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私の本業は整体師です。機械を使わず手技のみで、様々な年齢の方の施術をします。整体院によっては、まったく会話しない所もありますが、私の場合は会話しながら施術することの方が多いです。

その時にどんな話をするのか、とても大事だと考えています。皆さんも美容院などで経験されていると思いますが、一般的な他愛もない話がおそらく多いことでしょう。テレビ・芸能の話、新聞の大見出しの話などは誰でも会話しやすいですよね。

しかし高齢者となると、テレビを見なかったり、見ていても芸能人の名前を知らないことも多いです。新聞やスポーツネタもピンとこないことがよくあるし、近くの美味しいお店も知らないです。

だから私は昔の話を聞き出すようにしています。

歳が行くと最近の出来事は忘れていても、昔々のことは覚えているそうです。だから高齢者には、子供の頃の話や、学生時代のこと、子育ての話などを聞くことがあります。「その話、もう3回くらい聞いたけど・・・」と思いながらも、あたかも初めて聞いたかのようにリアクションしています。話の先が分かっているので、わざと間違えるような言葉を出してみると、ちゃんと訂正してくれるので、その返し方を期待するのが楽しくなっていきます。

そして、カルテに話した内容を少しメモしておきます。そうすることで、その人のことが少しずつ分かっていきます。何回も来院されている人であれば、家族構成や仕事内容、生い立ちなどもずいぶん把握できています。お孫さんの成長も聞いてメモしていて、次の会話につなげるようにしています。


昔の話をすると脳が若返る!


高齢者と話をする時は、最近の話より、昔話の方が脳科学的にもよい
事が研究で分かってきています。

「新しい経験」ではなくても、シニアの方が昔の思い出話をしたり、若いときの話をしたりしているときに、とてもイキイキしているのを見かけます。これは、一般にいわれる「回想法」というもので、回想法とはアメリカの精神科医のロバート・バトラーによって確立された心理療法です。

整体という仕事は、ツボがどうとか、筋肉がどうとか、ということも大事ですが、若さを保つため、健康寿命を延ばすためにお手伝いすることが、整体だと考えています。この記事を読んだ時、私が日々行っていることは間違っていなかったのだと確信が持てました。若返りのコツとして昔話が良いとされるのであれば、これからもいっぱい話を聞いていこうと思います。


認知症に薬を使わない療法


現在、回想法は認知症の症状に対する、薬を使わない療法として活用されています。自分の過去を話すことで、記憶をより鮮明に思い出すことができるためです。

自分の過去の話をするだけで、認知症予防になるなんて、素晴らしいことだと思いませんか? それなら周りの人は、どんどん話を聞いてあげればいいんですよ。

昔の記憶がよみがえるというのは、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ扁桃体が活性化し、さらには、前頭前野の血流量を増加させ、モチベーションの向上といった効果が期待できるといわれています。前頭前野は脳全体に指示を出し、脳のほかの部分を働かせるといった機能も持っているため、ここを刺激してあげることが脳全体の活性化にもつながります。


高齢者はお喋りできる場を作りましょう!


昔は「茶飲み友達」なんて言って、縁側で日向ぼっこしながらお茶を飲む光景がありました。現代ではほぼ皆無でしょう。今は新型コロナの影響もあって、外出しない高齢者がとても増えています。どんなことでも良いから、家から出る用事を作り、そして昔の話でお喋りできる場があれば良いですよね。公民館や趣味の場がある人はいいですが、そういう場には行きにくいという人もあります。

私の整体院は、体を整えるだけでなく、脳の若返りのお手伝いをし、心を温かくしてあげることができると自負しています。これからも変えることなく、ひとりひとりに時間をかけてゆっくり応対していきます。

サポートしたいと思われるくらいまで頑張って書きますので、今はシェアかコメントをいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。