電動車いすのバッテリーと飛行機のお話

本日もYahoo!ニュースから。
突然ですが、私はこのニュースのコメント欄に怒っています

「電池が爆発して飛行機に被害があったらどうするんだ!」
「障がい者様は文句を言えばなんでも通ると思っている!」

といった意見が多いことです。

この記事に出てくる車いすの人は、バッテリーが国際ルールで持ち込みができなかったことに対して、持って行かせろとゴネたいわけではないと思います。
飛行機の運航会社にて、事前に通知が一般公表されていなかったこと、旅行会社が国際的な規制の変更を把握していなかったこと。つまり、事前に持ち込み禁止の確認が取れなかったことに怒っているのだと思います。
事前に持ち込めないとわかっていれば、宿泊先に送っておくなど、対策が取れたと思うのです。
それが空港で搭乗手続きに入って初めて知った、それまで知りようのなかった事実によって持っていけなかったという状況です。怒るのは当然のことだと私は思うのです。

それを、「自分たちの安全」だの、「障がい者様」だの、車いす当事者のほうに矛先を向けるのは違うと思うのです。
「脚なんだから規制緩和を…」とおっしゃっているのは、あくまで専門家の学者の方であり、当事者の方からはそのようなコメントは見受けられません。別に国際ルール破ってまでバッテリー乗せろ!なんて言っていないと思いますが……。

安全性として心配なのも、障がい者様のように見えるのも昨今の状況からして一理ある部分もあります。しかし、本件のニュース記事の書き方で、そのようなコメントが目立つのは当事者の1人として大変悲しく憤っております。

あと、バッテリー本体についてですが、爆発する危険が高いリチウムイオンのバッテリーは、そもそも飛行機に持ち込めません。私も現在の普段使いはリチウムイオンのバッテリーですが、購入時に、「飛行機には持ち込めませんので注意してくださいね」と、業者の方から説明を受けました。
反対に、今回2個までに制限された、ニッケル水素のバッテリーは、「こちらは飛行機にも乗せられます」と業者の方から説明を受けています。
バッテリーのくだりは、リチウムイオンのバッテリーはそもそも持ち込めない部分には触れられていません。そして、車いすの専門業者の中でも、(現在は2個まであれば)今回問題となったニッケル水素のバッテリーは持ち込み可能という認識であることを補足としてお伝えしておきます。

あとは、こんな意見もありました。

「バッテリーの充電機を持っていけばいいのではないか、バッテリー本体よりかは重くないだろう」

確かに、バッテリー本体より充電機のほうが軽いかもしれません。
ただ、電動車いすのバッテリー充電機は大きくて、荷物としてかさばるのです。
表現が適切かは自信がないですが、重たい素材のビーズでできたビーズクッションを持って行くくらいかと私は個人的に思います。
もしかすると、バッテリーを複数持っていくくらいなら、バッテリー1個と充電機を持って行くほうが楽なのかもしれないですけどね。(私はニッケル水素バッテリーとリチウムイオンバッテリーは1個ずつしかないので、この辺りは断言いたしかねます)

今回のYahoo!ニュースコメント欄には悲しい批判が多かったです。ただ、1つだけ賛同できる意見があったので、引用の最後として、そちらを掘り下げます。

「福岡から大阪に行くのなら、飛行機よりも電車に乗ったほうがよさそう」

私は、飛行機に乗ったことが2回あります。
そのときの感想がですね
面倒くさい

金属探知機に車いす本体が引っかかるので、手荷物検査は強制的に空港職員さんのご対応。搭乗ルートがとにかく特殊すぎて、いつ出発するのかが雰囲気だけだとつかみづらい。空港内のルートも職員のフルアテンドなので、迷わない反面、国際線のときに免税店に寄る楽しみはほぼない。
……通常のルートで行けない(私に至ってはもはや知りませんが)ので、とにかく乗り降りが面倒なのです!!安全性の確保のためには仕方がないのでしょうけどね。

特急関係であれば、車いすも予約が取れます。国内で時間がべらぼうにかかるわけでなければ、飛行機より電車のほうが気楽なようにも思います。
福岡-大阪間だと、飛行機の乗り降り時間を含めれば意外とそこまで所要時間もかからないとような気がします……。(ルート調べた感じですと、私なら途中で、「北陸に変えてご飯食べよ!」なんて思いそうですが……笑)

個人的には、修学旅行に行ったときにANAさんの対応が良くて、好感度が結構高かった分、今回の落ち度とコメント欄の車いす、障がい者叩きを大変残念に思うばかりです。

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