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行動の「点」を「線」にする文脈は、あなたの中にしかない

皆さんは、自分のことをどういう人、どういう性格だと認識していますか? 良い面も、悪い面も含めて。

私は子どもの頃から今に至るまで、自分のことを「石橋を叩きすぎる人」だと思っていました。

ウジウジして、なかなか新しいことにチャレンジできない。レールから外れるのを恐れ、なるべく安全な道を行こうとする。

特に中高生時代は神経質で、そんな自分に自分自身が疲れてしまっていました。

年齢を重ねてだいぶその傾向は弱まりましたが、ゼロになったわけではありません。

しかし、最近母から、「あなたは石橋を叩くタイプなんかじゃないわよ」と言われたのです。

良いときも悪いときも、子どもの頃から私をいちばん近くで見ていた母が、慎重すぎる(と自認している)私のことを、「慎重ではない」と認識している……!? なぜだ!?

母の発言は、私にとってけっこう衝撃的でした。


あなたの行動の点は他人にどう見えている?

でも……あれ? ちょっと待てよ?

私は今、海外に住んでいる。しかも会社を辞めて。それって確かに安全な道ではなかったし、親にとっては衝撃だったのかも。

そして、さらにさかのぼって私がやってきたことを思い出すと……。

夫に出会ったのは、はじめて海外に一人旅で行った外国での出来事だったし(そのときは半日一緒に観光しただけですよ)。

親にとっては、「え? そんな人と付き合うの? 結婚するの? え?」という感じだったのでは(笑)。

転職先を決めずに、会社を辞めたこともありました(私としてはそれまで悶々と悩み抜いたうえでの決断)。

学生時代、旅行資金を貯めたいからと、歯科助手のバイトをしているのに、遺跡発掘のバイトをかけ持ちしたり(なぜ数あるバイトの中で、それを選んだのか)。

高校生のときは、母の入院やら受験のプレッシャーやらで心を病み、学校に行くのがしんどくなり(這うようにして行っていたけど)、書店で自分の症状について書いてある本を見つけてきて、「この先生のカウンセリングを受ける」と宣言したり(そして実際に受けた)。

確かに……親の視点から見たら、全然石橋を叩いていなかった。

そう、私がしてきた行動を「点」として捉えると、よく考えずに勢いで行動している人にしか見えないんです。

でも、私は一つ一つの点の前でめちゃくちゃ考えているし、悩んでいるし、地面がすり減るほど足踏みしている。

そのうえで、数ある選択肢の中から自分と周囲の人にとって一番安全かつ最善な道を慎重に選び取っているつもりなんです。

でも、そんな地味で非効率なプロセスなんて、他人からは見えないんですよね。

どれだけ身近にいる人であっても、やっぱり見えない。なぜそういう行動をするに至ったのか、なかなか理解できない。

点と点を結ぶ文脈は、自分の中にしかないのです。

もしかしたら自分自身でさえ、その文脈を認識できていないこともあるかもしれない。

事業を始めた思い、文脈にして伝えていますか?

例に挙げたのは、私の慎重だか突飛だかわからない行動の「点」ですが、たとえばあなたが何かの事業や活動をしているなら、

【事業(活動)の発端としての点】
なぜその事業(活動)を始めることになったのか
【商品・サービスの発端としての点】
なぜその商品・サービスを提供することになったのか

といった「点」をつなぐ文脈は、あなたの中にだけにあって、言葉として外に出ておらず、周りの人に認識されていないことも多いのではないでしょうか。

だからこそ、自分の中の海に潜って、点と点をつないで文脈を見つけ、それをアウトプットする作業ってとても大切だと私は思います。

点と点をつなぐ文脈を見つけて、文章でも、音声でもいいからアウトプットしてみる。

それはきっと唯一無二のコンテンツになるし、あなたがつかんだ文脈は、きっとどこかの誰かの心に響く。

そして、その文脈の中に、あなたが今まで知らなかった自分自身を発見することができる。

ひとりで潜るのが大変だったり、抵抗を感じたりするようであれば、一緒に潜ってくれる人(たとえば編集者)を探してみてください。

きっと助けになってくれます!

「文脈って何?」
「どうやってつなぐの?」
「編集者は何をしてくれるの?」

という疑問が湧いた方は、私が以前書いたnote「編集者の仕事『文脈を作る』について考える」をぜひ読んでみてください!

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