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面白かった、印象に残った作品

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言葉の通り。面白かった小説やエッセイ、気になったコラムなどを蒐集しています。詳細はhttps://note.com/ryose/n/nf845cf5df9a6
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2020年8月の記事一覧

光を待つひと #ナイトソングスミューズ

駅のホームのへりに立ち、遠ざかっていく電車の後ろ姿に手袋をした親指をあてる。羽虫でも押し…

七屋 糸
4年前
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あなたの色で

パレットの上で何度も何度も色を混ぜなおす。 いつまで経ってもこれだ、という色が立ち現れて…

夏に遺す(私とあなたについて)

       -✲ 夏を嗅ぐたびに想い出す 視界いっぱいに駆け抜けたあの軌跡 それは人生で…

千鶴
4年前
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ショートショート63 「免許」

無機質なチャイムの音が昼休みの終わりを告げ、先生が教室に入ってくる。私たち生徒はいそいそ…

僕とコンテストと愛と酒とドラッグとセックスとバイクと暴力と呪われし姫君

皆様、ご無沙汰しております。 逆佐亭 裕らくと申します。 今日は名前だけでも覚えて帰ってく…

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どこにも行けないひとりの夜に、どうぞの一冊【幾千の夜、昨日の月】

眠れずベッドからも離れられない。どこにも行けない夜は、急速に、ひとりが色濃くやってくるよ…

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永遠へのカウントダウン

日の落ちたコンクリートジャングルから空へと帰っていく熱を見送っている 林立するきらびやかな墓標にともされた人々のいとなみが夜空の星を隠す 暗くなった空を照らすおびただしい星々の一つに私がいてあなたもいる アスファルトとコンクリートに覆われた大地は回転する球体の表面だ どうしてそんなとほうもない狂った話を誰もが信じているのだろう 私やあなたが生きている時間はこの巨大な球体にとっては刹那だ 私もあなたもにわかに騒がしくなった地表に蠢く粒にすぎない 息も詰まるような日常に風穴一つ

そのひとが幸せを求めることを、どうして止められる?

「実話から生まれた」 この文言に、ただただ弱い。だって、実話はたいていハッピーエンドにな…

たかれん
4年前
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君と、透明な夏をとじこめる

暑いから、冷たいものが欲しくなる。寂しいから、賑やかな人と居たくなる。騒がしくしたいけれ…

お茶
4年前
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夏の果|ショートストーリー

今日私は、あの頃の父と同じ歳になった。 父は寡黙な人だった。そして少しばかり頑固で、仕事…

suga
4年前
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