蓮見さほ(かくたす編集室)

出版社で雑誌と書籍の編集を約15年。現在は独立系編集者として出版プロデュース、個人や企…

蓮見さほ(かくたす編集室)

出版社で雑誌と書籍の編集を約15年。現在は独立系編集者として出版プロデュース、個人や企業のコンテンツ制作のサポートなどをしている。詳しくはWebサイト「かくたす編集室」https://cactus-editor.com/ まで。電子書籍レーベルの立ち上げ準備中。

最近の記事

あなたは言葉で考えてる? 絵で考えてる?

かの有名なPodcast『ゆる言語学ラジオ』で『ビジュアル・シンカーの脳』(NHK出版)という本を題材にしつつ、 ●言語思考者(言語で考える人) ●視覚思考者(絵で考える人) の違いについて語られているのを聞きました。 これがめちゃくちゃおもしろくて! パーソナリティのお二人は極端な「言語思考者」で、「言語化できない人はバカだと思っていた」(過去形ですよ、過去形)とおっしゃるほどの「言語化ヤクザ」だそう(笑)。 それを聞いて、 という疑問が湧いてきました。 そこ

    • あなたのコンテンツを一瞬でオリジナルにする方法

      私たち編集者は、雑誌で企画を練るときや、書籍を企画するとき、コンテンツにオリジナリティを持たせ、読者にそれを印象づけるために「あること」を行っています。 その「あること」とは一体何でしょうか?      ・       ・      ・      ・      ・       ・   (考える時間)      ・      ・      ・      ・      ・       ・ ヒントがまったくないし、漠然とした質問なので、なかなか答えが思い浮かばないですよね!(確信

      • 文章の読みやすさは「余白」に宿る

        「読みやすい文章」ってどういうものだと思いますか? 私は、文章の読みやすさに関わる要素は、大きく3つあると考えています。 文章を書いている人であれば、 ①文章の構造 ②言葉の使い方 に関しては、気をつけている方も多いと思います。 ただ、 ③文章の見た目 に関しては、優先度を高く設定していない人もいらっしゃるかもしれません。 でも、実は私、③文章の見た目をかなり重視しています。 特に「余白のデザイン」は読みやすさに大きく影響するので、どんな媒体であっても最終仕

        • 読後感を左右する「おわりに」が超重要パートである理由

          前回のnoteでは、書籍の冒頭にある「はじめに」の役割と、本を出したい人がウォーミングアップとして「はじめに」を書く意義について、お伝えしました。 今回は、書籍の最後にある「おわりに」について考察してみます。 おまけなんかじゃない「おわりに」って、おまけっぽい雰囲気をまといつつ、 みたいなところってありません? 勝負の本編(商談)が無事終わり、肩の力がふっと抜けたからこそ、著者(営業担当にとってのお客さん)の本音が垣間見えるといいますか。 意外と大きな鍵を握っている

        あなたは言葉で考えてる? 絵で考えてる?

          さらっと書けそうなのに奥が深い! 「はじめに」の役割とは?

          多くの書籍の冒頭に「はじめに」があります。 ここは書籍の中でもかなり重要なパートで、次の3つの要素を過不足なく含んでいる必要があります。 「はじめに」は、この3つを簡潔に伝えつつ、読者の「それ知りたい!」「続きを読みたい!」といった欲望、本編への期待感をぐぐぐーーーっと上げるという、めちゃくちゃ重要な役割があります。 ジェットコースターは、最初上へ、上へと、ぐぐーーーっと上がっていきますよね。 位置エネルギーを高めれば高めるほど、勢いよくスピーディーに滑りおりることが

          さらっと書けそうなのに奥が深い! 「はじめに」の役割とは?

          「noteに何をどう書けばいいの?」に答えてくれる一冊

          以前、「自分のために書けばいい」というテーマでnoteを書きました。 要約すると、 という内容でした。 今回は、この続編にあたる記事になるでしょうか。 「よし、自分のために文章書いてみよう。自分と対話してみよう!」と思ったときに参考になる本を読んだので、今回はその本をご紹介しますね。 エッセイストとして数々の著作を持つ松浦弥太郎さんの『エッセイストのように生きる』(光文社)です。 まさに「自分のために書く」を実践してきた方の言葉。説得力があります。 エッセイとは

          「noteに何をどう書けばいいの?」に答えてくれる一冊

          売れる本は具体と抽象のチューニングがうまい

          先日、ある方とお話ししていて、 「なるほど、売れるコンテンツはこれがうまくできているんだな!」 「私も本をつくるときにこれをすごーく考えて微調整しているつもりなんだけど難しいんだよね〜」 と改めて認識したことがあるので、今回はそのお話をしますね。 キーとなる「具体」と「抽象」私たち人間が動物と大きく違うのは、言葉を操れることです。 言葉は、抽象概念の最たるもの。たとえば「愛」「夢」「心」。 これらはたった一文字にもかかわらず、人や場面によってさまざまな解釈ができる

          売れる本は具体と抽象のチューニングがうまい

          編集作業は「捨てる」が8割

          文章を編集するときは、客観的な視点に立ち、まっさらな気持ちで読む必要があります。 そうしないと、文章のうまくいっていないところ、余計な部分、足りない部分が見えてこないからです。 そのため、編集者という第三者の視点から見てもらうのが有益なわけですが、文章を書く機会がこれだけ増えたいま、自分の文章を自分で編集する機会も多いですよね。 その際は、どうすればよいのでしょうか。 具体的な対策は、「内なる編集者を育てよう」というnoteにも書きましたが、書いてから時間を置くことが

          編集作業は「捨てる」が8割

          編集者が身近にいると、あなたのビジネスが加速する理由

          私がnoteを書くときに、1つの大きなテーマとして扱っている「編集」。 そういえば、そもそも「編集」ってどういう意味だっけ?と思って調べてみたら、次のように書いてありました。 これを読んで、私は「えっ……! 思っていたよりも狭い定義だな」とビックリしました。 そして次の瞬間、「ああ、だからか!」と思い出したことがあります。 先日、ある方とお話ししていたときに、 と言われたんですよね。 私はそれを聞いて、「ええ? そうなの!?」と思いました。 最近、企業の顧問編

          編集者が身近にいると、あなたのビジネスが加速する理由

          編集者という仕事で得たスタンス

          編集者という仕事は、私自身の物事に対するスタンス、人との向き合い方に影響を与えているように思います。 この仕事をしているうちに、生き方にも「編集者っぽさ」が宿ってきたといいますか。 では、その「編集者っぽさ」って何なのか? 雑誌編集者と書籍編集者でスタンスが変わってきますので(両方経験したからわかる)、あくまで書籍編集者としてのスタンスに基づいてお伝えしていきますね。 編集者を一言で表現すると?「編集者ってどんな人?」の答えを一言で表現すると、 だと私は思っています

          編集者という仕事で得たスタンス

          書籍企画書ってどう書くの?

          書店には、さまざまなジャンルの本がたくさん売られていますよね。 その一冊一冊が書籍の出版企画書が発端となり、制作がスタートしています。 その企画書の大半は、出版社の編集者さんが立案し、社内の編集会議に提出したものです。 「書籍企画書ってどんなもの? プレゼン資料みたいな立派なものなの?」 と思う方もいるかもしれませんが、意外とシンプルです。 Wordで、いくつかの項目について文字で端的にまとめた企画書が一般的ではないでしょうか(もちろん細かくフォーマット化している

          書籍企画書ってどう書くの?

          推敲の本当の価値とは

          文章を書き上げたあとに、さらに文章を磨いて仕上げていく作業を「推敲」と呼びます。 推敲とは、いわば文章を自分というフィルターで「ろ過」する作業です。 推敲をまったくしていない書きっぱなしの文章には、不純物が混じっています。 そのため、書いてあることがまっすぐ伝わらず、わかるような、わからないような中途半端な伝わり方をしてしまう。 推敲しきれていないということは、書き手自身が書きたいことを本当の意味で認識できていないということなので、それ相応の伝わり方をするといったほう

          編集者は「上手な文章」を求めているのか

          そう思って、私のnoteを読んでくださっている方もいるかもしれません。 では、「上手な文章」とはいったいどういうものなのでしょうか? 「上手な文章」のイメージはありますか? 流れるように読むことができて、論理構成もバッチリで、人の心を動かす魅力にあふれた文章。 手を入れる箇所が見当たらないような一文字一文字にまで配慮が行き届いている文章。 そんなイメージでしょうか? 「上手な文章」より求められるもの編集者の立場から言うと、ライター、ブックライター、文筆家など、「書

          編集者は「上手な文章」を求めているのか

          いつか本を出したいあなたへ

          「いつか本を出したい」 そう思っている方は潜在的に多くいるような気がしています。 では、どんな人が本を出せるのでしょうか。 まずは、当たり前ですが が前提となります。 インターネット、SNSが発達した今は、自分のコンテンツをアウトプットしておけるプラットフォームがたくさんあります。 そのどこかに、ある程度の量のコンテンツをためておくこと。 そして、コンスタントにコンテンツをアップし続けていることが大切です。 アウトプットの形態は、文章でなくても構いません。

          いつか本を出したいあなたへ

          自分のために書けばいい

          編集や文章に関するメルマガを始めたとき、自分が思っているよりも多くの方が反応してくださり、実際に登録してくださいました。 私自身、想像していなかったことで、とてもびっくりしました。 同時に、 という問いが、私の中に生まれました。 あくまで想像なのですが、メルマガに登録してくださった方たちは、文章のスキルやテクニックはもとより、 という思いを持っている方が多いのではないかと思いました。 そんなもどかしさを感じているのかもしれない。 「あなたの言葉」はどこへ行った?

          自分のために書けばいい

          場に適した文章の「振る舞い」とは

          私は編集者なので、「文章を書くプロ」ではありません。あえていうなら、「文章を整えるのが得意な人」でしょうか。 では、そんな「文章整え師」である私が文章を編集するとき、最初に考えることは何か?  今回は、そんなお話です。 文章を編集するときに最初に考えることもし、何の前情報もなく、 と、原稿がポーンと送られてきたら。 私はざっと目を通したうえで、こんな質問を返信すると思います。 文章整え師、なぜこんな質問をするのでしょうか。 ・・・・・・・・・(考える時間) そ

          場に適した文章の「振る舞い」とは