昭真(shoshin)

筋トレを愛するエンジニアです。ぼくの小説やエッセイが、傷ついた誰かの心にそっと寄り添え…

昭真(shoshin)

筋トレを愛するエンジニアです。ぼくの小説やエッセイが、傷ついた誰かの心にそっと寄り添えるように日々執筆を頑張ってます。引用部分では妻からのツッコミも。お題投稿と通勤電車の中での気づきを詩にしています。小説はこちらから→ https://note.com/rinrin_dou/

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    とらねこが運営する共同マガジン。グループ合計で参加者1,200名を超えました。フォロワ数2000名以上、120,000記事以上が収録されています。🌱コンテンツを広めたい方の参加をお待ちしています。🌱マナー:①連続投稿はしない②社会一般的に不適切な記事は投稿しない③トップ画面は変えない。参加希望の方は,マガジンの固定記事からコメントしてね(ง •̀ω•́)ง

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    日々を頑張って過ごすあなたへのメッセージ

  • ありふれた日常から

    日常の中で思う何でもないこと。あなたの心に寄り添うやさしいショートエッセイ。

  • 【創作大賞2024ミステリー小説部門】ハイウェイ・ホーク

    創作大賞2024ミステリー小説部門参加作品「ハイウェイ・ホーク」 世の中には誰も手出しできない特別な空間がある。その空間を支配するものは、鷹のように鋭い嘴と爪を持っている。

  • 海蝕洞の幻宝

    難しいタイトルの小説シリーズ。少年たちのひとときの冒険。環境問題にも気づきを与えます。ちょっとしたSDGs小説。

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「ハイウェイ・ホーク」第一章 発動(1/7)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

 早朝のサービスエリアは利用客も少なく、広大な敷地の中は閑散としている。駐車場には、運送会社のトラックかゴルフ場に行く乗用車が点々としているくらいだ。そのドライバーたちも建物かトイレの中に入ってしまっているのか、外を歩く人はほとんど見当たらない。  京神高速道路の吹石サービスエリアは、この路線の中でも最も敷地が広い。その一角にレストランや土産物売り場が立ち並び、すぐ脇にある歩道沿いの木々は桜の花が満開になっていた。この日もいつも通りの朝を迎えていた。  利用客が増えてくる前に

    • 【あなたへのメッセージ】今だってかっこいい

      ずいぶん老けたねー。 お腹も出てきて、シワも増えて、髪の毛も白くなって・・・。 けっしてかっこいいとは言えない容姿だ。 若い頃はどうだったの? 今より体は引き締まっていて、お肌もはりがあって。 背筋はしゃんとしていて、今とは全然違ってたんだろうね。 今と若い頃、どっちが良いかって、誰の何の基準で決めるんだろうね。 そんなものあって無いようなもんだ。 だってその容姿は必死で生きてきた証なんだろ。

      • 【ありふれた日常から】人はイメージが大切(アリ編)

        庭の手入れをしていて、虫を見ることが多々ある。 あまり気持ちのいい虫はいない。 それにせっかく育てた野菜を食べてしまう虫は、薬で駆除せざるを得ない。 しかしなぜかアリだけは嫌悪感が湧かない。 なぜなんだろうか。 一つは害虫じゃないこと。 たくさんいたって悪いことをしないとわかっている。 だから駆除する必要もない。 もう一つは古くからあるイメージだろうか。 童話「アリとキリギリス」では、アリが働き者で散々バカにしたキリギリスを助けてあげる優しいやつとして扱われている。

        • 【ありふれた日常から】懐かしい小さなプール

          今もあるのだろうか。 小さい子供用のプール。 ビニール製で、円形で、空気を入れると壁ができて、その中に水を貯めることができる。 ぼくは4、5歳だったろうか。 夏によくお袋が空気入れで膨らまして、ホースで水を入れてくれた。 ぼくは何時間もその中にいた。 何をしてただろうか。 水鉄砲で遊んでいただろうか。 おもちゃの魚を泳がしていただろうか。 細かな記憶はない。 ただあの小さなプールに何時間も浸かっていたことを覚えている。 それと縁側にお袋がずっと座って、ぼくを見て

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        記事

          【ありふれた日常から】少し角度を変えてわかること

          毎朝、同じ電車の同じ車両の同じ吊り革の位置に立つ。 もう何年同じ景色を見続けてきたんだろう。 景色を楽しむなんて感覚は全くなくなっていた。 今日はなぜか電車が混んでいて、ドアの横に立つことになった。 ドアの窓ガラスから見る景色。 同じ景色なのに見る角度が違うと、全く違う景色に見える。 今まで見たこともなかった建物がみえたり、線路沿いを歩く人と目があったり・・・。 久しぶりに見慣れたはずの景色に見入ってしまった。 きっと人も同じようやもんなんだろうなぁ。 長い

          【ありふれた日常から】少し角度を変えてわかること

          【あなたへのメッセージ】気長に行こう⛰️

          心が折れそうになる。 そんな時は誰にも訪れる。 立ち向かえるか、泣き寝入りするか。 その選択はその時の本人の心境に左右される。 立ち向かう勇気があれば、それはそれで格好がいい。 でもそんなことできない時だってある。 無理なものは無理なんだ。 だから無理しなくていい。 それでいい、それでいいんだ。 人生は長い。 いつでも取り返せる。 気長に行こう。

          【あなたへのメッセージ】気長に行こう⛰️

          【ありふれた日常から】真夜中の豪雨の後に

          午前1時、突然の豪雨。 ぼくは目が覚めた。 午後11時に就寝してまだ2時間しか眠っていない。 明日は朝から出勤しないといけないから、何とか眠ろうとするが、雨の音があまりにうるさい。 焦れば焦るほど目が冴えていく。 そうなってくると、普段気にもならない扇風機の機械音や風でカーテンが揺れる音までが気になり出す。 もう悪循環のスパイラルだ。 3時間ほどあがいてみたが、どうにもこうにも眠れない。 もう眠ることを諦めてこのまま起きていよう、そう覚悟したあと、すぐに眠りに落ちた

          【ありふれた日常から】真夜中の豪雨の後に

          【ありふれた日常から】かっこいい駅員さん

          毎朝乗る電車なのだが初めて見た。 かっこいい駅員さん。 歳は40歳後半くらいだろうか。 がっしりした体型で色黒。 そこそこイケメン。 とにかく津田健二郎さんのように声が渋い。 それもマイクをななめ45°にして、うつむきながら電車の案内をする。 かっこいい駅員道を極めてきたのだろうか。 どうやればかっこよく見えるか、日々試行錯誤しながら・・・。 どんなことでも極めればその道のプロだ。 目立たない駅員さんを際立たせるその人の生き様もまたかっこいい。

          【ありふれた日常から】かっこいい駅員さん

          【ありふれた日常から】一番風呂は譲れない

          我が家はぼくを含めて四人家族。 妻と社会人の息子が二人。 息子たちが会社から帰宅する時刻は一定していないから、三人の帰宅時間はばらばら。 帰ってきた人から順番に風呂に入ることになる。 早く帰ってこれたら、栄えある一番風呂に入ることができる。 風呂は一番に入るのが良い、絶対に良い。 二番も三番も同じ、一番でないとダメだ。 ぼくは会社が家から遠いから、息子たちが残業しない日は、どうしても負けてしまう。 めっちゃ悔しい。 だから日曜日の一番風呂は絶対に譲れない。

          【ありふれた日常から】一番風呂は譲れない

          「ハイウェイ・ホーク」終了のご挨拶

          「ハイウェイ・ホーク」をご愛読いただき、誠にありがとうございました。 ハイウェイ・ホーク。 彼らは高速道路の上を鷹のように飛び回っていました。 アスファルトの表面スレスレを這うようにして。 その飛行能力は、一般車とは比べ物になりません。 まるで宇宙空間で飛び交う小隕石をスイスイとかわすように、一般車両の隙間をかい潜っていきます。 そこは特別な空間。 その特別な空間の支配者が、ハイウェイ・ホークです。 支配者だなんて言い過ぎでしょうか? 死と隣り合わせながら戦ってきた兵

          「ハイウェイ・ホーク」終了のご挨拶

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(6/6)最終話【創作大賞2024ミステリー小説部門】

           すでに一時間が過ぎた。待つことが苦手な品川だが、我慢に我慢を重ね、やっと待ち人が現れてくれた。 「お勤めご苦労様でした」  品川が大粒の涙をこぼしながら駆け寄ってきた。 「やめろよ、やくざじゃあるまいし」  刑務所の門をくぐってきた安井は、微笑みながら品川の頭をひとつ叩いた。 「やっと出て来れたよ。渡辺の家族はどうしてる」 「ちゃんと計画通りやってますよ。渡辺の子供は来年小学校です。安井さんのお陰で、大学まで出してやれそうですよ。あの金、おれも少し使いましたよ」 「おお、好

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(6/6)最終話【創作大賞2024ミステリー小説部門】

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(5/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

           安井はバカにする木場田を無視して梯子を昇り出した。木場田もその後に続いた。二人は懐中電灯の明かりを頼りに、橋桁の間に取り付けられている狭い検査路へと移動した。検査路の床は鋼製とは言え網目状になっており、眼下轟々と流れる梨田川の水面が微かに見える。目的の場所に着くと、安井は人目に付かないように隠していたバッグを指差した。木場田がそれに手を伸ばし、ロープを解こうとした時、安井と落ち合った場所が点滅する赤い光で照らされていることに気付いた。懐中電灯のような明かりも見える。木場田は

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(5/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(4/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

          「それでどないすんねん、やっさん」 「実は、今日、刑事がやって来ていろいろと聞かれました。やつらはおれたちが下り線から逃げたことを嗅ぎ付けてます」  安井は今日の規制作業時に、谷川から事情聴取をされたことを野村に話した。刑事は取引先の現場責任者に話を聞きに来て自分はついでのような扱いだったが、身元を知られてしまったことが少なからず安井の動揺を招いた。 「やっさん、一人で罪かぶって自首しようって思とんのか。それは何の解決にもならへんで」 「わかってます。一つ考えがあるのですが・

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(4/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(3/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

           谷川たちは東出から紹介された管理事務所の責任者から、南京錠の鍵のことについて情報を得ることができた。その鍵は基本的に管理事務所で管理されているのだが、下請け業者が無断で合い鍵を作っているらしく、どの会社が所持しているのか公団側は把握できていないとのことだった。 「全くずさんな管理ですね。これじゃあ、ホシの目途を絞り込めやしませんよ」  責任者と別れた後、尾形が独り言ちた。 「おれたち警察も偉そうなことは言えんよ。とにかく公団職員以外にも、容疑者になり得る人物がいるってわかっ

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(3/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(2/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

           二人はそのまま歩き続け、下り線側のサービスエリア内に入ろうとすると、横方向にスライドさせて開閉する重厚な鋼製のゲートがあった。ゲートの取手と地中に埋め込まれている鋼製の支柱がチェーンで巻かれていて、南京錠で緊結されていた。南京錠は使い古されていて少し錆が付いていた。これでは上り線側から来た車両は、施設外の駐車場までたどり着くことができるが、サービスエリア内に進入することができない。だから下り線に流入することが不可能になる。南京錠が破壊された痕跡もなかった。 「下り線から逃走

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(2/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(1/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】

           現金が強奪された当日に、公団本社内に設置されていた緊急対策本部は大阪府警に移された。その日は報道機関に対するプレス発表も行われ、犯人を目の前にして取り逃がした大阪府警の面子は丸つぶれになった。  翌日の朝から捜査会議が行われた。無論、容疑者グループを取り逃がした水川と谷川への風当たりはきつかった。谷川が一昨日の報告を一通り終えると、堰を切ったように質問が浴びせられた。 「なぜ、覆面パトカーを先行させ、追跡を一台のみで行ったのか」 「容疑者グループがサービスエリアで接触してく

          「ハイウェイ・ホーク」第三章 鷹の目(1/6)【創作大賞2024ミステリー小説部門】