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初取材!シリコンバレーの幼稚園 〜とさか世界一周旅行記 16日目〜

こんにちは!とさかです!絵本を描きながら幼児教育の勉強をしています!
本連載は、2015年に僕が世界中の幼稚園の取材をしながら各国を旅行した際の日記を紹介しています。

2015/10/15 8:45
昨日の分を書く。
目を覚ましたのは7:30で、出発が7:50であることを考えるとかなりギリギリだった。しかも風邪気味だ。
急いで準備し、わずかな時間でリサーチを進める。チノパンとワイシャツを持ってきておりそこそこまともな格好にしたつもりだったが、ベルトがダサいやつだったので台無しだった。リサーチはギリギリ質問のリストアップまでできた。
目的地まではアレックスが車で送ってくれた。仕事に行くと言っていた割に格好がラフだった。当たり前ではあるが運転中話しかけてくる。英語に頭を使えるほど余裕がなかったのでしどろもどろだった。
到着後、しばらくリサーチする。しかし、今までの取材のような「これを聞けば記事にできるような見事な気づきがありそう」という感覚が得られず、焦る。
時間になったので教室に入った。
子供の数は15-20人くらいだが、先生は3人いる。子供は皆定位置にきちんと座っている。
今日は誕生日会らしく、誕生日の子が前に出ていろんな話を聞かれていた。中心に太陽を置いて、周りに各月が綴られたカードを置いて、誕生日の子は地球を持ちながら10月のところに立って「○歳の時には何があった?」と聞かれ、ひと段落ついたら一周する。
地球の公転や月の概念を学びつつ、子供に発表の機会を与える素晴らしいプログラムだと思った。子供の喋り方が幼児っぽくないというか、理知的だったのが印象的だった。周りの子供達も、話をしっかり聞いている。それが終わるとトイレの時間になり、点呼して列に並ばせてトイレに連れて行っていた。
その後、部屋の中でそれぞれ好きなことをする時間になった。思ったよりもみんなバラバラに作業していた。 走り回るような子は居なかった。それぞれが自分のやりたいことに没頭しており、難しいやつは友達と協力していた。
先生が三人もいるため、教室で起こった「対処すべきこと」全てに対処している。危険そうなことをやめさせ、難しいおもちゃの使い方のヒントを与え、うまくいった子を褒める(思ったよりは褒めていなかった。)
話しかける時に、大人に対する口調とそんなに変わっていないような気がした。英語の聞き分けが甘いだけかもしれないが。
おもちゃは、いわゆる数字や文字や図形の感覚を身につけられるようなよくあるものだった。しかし、例えば灘中入試やマリギャラにおける空間把握能力のように、立体図形を扱ってきたかどうかというのは能力に如実に表れるものだと実感しているので、今のこの作業はきっとのちに花開くのだろう。そういった、ある意味でのバタフライエフェクトを思い浮かべられるのが、幼児教育の醍醐味なのかとも思った。もう一つ印象的だったのは、片付けが完璧だったのと、すぐに新しく自分がやりたいことを見つけられることだ。これは事前にモンテッソーリ教育に関する本を読んでも出てきた現象で、将来にも役立つものなのだろうなと思う。あとは、こういった幼少期における差が、将来の差にどれほど繋がるのかというのをはっきりとさせたい。
さて、ここまでずっと教室遊びで少し不健康だなと思っていたところで、外に出ておやつの時間となった。クラッカーとチーズらしい。チーズをもらえて嬉しかった。ゴミを自分で捨て、片付けも子供が手伝っていたのは印象的だった。
その後、園庭での遊びになった。狭いためめちゃくちゃ走り回ることはなかった。こけやすい砂利の上で小さい子どもと年長さんが一緒に走っているのを見つけた先生は、年上の子に対して小さい子に配慮しろと諭していた。すごいなと思った。そもそも違う年齢の子と遊ぶ機会が自分たちは少なかったなと感じた。
その後、教室に戻る時も列を作って戻っていた。こうした積み重ねが自律心を育てるのだろうと思った。
さて、昼休憩でしばらく時間があり、昼食を食べてくるよう勧められたので向かいのスーパーへ向かった。比較的安いアップルパイを買った。とはいえ二個で5ドルだが。味は悪くない。
教室に戻ると、なんで戻ってきたのかと言われた。午後も同じようなことしかしないからだそうだ。先生の話が聞きたいんですと答える。
中で待っていたが、ずっとスマホをいじっていると空気感に耐えられなくなった。外へ出てしばらく時間を潰し、意を決してオフィスでいつ質問できるか聞いた。すると、実は質問の相手だと思っていた人は若干俺に冷たかった先生で、今は授業中だし時間が取れるかもわからないという。だが、聞かずに帰るわけにもいかないので、待ちますと答えた。
しばらくして、外遊びのタイミングで質問の時間を取ってくれた。
わかりやすい英語を喋ってくれる人だったので助かった。内容的にもまずまずで、いい記事が書けるような気がした。
取材を終えたのが14時ごろだったが、18:30までは迎えが来ないらしい。
先ほどのスーパーに椅子がたくさんあったので、そこで休んだ。無料の水やトイレもあり、とても快適だった。しかし、この辺りから一気に体調が悪くなってきた。
座ってネットサーフィンをしていたが、じっとしているとしんどさが際立ってきたので、少し周囲を散策することにした。元気があればスタンフォードに行きたかったのだが断念。
少し歩くと公園があり、デカイ鳥やリスが野放しになっていた。少し怖かった。
その向かいには大学があったので、少しキャンパスを歩き回ってみた。歩いたせいでまたしんどくなったので少しベンチで休んだ。
キャンパスは、壁に絵が描かれているのが印象的だった。ピッツァーでも見かけたからだ。こういうことができる空気なのだろう。また、東大でもよく見られる、ガラス張りの建物の前でダンスを練習する集団もいた。
さて、スーパーに戻って再び時間を潰す。
しばらくしてアレックスと合流した。もうこの段階で頭痛と鼻づまりでだいぶしんどかったが、ショッピングとスケートどちらをしたいか聞かれ、誘いを断るわけにもいかなかったのでまだ会話が少ないであろうスケートを選んだ。英語を喋る余裕もなく、車内の会話はボロボロだった。
スケート場につき、靴をレンタルする。サイズがインチなのを把握できず、7と答えてしまったが、実際は9だった。スケートは超久々で、最初は立っているのがやっとだったが、やっているうちにコツをつかんでとりあえずストレスなく動けるようにはなった。
体温低下のおかげで頭痛が少し治ったが、激しく動くと再発するので、のんびり滑っていた。靴の締め方が悪く、滑り方も下手だったので足首の外側の表皮がズル剥けになった。
スケート場ではおっさんが二回転ジャンプを決めてたり、めっちゃ上手いちびっこにスパルタ教育を施すおばさんがいたりと面白かった。
アレックスにちょいちょい気を使われてしんどかったが、それなりに楽しくスケートを終えた。
帰り道では、少子高齢化のことなどを聞かれた。どこでもそういう問題があるんだよねと言っていた。スケートでちょっとリラックスできたのか、さっきよりはまともに会話できた。
家に帰り、おそらくしばらく浸かれないであろう湯船でじっくり身体を休め、すぐに寝た。

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