【完全ガイド】 猿でも分かるアマゾン川筏下り 〜筏作り編〜
このページに飛んできた人は、筏作りと下りに興味がある人です。なので、アマゾン川においての処世術を書き起こします。全部、自己責任でお願いします。
それではガイド、スタートです。
アマゾン川について
私は過去2度、アマゾン川筏下りに挑戦しました。2012年と2016年に挑戦し、計3000km程を超える行程を単独で。
たまにアマゾンに行ってきたと言うと「アフリカって危険なんでしょ…」って返しがあります。が、アマゾンは南米です。
全長約6000kmあり、ペルー・コロンビア・ブラジルの3か国にまたがっています。支流を含めると、ボリビアやベネゼエラも含まれます。
世界一流域面積の広い川です。
どこから下る?
日本人にとってメジャーな場所だとペルーのプカルパがあげられます。
欧米系の筏下ラーはユリマグワスが多いです。
プカルパまでのアクセスは、首都リマのバス会社から幾つか直通便が出ており、町までは簡単に辿り着けます。所要時間は30時間くらい。飛行機でも行けます。
ユリマグワスまでは直通が無かったので、タラポトという町を経由して行きました。リマから2日もあれば着きます。
余談ですが、筏下りの書籍の中でも古い植村直己の「青春を山に賭けて」では、1960年代にユリマグワスから出発をしています。筏の名前は、アナマリア号でした。
※植村直己…登山家・探検家。世界五大陸の最高峰に登頂、また単独で犬橇による北極点到達にも成功。北米マッキンリーの冬季単独登頂に成功したのち、下山途中に消息を絶つ。享年43歳。
プカルパで筏を探す
アヤワスカができるサンフランシスコ村が近くにあるので、日本語での情報は比較的多いです。なので、この町の宿情報等は他のサイトをご覧下さい。
ここでは筏の情報をメインとします。
岸辺には造船所がいつくかあり、その中にアンドレソオローチェという人物がいます。過去数十年はこのおじさんが各国の筏を手製で作製していたのですが、近年、ペルーの物価上昇と共に筏の作成費も上昇し、このおじさんに頼むと日本円で5〜10万程いきます。
ですが、岸辺周辺を散策すると捨てられた筏が幾つか見つける事ができます。筏は現地でも必需品(動物や木材を乗せたりする)なので探せばあります。作成費を抑えたい方はこれを利用しましょう。
状態にもよりますが、5000円以下で手に入れる事ができます。後は交渉次第です。
筏を作る
ここからは写真を使って説明します。
比較的シンプルな作りですが、これを灼熱の下に作製するので、日本で体力だけはつけときましょう。
筏を作製している時は、貴重品などを岸辺に置かない様にしましょう。また、筏下りに必要な物資等も同時進行で揃え、完成と同時にスタートがきれる用意をしておきましょう。
一度筏が流れ始めると後戻りできないので、修学旅行みたいに物資のリスト化をしてダブルチェックするのがオススメです。
ユリマグワスでの筏作り
行程はプカルパと同様です。
ですが、筏を1から土台も新しく作りたい場合は「バルサ」というめちゃくちゃ軽い樹木があるので、それを買いそろえて作ります。基本的にはこのバルサが主木となってどの筏も出来ています。
2016年の状況ですが、ユリマグワスから少し下流にある場所で大きな工場が建設されており、進行方向左側のルートに入った場合確実に大破するので、そうした状況も加味するとユリマグワスルートは難しくなっています。
余談ですが、先ほど名前が出た植村直己は、このユリマグワスから出発し、2ヶ月かけて6000kmを単独走破しました。
筏以外の物資調達について
筏下りは長いです。全域を下ろうとすれば2〜4ヶ月はかかります。
道中、村や町に寄る事もありますが、基本的に単独で行動する場合は筏に乗せているものを見張れないので、岸辺での買い物がメインになります。
なので、消耗品や食べ物など、ズタ袋に入れて先に購入しておく事をオススメします。金槌やノコギリ、マチェーテ(南米でよくある手刀)は必須です。
筏が川の上で壊れたり、修復する事は日常茶飯事です。特に個人で作る場合は耐久に難ありになるので、絶対に持っていて下さい。大工道具は絶対必需品です。
マチェーテは威嚇用にも使えますし、森の中でブッシュキャンプする時にも心強い一品なので、これだけは絶対に持ちましょう。
蚊帳は二重にしたほうが安全です。長い道中なのでひょんな事で破れますし、蚊の猛攻を限りなく防いでくれます。仮に蚊帳が破けた場合は、髪の毛をちぎってそれで縛れます。細いですし、耐久もそこそこあるので良いです。
万が一の為に救命胴衣を用意してく事も大切です。町の道具屋で必ず売っています。私は買わずに大変な目に遭いました。気をつけましょう。
筏の内部には、川の上なので水を防ぐ為にシートを貼っていましたが、日中はサウナ状態になるので懸命ではありません。むちゃくちゃに熱いです。
たらい的なものは何かと使えるので、まとめて買いましょう。魚を捌く時とか、魚の保存容器、飯の容器にもなります。細々としたスプーンや箸はちょっとの衝撃で川にポチャる可能性があるので要注意です。
夜の為にアルコールランプと燃料を積みましたが、当然のごとく川の上では常に衝撃があるので火事のもととなります。あまり船上では使えません。
ポリタンクの中には町で汲んだ水道水が入っています。基本はアマゾンの水を飲むのですが、緊急用に積載しました。
単独か複数か
筏下り然り、様々な冒険にも通じる話なのですが、単独で臨む場合はリスクがグーンと上がります。
単独で行う場合、動物と一緒に流れる人がいます。特に犬や鳥などは人間よりも敏感な生き物なので、夜間の対応は心強いです。
複数の場合は、夜間走行に入った場合に順番に眠れますし、仮に襲撃されてもある程度抵抗できます。
不安な場合は仲間を募り、複数で挑戦しましょう。
複数で行う場合はとても楽しいみたいなので、いつかまた機会があれば複数での筏下りもしたいなあ、と思います。
では、良き旅を。
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