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音読をする私たち

こんにちは。
Saka.先生です。

皆さん、音読ってしたことありますか?

音読は、好きでしたか。嫌いでしたか。

今日は、そんな音読について見ていきましょう。


①音読のメリット・デメリット

音読にもメリット・デメリットはあります。

音読をしまくる人、音読を一切しない人、
どちらもいったん立ち止まって考えてみることが大切です。


〈 メリット 〉

まず、全員参加ができるという点が大きなメリットとなります。

挙手をして答えを発表することが苦手な生徒も、みんなと一緒に声を出すことができれば立派な授業参加となります。


そして、学習効果が期待できることもメリットとなります。
どんな学習効果があるのかというと…

  • 文章をスラスラ読めるようになる

  • 読解力が高まる

  • 積極性が伸びる

  • 明るさが伸びる

  • 正しい漢字の読み方を知ることができる

  • 音声表現の面白さや楽しさ、工夫に目が向く

  • 正しい方向にエネルギーを発揮できる

  • 言語感覚を養うことができる

  • 表現力を養うことができる

などが挙げられます。

この先の人生で、原稿を読んだり声を出したりすることは必要となってきます。

その意義は、学習指導要領にも明示されているように、音読は教育的に有効なのです。

ただ義務的に取り組ませるのではなく、「なぜ音読が必要なのか」ということを生徒に伝え、目的を持って行うことも必要になってきます。


〈 デメリット 〉

どうしても、読むことが苦手な生徒がいます。

音読があることで、その授業がイヤになってしまう生徒もいるはずです。

また、個人で読むのは苦じゃないけど、全体に注目された状態で読むことを苦手とする生徒も多いです。

教育的意義だけを優先し、このような生徒がいるという実態を軽視することはできません。

だからといって、「音読をしない」という考えになってはいけません

音読には様々な方法があるため、実態に応じてやり方を選んでいけばよいのです。


②いろいろな音読

ひとくちに「音読」といっても、その方法は様々です。

個人・全体・ペア・グループなど… 形態もいろいろ考えられます。

あなたは、どの音読をしたことがありますか?

〈 黙読 〉

字の通り、黙って読む方法です。
人前で声を出すことが苦手な生徒も取り組みやすいです。

〈 範読 〉

教師が模範となって読む方法です。
生徒は教師の音読を聞くことに徹します。
基本的な読み方を知ることができます。

〈 一斉読み 〉

全員で声を合わせて読む方法です。

〈 追い読み 〉

教師が読んだ後、生徒が同じ箇所を繰り返して読む方法です。
私は、古典の音読のときによくやっていました。

〈 マル読み 〉

句点(。)ごとに読む方法です。
基本的な音読方法で、全体・ペア・グループどれでも実施できます。
私はよく「班読」と称して、グループで行っていました。

〈 段落読み 〉

形式段落ごとに読む方法です。
マル読みに比べたら、一人ひとりが長くなるので、状況に合わせて活用していきます。

〈 速読 〉

句読点を意識せずに、とにかく速く読み上げる方法です。
「○分でいけるところまで読んでみよう」
「読み上げるのに何分かかったかな」
というように指示していきます。

〈 カムまで読み 〉

カムまで続けて読んでいく方法です。
スラスラ読んでいって、「どこまでいけるんだ!」という臨場感を味わうことができます。

〈 なりきり読み 〉

「もし~だったら」というように、誰かになりきって読む方法です。
小説(物語文)なら登場人物でもいいですし、自分が好きな芸能人やキャラクターになりきってもいいですね。

〈 ハイブリッド読み 〉

音声表現としての工夫(強弱・高低・速さ・間・声色)をして読む方法です。

〈 たけのこ読み 〉

自分が読みたい文を決めておいて、その文がきたら起立して音読する方法です。基本的にはクラス全体で、リレー形式で読んでいきます。

〈 ダウト読み 〉

読み手は、わざと間違えて本文を読みます。
聞き手は、間違えて読んでいる箇所を指摘します。
読み手も聞き手も頭が働く音読方法です。

〈 アイコンタクト読み 〉

句点(。)の箇所で、次の読み手にアイコンタクトを送ります。
ただし、読むのは何文でも構いません。
つまり、次の人はどこでバトンタッチされるかわからないので、注視することが必要です。

〈 ひと息リレー読み 〉

ひと息で読めるところまで読んで、息が切れそうになったら次の人にバトンタッチします。

〈 指さし読み 〉

教師が読んでいる箇所を、生徒が指をさしながらなぞっていく、
あるいは指をさしながら生徒が読んでいく方法です。

この他にも、

BGM音読・背中合わせ読み・文末変換読み・
口パク音読合戦・聖徳太子音読・読むー1グランプリ、

などがあります。


③音読が苦手な子への配慮

読字障害(ディスレクシア)の生徒は音読が困難です。
脳が音と記号(文字)をうまく関連付けることができないのです。

また、読字障害でなくとも、音読そのものを苦手としている生徒もいます。

「全員が普通に読める」ことを当たり前として授業が進行していくのは危険です。

しかし、先述しましたが、苦手な子がいるからといってまったく音読をしないのも違います。

「苦手な生徒がいる=音読をしない」というのは合理的配慮ではありません。

工夫をしたうえで実施することが、苦手な子にとっても全体にとっても有益です。

〈 範読を必ず行う 〉

まず、教師がお手本を見せることによって、読めない漢字が少なくなります。
いきなり生徒に委ねるよりも安心できますね。

〈 一斉読みをする 〉

全体で一斉に読めば、その子が読めないということに注目されることはありません。
ただし、他の子に追いつけないというもどかしさを本人が感じてしまう恐れもあります。

〈 指さし読みをする 〉

教師が読んでいる箇所を指でなぞりながら追う、あるいは自分で読むところを指でなぞっていくことによって、認識のズレが少なくなります。

〈 ルビふりをする 〉

文字にルビをふることで、「読めない」ということがなくなります。
私も、音読以外にもテストで全ルビふりで対応していた生徒もいました。

〈 分かち書きを活用する 〉

読字障害であれば、文章のまとまりを理解することが困難ですので、語と語の間に空白・スラッシュ(/)を入れることで、正しい文章として理解することができるようになります。

(例)
「いろいろなとりのくちばしのかたちをみてみましょう」
          ↓
「いろいろな とりの くちばしの かたちを みて みましょう」
「いろいろな/とりの/くちばしの/かたちを/みて/みましょう」

〈 指名制を取り入れない 〉

全体で、1人ずつ当てて読ませるのは怖いです。
自分が読めないのに、全体で読まされるのはドキドキします。

私は、全体で1人ずつ読ませるというのはあまりしてきませんでした。
それでも、仲間と音読をし合うという経験は大切ですので、グループで音読を行うようにしていました。


まとめると


◎ 音読にはメリットもデメリットもあるけれど、
  教育的効果を考えたときに、メリットが大きい

◎ 音読にはいろいろなやり方がある。

音読の苦手な生徒にも配慮
  しながら音読をやっていきたい。

でした。

教師が、「配慮を必要としている生徒がいる」と認識しているだけで変わります。

高校だったのもあったのか、周りに気にしている先生はほとんどおられませんでした。

むしろ、「あいつ全然読めないな」のように言う先生もいました。

教師が実態を理解したうえで、適切に配慮をしながら音読をやっていけたらいいですよね。

        Saka.先生


*音読や読み聞かせで言葉に触れることは、長い目で見ても大切だと感じます…!*



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