ある大失敗を通じて再認識した、文脈を丁寧に伝えることの大切さ
前回のnoteで、私はこんなことを書きました。
こんなことを書いたくせに……。
書いたくせに!(2回目)
私はこの「他人からは自分の文脈が見えない」を軽視した行動をとってしまい、大失敗をしでかしてしまいました(笑)。
なぜうっかりそんなことをしてしまったかというと、その「他人」が「家族」だったからです。
「家族だから、細かい説明をしなくても理解してくれるはず」
「なんだかんだ言って、サポートしてくれるはず」
そんな甘えが自分の中にあったことを、まざまざと認識させられました。
伝える労力を惜しむべからず
家族であっても、突き詰めると他人です。
脳みそを共有しているわけではないし、価値観だって(重なる部分は多くとも)まったく一緒だとは限りません。
だからこそ日頃から、協力してほしいことがあったり、大きなことを決断したりするときはなおさら、時間をかけて、言葉を尽くして、
「なぜ私はこういうことをしようとしているのか」
「なぜそう考えるに至ったのか」
という、あなたの文脈を伝える必要があります。
今回の大失敗から、そんな教訓を得ました。
いやー、自分が書いた文章がブーメランのように返ってきて、後頭部をガツンとやられたような、そんな感じでした(笑)。
ワンオペが心の闇に落とす黒い「点」
今回の大失敗からこの教訓を得ると同時に、「そういえば……」と思い出したエピソードがあります。
子どもたちがもっと小さかったときのこと。夫は月の半分かそれ以上、出張で不在でした。
細かい経緯は忘れてしまいましたが、私の中の「なんで私ばっかり」が積もりに積もっていたのでしょう。
休日の夜、夕食の準備をしていたときのこと。
フライパンを洗いながら、夫に対して感情を爆発させてしまったことがあります(食器洗いをしていると負の感情が増幅される謎)。
夫からしたら、「え? なんで今? 突然なんなの?」という感じだったに違いありません。
まさに青天の霹靂。
でも、私はたったひとりで、子どもたちのあれこれに関する一つ一つに迷って悩んで決断して、家事をして、仕事をしての繰り返しに疲れ切っていたのです。
小さな黒い「点」がどんどん連なっていき、その裏で
「なんで私ばっかり」
の、どす黒いスープが煮詰まっていたのでしょう。
同じような体験をしたことがある方、きっといらっしゃるのではないでしょうか。
「これをやってほしい」
「それじゃなくてこっちを手伝ってほしい」
「ちょっと休みたい」
「私だってやりたいことがある」
そんな思いも、きっといちいち言葉にして伝えないと伝わらないんですよね。
点が連なって線となり、それがだんだん太くなっていることに、周りの人はまったく気づかない。……もしかしたら、自分自身でさえ。
家族だから、口に出して伝えなくても理解して動いてくれる。
家族だから、無条件でサポートしてくれる。
そう思ってしまいがちですが、実際はそんなことないんですよね。
人とのコミュニケーションも、文章などのコンテンツを通じた読者とのコミュニケーションも基本的には同じ。
一つ一つの点も、それらをつないであなたが描いた線も、相手には見えていないのが前提。
だからこそ、あなたの文脈を「労力を惜しまずに」丁寧に伝えることが大事。
今回の大失敗を通じて、改めて心に刻みました。
ぜひ、あなたの文脈を言葉にして周りの人に伝えてみてください。
家庭でも、職場でも。
そして、文章を書くときも、自分が思っている以上に一つ一つの点を丁寧に説明し、読者が自分の頭の中に文脈の線を描けるよう意識することをおすすめします。