見出し画像

自由律俳句 #374

【棒を振り回した帰り道】


あの日の帰り道、
ボクは伝説の棒を手に入れたんだ。

これを装備して攻撃力をあげれば、
どんなモンスターが来ても倒せるはずだ。

平和を脅かす悪い奴らをやっつけて、
この王国はボクが守らなくちゃ。
それがこの伝説の棒を手に入れた者の使命なんだ。

あそこの草むらに悪いモンスターはいないかな?
やっつけて、経験値をゲットして、レベルアップだぜ。

でも草むらに悪いモンスターはいなかった。
小さいクモしかいなかった。
素早く動くから、ちょっと怖かったぜ。

おっと早く帰らなくちゃ。
どうやら今日もこの王国は平和なようだ。

でも鍛練を怠ってはいけないよ。
それがこの伝説の棒を手に入れた者の使命なんだ。

そんなことを考えながら家に着いた。
伝説の棒をひとまず玄関に置いておく。

さて、これから友達の家に遊びに行く準備をしなくちゃ。

行ってきまーす!

伝説の棒をすっかり玄関に忘れて遊びに行ったボク。

誰しも勇者になれた、あの日の帰り道。

信号待ちの私の視線の先にいるのは、
かつての自分を思い出すような、
伝説の棒を装備している小さき勇者。

気をつけて帰るんだよー!
信号待ちをしながら、勝手に思っていた。


#自由律俳句 #俳句 #散文 #随筆 #エッセイ #棒 #振り回した #帰り道 #あの日 #ボク #伝説 #装備 #攻撃力 #モンスター #倒せる #平和 #脅かす #王国 #使命 #草むら #経験値 #レベルアップ #鍛錬 #思い出す #小さき勇者

この記事が参加している募集

自由律俳句

記事を読んで頂けるだけでありがたくて、スキを押してくれるだけで嬉しいのに、サポートまでして頂けたら、もう飛び跳ねます!本当に本当にありがとうございます!これからも頑張ります!