思い上がりの勘違い野郎に効く『言葉』
皆さんは働く中で自分を変えてくれた言葉をもらったことはありますか?
人のことが大事なら、ちゃんと学をつけろ。
今のままじゃ話しにならん。
感情だけじゃなく、専門知識をつかってプロとして喋れ。
これは就職して間もない頃、当時の上司に言われた言葉です。
今ならパワハラと言われてしまうような、一見このきつい言葉ですが、私の数ある欠点を的確に簡潔に示してくれたありがたい言葉でした。
この言葉と伝えてくれた上司に、いまだに感謝しています。
私が大きく変化するきっかけになったんです。
私は現在、医療福祉業界で事業運営や人材育成、採用などの仕事をしています。
医療や介護を受けられる方の、命、人生をお預かりさせていただく仕事です。
事業運営や人材育成、採用についても職員の人生や職員の家族の思いも大切にしていかなければならないと感じています。
以前の記事にもご紹介させていただいたことがあるのですが、私は非常に負けず嫌いで感情家です。
上司が言葉をくれた当時は、働きはじめて2年目で、恥ずかしながら今振り返ると、感情だけで働いていたような気がします。
(今では違うと言いたいところですが、いまだに抜け切らない私の本質です)
社会人になるまでは地元で過ごしたため、学生の時に築き上げたコミュニティしか知りませんでした。
思い通りにならない人間関係や理不尽の経験が全くないかと言えばそんなこともありませんが、大体のことが自分の思った通りになる状況でした。
そのような背景もあり、働きはじめてからもいつも好き勝手ばかりを言っていました。
なぜクビにならなかったのか不思議なくらいです。
納得がいかないとやらない
言われたことが理不尽であれば誰かれ構わず言葉を選ばず執拗に言い返す(何がどう理不尽なのかの判断すら怪しい)
言いたいことは言うくせにうまくいかないと人(先輩)のせいにする
職場の不満を絶えず言いまくる(わめきちらす)
他にも書けないような勝手なマネを、本当に失礼極まりない、無礼という無礼を片っ端からしたのではないかと思います。
先輩職員や上司に対して直接、放送禁止用語に該当する言葉を平気でつかっていました。
そんなどうしようもない私でしたが、
一つだけ本当に考えていた拘りがありました。
それはサービスを受けられる方を大事にするという思いです。
私はいやいや仕事を選んだわけではなく、自分がやりたいと思って医療福祉業界を目指しました。
人の役に立てる仕事がしたかったからです。
ですので、サービスを受ける方が不利益になると感じようなことや、サービスを提供する側の私たち職員を優先させたような考えや業務をとても嫌っていました。
今でも、軸にはこの考えがあります。
しかし、その当時を今振り返ると自分は自分の正義のために仕事をしていました。
そうです、私は思い上がりの勘違い野郎でした。
上司の言葉にあったように、
人のことが大事なら人を守る術を学ばなければなりません。
感情ばかりで話していては、理論立てて系統的に話し合うことはできません。
専門職である私たちのサービスを必要とするご利用者は、専門職である私たちの専門的サービスを必要としています。
そしてそこに対価が発生している以上、プロとしての自覚を持って一つひとつの行動に責任を持たなければなりません。
これらのことを深く考えずに、私は感情と感覚で『人を大事にする』という思いを持っていました。
私たち医療福祉業界で働いている人は、患者様や利用者様一人ひとりの大切な命と人生をお預かりすることを業としています。
私がとっていた行動が、どれだけ独りよがりだったかを上司は短く簡潔に、そして的確に教えてくれました。
好き勝手ばかりをする私を同僚や先輩、ほぼ全ての人が『そんなに勝手したいなら辞めたらいいのに』と呆れて、伝えることすら諦められていました。
〇〇に効く薬はないと言いますよね。
しかし、その上司だけは『学をつけろ』『人を大事にしたけりゃ学び直せ』『言葉を正しく使え』『礼儀をわきまえろ』毎日毎日私を叱ってくれました。
そして叱るだけでなく、いつも仕事のサポートやアドバイスをしてくれました。
そして仕事終わりにはいつも『きみを使いたいわけじゃない。いつか一緒の立場になって、一緒に仕事がしたい』と笑顔で話してくれました。
私は今の仕事にやりがいを感じています。
この今のやりがいや、仕事に対する思いは、当時の私に対して情熱を持って接してくれた上司がいたからです。
あれから17年、私の横にはかつての上司がいます。
今の時代、全く同じことはできませんし、私はかつての上司のように人間性も教養があるわけでもありませんので、同じようにしようとは一切思いません。
しかし、私もいつか、かつての上司がしてくれたように『人を大事にする』仕事ができたらと思います。
(…当時、上司に叱ってもらっていたとき、感謝というより復讐心に燃えていたことは今も秘密です。『いい気になるなよ、いつかコイツの口を黙らせて、どうも申し訳ありませんでしたと謝らせる』と考えていました。それほど当時の私はその上司を憎たらしいと思っていました)
今回はいつもと違う形で、自分自身を振り返り、仕事のことを書かせていただきました。
ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
一人でも多くの方のなにかになれたら幸いです。
sabukurocha(サブクロチャー)
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