あの人がいなかったら 今の自分はないだろうなぁ
わたしは今ニューヨークに住んでいます。
英語はろくにできなかったし、
先のことを考えずやってきた割には、家族にも恵まれ、仕事もあるわたしは幸運の持ち主だと思ってます。
この記事は、
わたしにニューヨークという街に興味を持たせてくれて、
結果的に今のこの幸運をもたらしてくれた、
わたしが愛してやまない映画俳優にまつわる思い出話。
東京でたくさん映画を見るようになった
わたしが九州から上京した頃は、渋谷を中心としたミニシアターブーム。
友人や当時付き合っていた人などの影響で、イギリス映画をはじめとした洋画をたくさん見るようになりました。
予告編の数分間で一目惚れをしたアメリカ人俳優
家でも映画館でも頻繁に映画を見ていたわたしは、ある日、恵比寿ガーデンシネマという映画館で、
「American History X(邦題:アメリカンヒストリーX)」の映画予告を観ました。
大きなハーケンクロイツのタトゥーを筋肉ムキムキな胸に入れ、
形の良い坊主頭と立派な髭が印象的なネオナチ兄さんDerekが、
真っ白なトランクスでニヤ〜ッと笑ったシーン。
心臓をトンカチでガツン殴られたような衝撃を受けました。
映画「アメリカン・ヒストリーX」の主人公Derekを演じていたのは、アメリカ人俳優エドワード・ノートン(以降エド)。
Derekは彼の役作りの一環であり、普段は坊主頭でもなければ、こんなに筋肉ムキムキでもありません。
*今観ても現在進行形のアメリカ国内での白人至上主義、黒人やマイノリティへのヘイトクライムなどのニュースへの知識に繋がる映画です。未見の方はぜひ見てみてください!
カメレオン俳優の実力に鳥肌が立つ
「アメリカン・ヒストリーX」本編はもちろん見に行ったし、当時の日本で彼が出演した映画も見られるだけ見ました。
カメレオン俳優と誰かが言ってましたが、確かにその通り。
特に「Primal Fear(邦題:真実の行方)」のエドは、当時、新人と思えない、鳥肌が立つほどの高い演技力で、主役のリチャード・ギアをくっちゃてます。
アカデミー賞をはじめとして、複数の映画賞でBest Supporting Actor賞にノミネート、または受賞しているほどです。
*「Primal Fear(邦題:真実の行方)」は、ラストまでしっかり見逃さずにエドの演技力の高さを知ってほしい!!
演技以外の魅力にもツボをつかれた
演技をしていない時は、マンハッタンにいくらでもいそうな白人のお兄ちゃん(2023年のいまはおじさん)なエドですが、
実は、アメリカの名門大学アイビーリーグの一つ、イエール大学卒のとっても聡明なお方。環境運動などの活動家としての顔もあり、国連の親善大使にも任命されているほど(←当時より少し後になってからの話)。
▼ 別のアイビーリーグはこちらの記事にも少し書いてます
また、おじいさんが有名な都市プランナーであり、大阪の海遊館の企画にも携わっていたそうで、日本語が少しできるエドは数ヶ月大阪に一緒に滞在していたそうです。親近感❤️
背が高くてひょろっとしてて、タレ目でなで肩で、坊主にしても頭の形が綺麗で似合ってて(←外見がタイプ❤️)、演技がうまくて、賢くて、親日家で。
こんな素敵な人を好きにならずにいられましょうか。
いられませんよ。
かっこよすぎ。
わたしにニューヨークという新しい風を入れてくれた
そんなエドはニューヨーク在住。
彼の出演作には、ニューヨーク舞台の映画も多数あります。
今では立派な観光地のマンハッタン・チェルシーにある公園、The High Line。
数十年放置されていた高架線を立派な公園にし、近隣のMeatpacking Districtの活性化に一役買ったのは、何を隠そう、こちらのエドであります。
そう、わたしが最初にニューヨークに遊びに来たいと思った理由のひとつは、
エドが住む街、エドが愛する街だから。
イギリス音楽、イギリス文化の方が好きであったわたしに、
ニューヨークという新風を送り込んできたキーパーソンの一人がエドなのでした。
▲ ハイラインの近くにはリトルアイランドもあります。
一期一会
エドがマンハッタンのUnion Squareのそばの小さなシアターで「Burn This」というお芝居に主演したことがありました。
そのお芝居を観るのを1番の目的として、わたしにとっては2度目か3度目の、単身ニューヨーク旅行にやってきました。
当時、まったく英語が聞き取れなかったので、「Burn This」の内容は一切覚えておりませんが、ちゃんと覚えていることがあります。
20代でとってもエネルギッシュであったわたしは、一人でエドのシアターの入り待ち、出待ちをしたのです。
結果?
ほんの一瞬でしたが、
エドに会えました〜〜〜👍️
(2日間挑戦して1日目は会えませんでしたけどね。)
どうにかエド本人の生写真(←東京国際映画祭で来日した時に自分で撮った生写真)にサインをいただくことにも成功。
「一期一会」と書いてあった高級扇子を日本から買ってきていましたので、それもギフトとして手渡すことができました。パチパチパチ〜!!
現在のニューヨーク生活の中で、いつかエドとすれ違うことがあったならば、この出待ちをネタに話そうと思っているんだけど、なかなかすれ違いません。笑
◇◆◇◆◇◆◇
後先考えずに何にでも挑戦することができた20代の時に、Union Squareのシアターでエドがお芝居をして、本人に会えたあの時。
彼が住んでいる街ということでニューヨーク旅行に来てみようと思ったあの時。
東京で会った人々の影響でミニシアターブームに乗ったあの時期に、恵比寿ガーデンシネマで「アメリカン・ヒストリーX」の予告編を見たあの時。
これら全ての一期一会がなければ次の一期一会には繋がってなくて、
「ニューヨーク」という街に何度も訪れることもなく、ニューヨーカーになりたいとまで思わなかったでしょうから、結果的に今の自分には繋がっていなかっただろうな、な〜んて。
時々思っては、
エドに感謝をしていたのだけれど、
今回やっと言葉にするタイミングに恵まれました。
おしまい。
▼ NYに来るなら[らいさわNYブログ]見てね〜
ありがとうございます。むすめちゃんの日本帰国費用に回させていただきます。😆