就活が迫ってきている君たちへ。

散歩をしているときにふと「そろそろ就活が始まる時期になるなぁ」とぼんやり考えていたんですが、よくよく計算してみると、今年の就活生は君たちの代なんですね。当時はあどけない高校生だった君たちがもうすっかり大人の雰囲気を纏っているのかと思うと、なんだか感慨深い気持ちになります。

『Book Cafe ホンバコ』を運営していた約3年間の中でも、やっぱり君たちの印象はとても強いです。自主企画イベントの打ち合わせに来たと思ったら、休みの日にはランチに来るようになり、テスト期間にはうちで勉強をして、そしてカウンターで8歳も年上の僕とよくわからない話する。とても不思議な時間と空間でした。

君たちに「大学なんていつでも入れる!勉強はいつでも出来る!」と主張してセンター試験を受けたのも、もう3年前。月日の流れる早さを痛感させられます。

カフェを閉じたことで、会う機会もなくなってしまい、会ってない人は丸3年、最近会った人でも1年ぐらいは顔を合わせてない気がします。元気に楽しく大学生活を送っているでしょうか。


そして君たちはまた、新たな人生の岐路を迎えます。そんな君たちに僕からなにか出来ないかと思い、この記事を書き始めました。

色々考えてみたんだけど、こんな形はどうだろう?
ブックカフェの店長として君たちに接してきた僕なので、今の君たちに適した「書籍」を贈る。もちろんプレゼントだ。

とりあえず君たちの状況を想像しながら全部で7冊ほどピックアップした。すべて心の底から「君たちに贈りたい」と本気で思いながら選書したので、気に入ってくれたら嬉しいな。

もちろん僕からのプレゼントなので、気になる本があれば本当に送らせてもらいます。久しぶりで連絡しにくいかもしれないけど、読みたいものがあれば気軽にメッセージしてください。

(マジで遠慮せず連絡して…!!)


これから就職活動を控える君へ

今年の正確な就活解禁時期がイマイチわからないけど、きっと一般的な就職活動が始まるのはこれからのはず。もしかしたら現在ちょうど「企業分析」とか「自己分析」とか「エントリーシート」とかに立ち向かってる時期なのか、、、な??

知っての通り、僕自身は【就活】というものを1秒もやったことがない(そもそもスーツを持ってない)ので、正直に言って上記に挙げたようなことに対して助言を出来る立場にはありません。だから、もっと普遍的に参考になる書籍が良いかなと思い選んだのが、森岡毅さんの『苦しかったときの話をしようか』です。

この本は、USJを立て直した敏腕マーケターの著者が大学4年生になる娘に向けて書いた手紙をほぼそのまま綴った書籍で、どんなジャンルのどんな仕事を選ぶにしても間違いなく役に立つ内容が散りばめられています。

もし就活生の読むべき本を1冊だけ選ぶなら、絶対にこの書籍をチョイスする。そのぐらい本質的で実用的で真っ直ぐなメッセージが詰められているので、マジのマジでオススメです。


進みたい道が見つからない君へ

とは言え、それ以前に、就活を目の前にして「進みたい方向性がわからない…」と途方に暮れているのかもしれません。大学4年次の僕がそうだったように、君がそんな状態に陥っていてもなんら不思議じゃない。

そういう人には、サイエンスライター鈴木祐さんの『科学的な適職』や、ストレングスファインダー診断のできる『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』などを紹介するのが良いのかもしれないけど、正直、そういうテクニック的な自己分析はまた次のフェードの話だと思っていて、

だからこそ、まずは伊藤羊一さんの『やりたいことなんて、なくていい。』を僕はオススメしたい。

この本は一見すると「なんか怠惰な方向に引っ張られそうだな…」と思ってしまいがちですが、全く逆で、「やりたいことがなくてもいい。目の前のことに120%で向かっていけ!」という意識の話が中心に書かれています。

一言で表すと『夢を描けない凡人のマインドを正しくセットしてくれる本』という感じかな。


すでに業種が決まっている君へ

その一方で、大学や専門学校で選んだ専攻に沿って、就職する業種が決まっている人もいるでしょう。たとえば、保育士とか教師とか医者とか。

そんな君に必要なのは、企業分析や自己分析ではなく、面接をパスして希望の職場で働くために自分の想いをしっかり伝える能力じゃないかなと。この能力は日常生活や学校生活では基本を教わらないので、思っている以上に「自分の想いをわかりやすく伝えること」は出来ない人が多いです。

そこで、先ほどと同じ著者・伊藤羊一さんの『1分で話せ』を読んでみてください。

要点を抑えて的確にシンプルに「伝わりやすい話し方」をする型が紹介されているので、この知識を身につけておけば面接で人より優位に立てるんじゃないかと思います。働き始めてからの社内での振る舞い方にも応用できるので、就活の終わったあとでも読んでおくといいかなと。


お祈りのメールばかり届く君へ

ただ、人生はうまくいくことばかりではありません。まだ就活が本格始動する前(1月30日)の公開なので該当者は少ないと思いますが、もしかすると読んでいるときには「お祈りメール」が複数届いているという人もいるという状況が生まれるでしょう。

僕自身は就活の経験がないので本当の意味で理解は出来ないけど、どこか社会から自分が認められていない(否定されている)ような気分になってしまうのは、とてもツラいものだろうぁなと思います。

だけど、「失敗は成功の母」です。大事なのはうまくいかないときに嘆くのではなく、うまくいく方法を模索し続けること。それをジワジワ教えてくれるのが、アレックス バナヤンさんの『サードドア—精神資産のふやし方』です。

この本では、1992年ロサンゼルス生まれの著者が大学1年生のときに「多くの成功者にインタビューする」という夢を掲げ、その夢を叶えるための挑戦と失敗の歴史が綴られています。どのように挑戦の失敗を受け入れて、次に活かしていくか。その価値はすぐに理解できないかもしれませんが、お祈りメールばかりが届く時期に読むと意味がよくわかるはずです。

ちなみに、僕は初見のときに泣きました。マジで涙腺崩壊。そのぐらい素晴らしい書籍です。


内定をもらいホッとしている君へ

そして、見事相思相愛の出会いが成就した人には、人生100年時代(つまりあと約80年…!!)を素敵に生きていくための1冊を紹介したいと思います。

それは、渋沢栄一の『論語と算盤』。ぶっちゃけてしまえば、今の僕のバイブル的書籍です。毎日30分ずつ筆写しているほどハマってしまいました。

2024年に新一万円札に描かれる予定の渋沢栄一。2021年の1月からは、渋沢栄一を主役にした大河ドラマもスタートするなど、これから益々知名度が上がる人物の残した最も有名な著書こそが『論語と算盤』になります。

昨年プチバズを起こしたので様々なバージョンの書籍が出版されていますが、原文は少し読みにくいので現代語訳されているものをオススメします

個人的には、これから成熟した資本主義社会が新たな経済モデルに移行していく時代において、その中心になる考えこそが【道徳経済合一説】ではないかと思っています。数年後にそんなムーブメントが巻き起こってくるはずなので、就活が終わりホッとしているタイミングで読んでおくといいかなと。


進学でさらに高みを目指す君へ

また、就職ではなく、大学院への進学を狙っている人もいるでしょう。一応、僕自身も大学院に進学した人間です。一応ね。(1日も行ってない)

そんな君には、昨年のベストセラー本『FACTFULNESS (ファクトフルネス)』を贈ります。

大学院に進学するという学習意欲の高い人こそ、データに基づいて世界を眺める癖をつけておくべきだと思うからです。そして、自身がその先入観に支配されていると実感させてくれるのが、この書籍になります。

著者のハンス・ロスリングは、この書籍を執筆途中に すい臓がん で亡くなりました。しかも、病気のことを知り理解して余命宣告もされたにも関わらず、ペンを置くことなく『FACTFULNESS』を書き続けたと言います。

もちろんこの書籍に書かれているデータも基本的には疑ってかかってほしいのですが、きっと大学院生であれば自分なりの軸で読むことができるはずです。(と信じてます)


新卒で独立をするつもりの君へ

さらに、もしかすると「新卒で独立する」という選択をする人も・・・、確率は低いですがゼロではないでしょう。かく言う僕も、事実上は新卒で独立(開業)しているので、ある意味で僕と同じようなキャリアをスタートすることになります。

そんな人に贈りたい1冊は、、、なかなか決め切れませんでした。
起業の本、お金の本、マーケティングの本、セールスの本、、etc...

何がいいか悩みに悩んだ結果、僕が大学時代に読んで衝撃を受けた 本田健さん の最新書籍を選ぶことにしました

主人公は大学2年生の男子。大富豪だった祖父からの遺言(手紙)を片手に、人としてのマインドが大きく変化する旅に出る、というストーリーなのですが、独立したとき (特に自宅で作業する系のタイプ) に直面するであろうことがいくつも書かれており、だからこそ、表面的なテクニック論の本ではなく、本質的なところまで書かれた書籍だからこそ、読む方がありそうだなと。


おわりに

もしかすると、君たちにとっての僕はただの「過去の人」かもしれません。こうやって先輩ヅラして押し付けがましくエール(という名のアドバイス)を贈ることも、実際問題どうなんだろうと思ったりしています。

ただ、今の僕にできることはこのくらいしかない。なので、手探りで進むしかない就職活動の中で少しでも参考になる部分があればそれだけで十分です。

実際にこの記事が君たちの目の触れるところに届くかはわかりませんが、冒頭でも書いた通り、読みたい本があれば本当に贈ります。遠慮せず連絡をしてきてください!


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というわけで、今日の記事は以上です。
見ず知らずの人には贈りません。あくまでもカフェに来てくれた当時の高校生たちへのプレゼントなので、お会いしたことのない人はご自身で購読してみてください。

では、またあした〜!

▶︎ 合わせて読んでほしい記事 ◀︎
≫ もっと早く「読書の習慣化」をしておけばよかったと本気で思う。
≫ 散歩の機会が増えてきたので、「オーディブル」を再契約した話。

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