探偵地雷少女は死にたいと願う
かん、かん、かん、かん。
踏切が鳴いている。
久しぶりに着た喪服はどうしても体にしっくりこず、俺は1秒でも早く脱ぎたいと思っていた。
出来の悪い俺に何くれと気を遣ってくれて、ことあるごとに食料を山ほど仕送りしてくれた母親は、脳卒中で呆気なく死んだ。
親が死んだというのに実感は驚くほど薄く、夢の中のようにふわふわしている。
「そんなこと」より明日からの仕事を探さなければいけない。
社会不適合者の俺が見つけた私立探偵という仕事のうち、葬式のために断った分を取り返さなければいけない