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【読書日記】吉本ばななさん『切なくそして幸せな、タピオカの夢』

30週に入った頃から急にお腹がふっくらと丸くそして重くなってきたような気がします。予定日まであと2ヶ月。

妊娠初期に比べると眺める頻度が少なくなった妊娠アプリによるとここからさらにお腹は重くなっていくとのこと。今からびくびくしています。

子の動きも激しさを増してきました。たまに蹴られているような🙄?昨夜、痛くてなかなか寝つけなかった……。

妊娠してからnoteで妊娠中や育児中の方の記事を読むことが増えました。ひとつとして同じものはなく、それぞれの物語があって。皆さん色々な思いを抱えながら妊娠期間を過ごされているんだな、育児と向き合っているんだな……と思いながら読ませていただいてます。

妊娠中、読んでよかった本として吉本ばななさんの『切なくそして幸せな、タピオカの夢』が紹介されていたので読んでみました。

人生は一度しかなく、なるべく幸せでいた方がいい。なるべく愛する人と、おいしく食べた方がいいーー。

『切なくそして幸せな、タピオカの夢』は吉本ばななさんが台湾の読者に向けて書き下ろしたエッセイ。

吉本ばななさんの文章にSoupy Tangさんのほのぼのとするイラストが添えられていて大人向けの絵本のような感じです。

エッセイのなかでは恋人から家族になるということ、育児のことやお父さんと過ごした日々のことが食べものの記憶と共に綴られています。

吉本さんが息子さんのために作ったトマトとガーリックのスープや吉本さんのお父さんが作った濃い味がするお味噌汁。手作りのものだけでなく、タピオカや市場のお惣菜なども出てきます。

彼がいちばん好きだったのは、私の作るトマトとガーリックのスープだった。とことん熟れたトマトで作るそれは、甘酸っぱくて濃厚なのだ。
今でもそれを作っていると「ママのトマトスープ、懐かしい」と彼は言う。

家に帰ると私はごはんとそのスープか味噌汁を作り、おかずを作る。たいていの場合子どもはそこで疲れて寝てしまい、起こすとぼんやりとしながらごはんを食べる。そんなくりかえし、なんの特別なこともない。でも積み重ねるとそれは何か大切な塊になる。

「トマトとガーリックのスープ」

エッセイに綴られている吉本さんの育児の記憶が切なさとあたたかさに満ちていて、読んでいたら涙が出ました。

子どもと過ごす時間には限りがあるから。いつかわたしの元を離れていくその日まで、自分の時間を捧げて全力で向き合っていきたいな……とそんなことを思いました。

吉本さんの息子さんが大好きだった「たぴヤのタピオカ」

大切な人と食べた忘れられないごはんの記憶はわたしの中にもあって。それは特別な日でも何でもない平凡な日のことだったりします。

例えば母が作ってくれたサッポロ一番のらーめんをふたりで食べた日のこと。同居していた父方の祖父母に気を遣ってばかりだった母でしたが、ふたりきりでごはんを食べるときはリラックスしているように見えました。わたしと母だけの大切な記憶。

妊娠後期に入ってから、出産までの日々のことをなるべく詳しく紙の日記に書いています。この本を読んだら、出産後も小さなことでも日々のことを書いて残していきたいと改めて思いましたね~。

読んだ後、あたたかい気持ちになりました。後ろ向きになりがちな今の時期にこの本に出会うことができてよかったです。

素敵な本を紹介してくださったpoteさん、ありがとうございました。

(poteさんのマフィン、とても美味しそうです。是非Instagramもご覧になってください)


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