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時計の契約:第4章18時

18時:魔法学校の秘密

俺たちは向こうに見える魔法学校へと向かった。その場所はゲームの始まりであり、冒険の原点だった。本当にゲームと同じ世界のようで、精巧な建物や背景がとても美しかった。
 
まずは、古代の魔法の書を探すための地図を探すところからだ。確か入口付近にいた天使に話しかければよかったはず、少し離れたところにそれらしき天使を発見した。俺たちはそこを目指し歩みを進めた。予想とは裏腹に天使に触れるとあっけなく地図をもらえた。この世界は城のような魔法学校で、とてつもなくでかく存在感を放っている。天国のような幻想的な空間の中にそびえたつ立派な学校の中を探索してく。バカでかい校内の中で最初に行くのは図書館だ。
 
図書館の入口は、壮大で美しい服飾が施された建物だった。大理石でできた柱が高くそびえ立ち、天井からは柔らかな光が差し込んできた。俺たちは図書館の中へと足を踏み入れ、古代の魔法の書を求めて探索を始めた。書架の間を歩き、古い巻物や装飾品を調べながら、時の本に関する情報や次なる手がかりを見つけることを願っていた。
 
その中で、一冊の本が目に留まった。何かオーラのように黒い光を放つ古びた本だった。俺たちはその本を取り出し、中身を調べることにした。果たして、この本に時の本の手がかりが隠されているのだろうか。
古びた本を調べ始める。文字の中に呪文が隠されているはずだ。しかし、本の文字は俺たちには理解不能であり、アラビア数字のような形をしていた。どのようにして文字を見つければいいのか悩んでいた。
 
そのとき、俺が手元の本を不注意で落としてしまった。慌てて拾おうとすると、本の表紙が偶然逆さまになり、カタカナの「ア」が見えた。
 
「ねぇはる、もしかしてこれって『ア』じゃない?」俺は興奮気味に言った。二人はその発見に胸の高鳴りを抑えきれず、ガッツポーズをした。そして、互いに手を取り合い、文字に触れた。すると、文字が浮かび上がり、大きなパズルのような形に変化した。
 
突然、二人の身体を本の中に引きずり込まれるような感覚が襲った。息が詰まり、心臓が激しく鼓動する中、俺たちは苦し紛れに互いの手を掴もうとするが、その手が本のページに飲み込まれていくのがわかった。
 
「遙、俺たちの体が……本に……」俺は息も絶え絶えに囁いた。


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