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読後感を左右する「おわりに」が超重要パートである理由
前回のnoteでは、書籍の冒頭にある「はじめに」の役割と、本を出したい人がウォーミングアップとして「はじめに」を書く意義について、お伝えしました。
今回は、書籍の最後にある「おわりに」について考察してみます。
おまけなんかじゃない
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「おわりに」って、おまけっぽい雰囲気をまといつつ、
商談のあと、エレベーターが来るまでの2分
みたいなところってありません?
勝負の本編(商談)が無事終わり、肩の力がふっと抜けたからこそ、著者(営業担当にとってのお客さん)の本音が垣間見えるといいますか。
意外と大きな鍵を握っているといいますか。
「おわりに」に書いてあった著者の知られざるエピソードに、感情を揺さぶられたりすることもありますよね。
私は「おわりに」を読み飛ばさず、しっかり読む派です。むしろ本編を読み終わらない段階で、一度読みにいくことが多いかも!
なかには「おわりに」から読み始めるツワモノもいるみたいですね。
読み終わったときの「気分」が大事
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映画の本編のあと、その後のストーリーの断片とスタッフクレジットが流れているとき、あなたはどんな「気分」ですか?
怒涛の本編が終わって、「ああ、良かった〜」と胸をなで下ろしたり、主人公の未来に一筋の希望の光を見い出したり。
映画のエンドロールが流れているときに味わう、独特の「気分」ってありますよね。
映画でいうところのエンドロール、つまり書籍の「おわりに」には、コンテンツを楽しんだあとの「気分」を醸成する役割があります。
いわゆる「読後感」と呼ばれるものですね。
編集者としては、「おわりに」に書いてあることが有益かどうかよりも、読み終わったあとにどんな「気分」になるかを重視して編集しています。
とはいえ、「読後感の良さ」を求めるがゆえに、わざとらしさがにじみ出てしまうと逆効果。
あくまで著者さんの心の奥から湧き出る感情が自然に表現されていることが大事です。
「おわりに」の原稿を読んだとき、サラッとしていて心に残りにくいなと感じたら、「これこれこういうことに関する具体的なエピソードってありますか?」と著者さんに質問を投げかけたり、本編に入り切らなかった部分から適した文章をピックアップしてきて、それを組み込むよう提案したりしています。
なぜ「読後感」にこだわるのか
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なぜこれほどまでに「読後感」にこだわるのか。
「読後感」は、レビューの「数」と「質」に大きく影響するからです。
「読後感」が良ければ、人にすすめたいと思う人も増えますし、レビューの内容もより良いものになります。
それによって、その本に興味を持ってくれる人、買ってくれる人が増えるかもしれません。
「おわりに」は決しておまけではない!
むしろ超重要パートなのだ!
これは、書籍編集者みんなの共通認識ではないでしょうか。
だからこそ、「はじめに」と同様、「おわりに」は著者さんにとって書く難易度が高いパートです。
……と、ハードルを上げておいて何ですが、私は力が抜けたときにポロッと出る本音みたいなものが、何気に一番心を打つような気がしています。
もし、これから「おわりに」を書く方がいらっしゃったら、ぜひ肩の力を抜いてリラックスして取り組んでみてください。
そして、読者の皆さんには、ぜひ本の「おわりに」までしっかり読んで、一冊を味わいきっていただきたいなと思います。
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