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永遠へのカウントダウン

日の落ちたコンクリートジャングルから空へと帰っていく熱を見送っている
林立するきらびやかな墓標にともされた人々のいとなみが夜空の星を隠す
暗くなった空を照らすおびただしい星々の一つに私がいてあなたもいる
アスファルトとコンクリートに覆われた大地は回転する球体の表面だ
どうしてそんなとほうもない狂った話を誰もが信じているのだろう
私やあなたが生きている時間はこの巨大な球体にとっては刹那だ

私もあなたもにわかに騒がしくなった地表に蠢く粒にすぎない
息も詰まるような日常に風穴一つ満足にあけられない無力さ
くりかえす毎日のなかでたとえ私が一歩も前進しなくとも
私は私を乗せた大地によって音速よりも速く動いている
23.4度の気まぐれが日差しのダイナミクスをもたらす
そんなぺてんみたいな話をなぜだれもが信じている

追いついてたどりついて絡みあってすれちがって
まわる大地はあなたと私のメリーゴーラウンド
なにかを失くしながらなにかをつないでいる
うごいたりとまったりきえたりうまれたり
なにを信じているかもわからないリアル

どんよりとたちこめる空を見上げても
スモッグにさえぎられた星たちの声
ほんの束の間立ち寄ったこの時で
たった一人のあなたを見つける

無数の偶然が手を取り合って
私とあなたが手を取り合う
冷めてゆくコンクリート
重なりあうあなたと私

大地の息吹のすきま
それはほんの刹那
二人のまほろば

意味などない
ただそこに
少しの熱

永遠は
愛の


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#ナイトソングスミューズ

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