#オマージュ
あとがき(または世界で最も愚かなミステリー作家の述懐)
確か小学校低学年の頃だったと思う。短いお話を書いてみんなに発表しましょうという授業があった。今思えば、あの時書いたものが、私が初めて書いた小説だったかもしれない。どんな話だったかもほぼ覚えていないが、タイトルだけははっきりと覚えている。『桃金いっすんかぐやで浦島さんとうさぎと亀の鬼退治』というお話だった。
タイトルのまま、桃太郎と金太郎と一寸法師とかぐや姫と浦島太郎とうさぎと亀が鬼退治に行くお話
探偵神宮寺マキヒコ、三日月荘の怪
神宮寺の探偵事務所に怪しい招待状が届いたのは4月のことだった。三日月荘という別荘でゴールデンウィークを過ごされませんかという招きで、集合場所と日時のみが記されており、差出人の名前は書かれていなかった。きっと何かがあるに違いないと踏んだ神宮寺は、その誘いに乗ることにした。それが恐ろしいゴールデンウィークの始まりだった。
待ち合わせ場所に神宮寺が到着すると、そこには同じように招待状を受けたらしい男女