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銀座三州屋のカキフライ定食

牡蠣フライを猛烈に食べたくて「三州屋」にくる。
どこにしようかかなり迷った。例年ならば有楽町のレバンテを選ぶ。けれど何があったのか今年は牡蠣の噂をとんと聞かない。
…、となると三州屋だなぁとそれで銀座二丁目。

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ビルとビルの谷間の路地の突き当たり。この路地だけとると、ここが銀座かとびっくりするほど生活感に溢れてて、でも昔の銀座にはこういう路地がたくさんあった。
今でこそビルにおさまり偉そうな顔をしている名店も、こういう場所でおなじみさんをひっそり待っているものでした。
中に入ると開店直後というのににぎやか。カウンターの端っこの席をもらってホッとする。使い込まれて角がすっかりとれてしまった白木のカウンター。ランチ商品が書かれたホワイトボードをみると牡蠣フライの定食がある。それをたのんでのんびり待った。

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居酒屋のランチって実はあんまり好きじゃない。
酒の肴でご飯を食べさせられているって、片手間ランチのように感じる店がほとんど。
ここは居酒屋。
けれど「料理がおいしい」居酒屋で、「肴」ではなく「日本料理」で酒を飲んでるって、贅沢感が人気のお店。
牡蠣フライも見事です。

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低温でじっくり揚げるから衣は色白。
カサッとパン粉衣が前歯をくすぐって、ラードの匂いが軽く漂う。低温調理だから牡蠣の芯まで熱が入って仕上がっている。生の牡蠣の色っぽさはなくしているけど、みっちり旨味が凝縮されてムチュンと歯切れる食べ応えかんは肉感的。

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牡蠣の旨味で何も使わずとも味わえる。ただラードの香りがほのかに重たく、おいしいのだけど食べ続けるとちょっと疲れる。そこでウスターソースをチョチョッとかけるとスキッと油が軽くなる。
千切りキャベツと野菜サラダがついてくる。レタスの葉っぱにきゅうりにパプリカと洋野菜を塩で揉んでしんなりさせて、マヨネーズ和えにしたサラダ。みずみずしくておいしくて、しかも缶詰の黄桃が一口分だけ混ざってる。そのなめらかと酸味と香りが口の中を華やかにする。

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ヌルンとなめこの食感がおいしい汁にやわらかご飯。冬が来たんだ…、としみじみ思う。オキニイリ。


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