「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(5/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】
安井はバカにする木場田を無視して梯子を昇り出した。木場田もその後に続いた。二人は懐中電灯の明かりを頼りに、橋桁の間に取り付けられている狭い検査路へと移動した。検査路の床は鋼製とは言え網目状になっており、眼下轟々と流れる梨田川の水面が微かに見える。目的の場所に着くと、安井は人目に付かないように隠していたバッグを指差した。木場田がそれに手を伸ばし、ロープを解こうとした時、安井と落ち合った場所が点滅する赤い光で照らされていることに気付いた。懐中電灯のような明かりも見える。木場田は