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人格交代について

こんにちは。仙骨です。
私は現在、解離性障害と診断されています。

症状としては、主に健忘や遁走、離人感、人格交代などがあります。解離性障害と一括りにしてあっても、症状は色々ミックスされています。

そのなかでも今回は、当事者視点から人格交代についてまとめてみようと思います。
通常の人でも理解できるような形で記そうと思うので、解離性障害について少しでも気になった方は立ち寄ってもらえると嬉しいです。

※交代人格がいるといえば解離性同一性障害が有名ですが、今回の記事では解離性障害とまとめて呼ぶことにします。


人格交代とは

ざっくりと説明します。

〈通常の人の場合〉


通常の人は、身体という乗り物があって、運転手は常に自分です。ハンドルを握っているのは自分なので好きなときに好きな方向へ向かうことができます。

〈人格交代がある人の場合〉


しかし、解離性障害で尚且つ人格交代の症状がある人は、身体という乗り物の中に何人もの人が乗っています。
2人の場合もあれば、5人、10人の場合もあります。もっと多いと100人、それ以上の場合もあります。
人数によって車やバス、飛行機など乗り物の規模も違ってくると思ってもらえるといいかもしれません。

その中で人格交代が起きると、もともと運転していた人は眠ってしまったり後ろの席へ移動してしまいます。
そして運転手が変わります。
同じ乗り物でも同乗者の運転の仕方はみんなそれぞれ違います。
例えば、荒々しい運転の人もいれば、のんびりと運転する人もいます。中には前の車に文句を言うような人もいるかもしれません。
それにみんな目的地が同じとも限りません。
各々が好きなときに好きな方向へ向かってしまいます。
それが解離性障害の人格交代のイメージです。

身体は同じでも、交代人格の性格や好みはみんなそれぞれ違っています。
私の場合は異性の人格もいるので、彼らに交代した場合は一人称も異なっています。

このように、一人の中に何人もの人が存在しているのが交代人格がいる人の状態です。

※注意したいこと

ここで一つ注意したいのは、人格が複数いることと人間の多面性との区別です。


人は、相手や場面、状況によって話し方が変わったりします。
例えば、上司の前での話し方とペットへの接し方は違いますよね。他にも母親と接するときや友人と話すときもそれぞれの対応は異なっています。


これらは人間の自己の多面性を表しています。
色んな自分がいること自体は決しておかしくありませんし、病的でもありません。

ここで、よく誤解されることを説明したいと思います。解離性障害の人に対して「色んな自分がいるのは当然。みんなそうだ。」と思う方がいるかもしれません。
これは人間の多面性と障害との認識が曖昧になっていると思います。

障害と名前が付くものは、日常生活に支障が出たり社会生活に制限が出たりするもののことを言います。

解離性障害の場合も、交代人格がいて交代が起こることにより困り事が出てきます。
例えば、交代している間のことを覚えていない場合があります。(日常生活での支障)
他にも、交代して年齢も性別も違う別の人格が出ることにより周囲の人を混乱させてしまったりすることもあります。(社会生活での支障)


健常者の場合は、色々な自分に切り替わっても記憶が欠落することはありません。切り替わっても特に困ることは無いのです。
ここが、病的かそうでないかの違いだと思います。

解離性障害は日常生活や社会生活に支障をきたします。そのため、"障害"という名前が付いています。
以上が、人格が複数いることと人間の多面性の区別についてでした。

おわりに

今回は、解離性障害の人格交代についてまとめてみました。

  • 人格交代は日常生活や社会生活に支障をきたす。

  • 健常者と障害のある人とは、困り事があるかないかの違いである。

少しでも多くの人に病気に対しての正しい理解が広まれば幸いです。

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