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枯れたせせらぎ

かつて、せせらぎのように清らかに流れていた川
その水は透き通り、魚たちは跳ね、虫たちは舞い、
動物たちが水を飲みに訪れる場所だった。
川は誇らしげに言った、「私がここにいるから皆が助かるのだ」と。
だが、その声の中には不満があふれていた。
魚が来れば、川はその泳ぎを非難し、
虫が舞えば、川はその羽音を嘆き、
動物たちが水を飲むたびに、川は愚痴をこぼした。

不満と嘆きが積もるにつれて、
川の水は次第に淀み、澄んだ色を失っていった。
かつての透明な流れは、今や濁った泥の色に変わり果てた。
誰もその川に寄り付かなくなり、生き物たちは去り、
川はひとりきりで、孤独に流れ続けた。

やがて、川の水は干上がり、
もはや川と呼べるものではなくなってしまった。
かつての美しい流れを耳にすることもなくなり、
誰も寄り付かないその場所には、ただ静寂が残った。

それでも川は怒りを抱き続けた。
「なぜ私がこんな目に遭わねばならないのか、
全てはあいつらのせいだ」と。
反省することもなく、ただ他人を責め続けた川。
その怒りと孤独に包まれながら、
川は静かに、その存在を消していった。

あとがき
なぜこの川がよどんでしまったのか
なぜ誰も寄り付かなくなったのか
不満は人を遠ざけてしまう

自分に置き換えて考えてみると
結構周りが見えていない自分がいたりして
日々創造力をもって接していかないと
見えないモノをないものとして捉えてしまう
見えないから見ようとしなくては。

自分への教訓です
見えてるものだけが真実じゃないですね
人の心は見えない部分のほうが大事だったりする
見せないようにつとめてしまうからね。

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