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番外編. 「自立」について考える

週3回、金沢QOL支援センター株式会社についてを中心に福祉に関するテーマを記事にしているこのシリーズ。

今回はまた少し趣向を変えて、印象に残った言葉で福祉はもとより全ての人に通ずると思い、共有したいと感じた言葉をテーマに記事を書いていきたいと思う。番外編だ。

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今回紹介したい言葉というのが、

自立とは「依存先を増やすこと」


である。

この言葉に出会ったのはつい先日。

ソーシャル経済メディアである「Newspicks」の中の番組の一つ「OFFRECO.」内で家入一真さんが紹介していた言葉だ。

上記の言葉は、東京大学先端科学技術研究センター准教授である熊谷晋一郎さんがおっしゃったものだという。家入さんがこの言葉を紹介していたのを聞いて、すぐに調べた。

すると全国大学生活協同組合連合会のインタビューに答えている記事を見つけた。

熊谷さんは生後間もなくで脳性麻痺になり、手足が不自由に。中学生の頃から車いす生活、そして日常生活を送る上で他者の介助が欠かせないとのこと。小学校から高校まで普通学校へ通い、東京大学に進学。医学部卒業後、小児科医として10年間病院に勤務。現在は障害と社会の関係について研究するとともに、月2回ほど診療現場に出ている。

簡単に記事を要約したい。

熊谷さんのご両親は息子を外に出すのを心配していた。

「社会というのは障がい者に厳しい。一人で社会に出したらのたれ死んでしまうのではないか」

でも実際に熊谷さんが一人で社会に出て感じたのは、「社会は案外優しい場所なんだ」ということだったそう。大学時代も友達がいつの間にか合鍵を8個つくり、代わる代わるやってきては好き勝手にご飯をつくって食べていく。一方で介助もしてくれる。

熊谷さんの依存できる先はそれまで親だけだった。だから親を失えば生きていけないのでは、という不安がずっとあった。でも一人暮らしをしたことで、友達や社会など依存先を増やせば、自分は生きていける、自立できるんだということがわかった。

熊谷さんはこうまとめる。

「自立」とは、依存しなくなることだと思われがち。でもそうではない。「依存先を増やしていくこと」こそが、自立なのだ。これは障がいの有無にかかわらず、すべての人に通じる普遍的なことだと思う。

*もっと詳しい内容が上記に添付した記事から読めるのでぜひ。

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私にはぶっ刺さりの文章だった。

たまたま今の自分は不自由なく生活を送ることが出来ているが、そんなのは関係なく全員が考えさせられるインタビュー記事ではないだろうか。

そして多くの人が心救われる記事なのではないだろうか。
もっと人を頼っていいんだ、勇気を出して人を頼ってみよう、と。

記事にもあるように「自立」とはどこか「一人で生きていく」そんなイメージを持っていた。そういう人も多いだろう。そして実際にそうなのかもしれない。

ただその一人の解釈の仕方が間違っていたな、と。
「一人だけで生きていく」のではなくて、「一人で周りを頼りながら生きていく」ということなのだと強く感じた。

心のどこかで「周りに頼る、弱い部分を見せるの恥ずかしいな」と思っていた過去の自分に言い聞かせたいくらいだ。

大事なのは「依存先を増やすこと」だよ

と。

言葉は少し強いかもしれないが、いい意味で周りを「使う」くらいで。
もちろん自分ばっかり「使う」のではなくて、時には「使われ」たりして。

そういった、お互いに使い使われで依存先を増やしていくことがベストなんだな、と実感した。

本当に「強い」人というのは、自分で何でもできるんじゃなくて、周りをうまく頼れて、周りに頼られる人なんだな、と。

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金沢QOL支援センター株式会社では「障がいをなくすしごと。」というブランドメッセージがある。

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もちろんサービスのご利用者様が社会に出て働けて、自分で生活を出来るようにすることだったり、福祉が地域を支える社会の実現だったり、そういった大きな目指すべき目標はある。

それに加えて、提供する場所が一つの依存先になってくれたら嬉しいし、もっともっと「依存」できる環境を増やすことや自分が「依存」できる人であることも必要だなと感じた。

まずは自分自身がいろんな人やものに頼ることから始めねば。


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