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#17 真面目の尺度

こんにちは。sacaikumiです。

この「考える」マガジンでは、私が関心を持ったトピックを幅広いテーマで自由に書いています。

今、ロンドン市内にある小さい語学学校に毎日通っています。クラスメイトは今のところ私以外全員ヨーロッパの方々。ヨーロッパの人と一括りに言ってしまうと顔をしかめる国の人も居るかもしれないけれど、私から見て彼女達は(たまたま女子ばっかりの学校にいる)、とてもスマートで自立していて格好良い。

まず、一人一人の服装の個性が完成されているところが見ていて楽しい。一人一人、目や髪や肌の色が違っているので、皆自分の持つ個性に合わせて好きなスタイルを作り上げているようなイメージです。皆全然違うアプローチで完成されていて、素敵だなぁと惚れ惚れ。

それから、皆自分が将来叶えたい夢を見ているところも素敵。
「イタリアでマーケティングの仕事がしたい」「ダイエット専門家として大学院に行きたい」「イタリアで洋服のデザイナーになりたい」etc…
英語を学ぶことの先には叶えたい夢があって、皆そのために努力している。なので、大体皆自分が欲しい"追加の宿題"や受けたい授業を積極的に先生にリクエストしています。先生が組んだカリキュラム通りに各駅停車していく日本の授業スタイルとは大きく異なっています。

これまで私が日本で自分の思いの丈や希望について話したりすると「どうしてそんなにいつもモチベーションが高いの?」「意識高いよねえ」「男に生まれたら良かったのにね」なんて言われることが多かったんです。だけど、ここにいると皆の意志の強さがわたし以上!
勿論怠惰な人もそこらへんを探せば居るとは思うのですが、少なくとも別の国からイギリスへ来て、言語を習得するためにせっせと学校に通うクラスメイト達は皆凄く真面目に自分の未来と向き合っていました。それが私は凄く嬉しいし、ヨーロッパに来て良かったと思う理由の一つになりました。

そんな真面目な彼女達だけれど、意外と授業に遅れてくることも。
ある日、人一倍努力家のポルトガル人の女の子が授業に遅刻してきました。先生がどうして遅刻したのか質問すると、その子は「満員電車が恐くて電車に乗れませんでした」と答えていて、日本人の私にとってそれは衝撃的な回答でした。
日本人で、とりわけ真面目な学生さんなら意地でも遅刻しない電車に乗って、己を殺して耐えてしまうところ。授業に間に合うために自分を押し殺して一番はやく到着するための電車に乗り込むことが私たちにとっては結構当たり前。私たち日本人は言われたことを言われた通りに行動することに対して凄く真面目だから。その真面目さは、時に機械的にならざるを得ないけれど、多くの日本人はそれに頑張って耐える傾向にあります。

その出来事を通して、ヨーロッパ人のクラスメイト達の真面目さと日本人の真面目さの方向性は少し違っているなと思いました。

私にとってヨーロッパ人の真面目さはとても気楽。意思ありきで成り立っていて、時に人間的な理由でそれが適わなくてもお互い慣用だから。日本にいる時は1分単位の打刻に間に合えない度「本当にダメ人間でごめんなさい……でもどうしたものか、間に合えないんです……」と日々苦虫を噛む思いで真面目になれない自分を恨んでいました。

でも、日本人らしい真面目さも、敬意を込めて私は好きです。数多くの民藝や日本料理、開けやすいパッケージなど、生真面目の賜物によって生まれただろう産物が大好きだから、誇りを持って世界に紹介したいと思えます。いろんな人に「日本人なんだ!私日本大好きだよ!」って言ってもらえるたびに嬉しくなります。だから日本人的生真面目さんも、本当はもう少し頑張りたいところ。

そんな感じでちょっとずつ、色んな方向に真面目に、そして「ちゃんと気楽に」生きたいな〜と思う最近です。

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