編集者という仕事で得たスタンス
編集者という仕事は、私自身の物事に対するスタンス、人との向き合い方に影響を与えているように思います。
この仕事をしているうちに、生き方にも「編集者っぽさ」が宿ってきたといいますか。
では、その「編集者っぽさ」って何なのか?
雑誌編集者と書籍編集者でスタンスが変わってきますので(両方経験したからわかる)、あくまで書籍編集者としてのスタンスに基づいてお伝えしていきますね。
編集者を一言で表現すると?
「編集者ってどんな人?」の答えを一言で表現すると、
だと私は思っています。
「は? 間? 漂っている?」(わけわからん)
という感じだと思いますが(笑)。
何の「間」を漂っているか、リストアップしてみたら意外とたくさんありました!
これらによって、私の「編集者っぽさ」が醸成されているように思います。
☑️「著者」と「読者」の間
著者の考えやポリシーを深く理解したうえで、読者として気になること、知りたいこと、わからないことは正直に、忌憚なくぶつける。
遠慮のない理解者でありつづける。
☑️「真実」と「真実ではない」の間
原稿に書いてあることを鵜呑みにしない。
いったん受け入れつつも、「本当にそうなのか?」という視点を常に忘れないようにする。
☑️「ファン」と「無関心」の間
著者のいちばんの理解者でありたいと願うものの、心酔しすぎないようにする。あくまで横の関係性を維持。
未来の読者の分身として、著者に無関心な人格も自分の中に持っておく。
☑️「ドリーマー」と「リアリスト」の間
この原稿はもっとおもしろくできるかも、こうしたらもっとわかりやすくできるかも、著者さんならこんなことも書けるかも……など、「こうできるかも!」「こうしたらもっと!」と理想を思い描くドリーマー気質と、それを実現していく(&無理なものは切っていく)リアリスト気質を持ち合わせている。
実際のところは、もっとたくさんの「間」を漂っている気もします。
無色透明でありつづける
「間を漂う」ということは、物事や人に対して
ということなのかもしれません。同時に、
ことも大事だと私は思っています。
どちらか一方に偏らない。物事をすぐに結論づけず、保留する。
何色にも染まれるけれど、ある部分はずっと透明でありつづける。
このスタンスは、客観性を維持するために原稿(著者)から一定の距離を取るよう意識しつづけることによって育まれたように思います。
そして、仕事だけでなく、プライベートでも、このスタンスで物事・人に向き合うことを私は大切にしています。
でも、この姿勢を維持するのって意外と胆力が必要なんですよね。
正直、疲れることもあります。
私のこのスタンスを「冷たい」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
それでも私は、
でありつづけたい。
あなたには、仕事や日頃行っていることから影響を受けて醸成された「スタンス」ってありますか?
リストアップしてみると、意外な発見があるかもしれませんよ!
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