかなり迷った。例年ならば有楽町のレバンテを選ぶ。けれど何があったのか今年は牡蠣の噂をとんと聞かない。 …、となると三州屋だなぁとそれで銀座二丁目。 ビルとビルの谷間の路地の突き当たり。この路地だけとると、ここが銀座かとびっくりするほど生活感に溢れてて、でも昔の銀座にはこういう路地がたくさんあった。 今でこそビルにおさまり偉そうな顔をしている名店も、こういう場所でおなじみさんをひっそり待っているものでした。 中に入

銀座の青汁、紳士のジュース

体が健康をもとめて、遠藤青汁サービススタンド。 銀座一丁目の路地にある。 知らずに見ると会員制のバーかなにかのような造りで、その入口もおもたげです。ただお店の前に立つと中からなにやら青い匂いが漂ってきて、ドアを開けると、あぁ、青汁だ…、って体がちょっと身構える。 売っているのはその青汁だけ。おじさんたちが次々やってきてはグラスいっぱいに注がれた緑の汁をグビグビ飲んで帰ってく。 小さいグラスで一杯320円。グラスを口に近づけるとキャベツやケールの青い匂いがやってきて、口に

銀座井泉で男とんかつ

銀座の街はとんかつブーム。 もともと気軽なとんかつ専門店が何軒もあった街だけど、最近では高級とんかつの店が次々、銀座を選んで開業してる。中には客単価5000円越えなんてお店もあって、もうそうなると食堂じゃなくて「とんかつ割烹料理店」って感じになっちゃう。 今日の気持ちは気軽な贅沢。それで「井泉」を選ぶ。 上野に本店のある元祖とんかつを名乗るお店の分店。 GINZA SIXの裏側のビル。その2階厨房の仕事を全部見通せるカウンターの1番端をもらって、食事のスタート。 ちなみに