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パパと私と


パパのお母さん(お婆ちゃん)がとても好きである


薔薇のように華やかな気高さと、向日葵のようにあたたかい優しさを持っている。そんな人なかなか居ないと思う。もしかしたら孫の贔屓目かもしれないけれど、少なくとも私はお婆ちゃん以外のそんな人に出会ったことがない。


そんなお婆ちゃんが亡くなってもうすぐ4年になる。この4年間でパパとたくさん話すようになった。何故なら、私の反抗期は酷いもので"何を尋ねても生返事、いつも つっけんどんな娘"といった具合であった。親はすごい。理不尽な反抗を受け入れ、時が過ぎれば無かったことの様に接する。悲しすぎる死をきっかけに反抗期を終えた私(明確に思ったわけではないけれど)は、パパの趣味であるレコードに興味を持った。


今回はそんなパパの影響で好きになった3曲を紹介しようと思う。(彼のルーツにはお婆ちゃんがいるわけだから、それが嬉しい)


"熱く語れ"とのことだが、本当にそれらを好きな人からしたら物足りない文章になるかもしれない。私は物事に深入りすることがあまり得意ではないから。趣味は卓球だけど別に上手くはない、とか、アイドルが好きだけどコンサートに行こうとは思わない、とか、そういった類の人間だ。




ムーンライト・セレナーデ

《よければ流しながら読んでください》

私はいわゆるJPOPを好む ごく普通女の子だった。ジャズをジャズと認識して聴くことなんて無かったのだが、どうやらパパはジャズ(ブラックミュージック全般)が好きらしい。

大きなスピーカーから流れてくるのは、どんな空間も一瞬にして飲み込むような、なめらかで強い音。もしBARを開くとしたら1日の何処かで必ず流したい。(ゆったりとした音楽にするとお酒が進みにくくなり、売り上げが下がると聞いたことがあるけど、そんなことはどうでもいい)

そういえば江國香織さんの"とるにたらないものもの"という著書(私の1番好きな本だ)の中にもこの曲は登場する。彼女らしい表現で美しく綴られたそれを読みながら聴けば、素敵な時間を過ごすことができる。

誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。夕焼けが綺麗な晩秋の空か、ディズニーランドからの帰り道か、大晦日の閑散とした街並みか、、、いずれにしても終わりがよく似合う曲だとおもう。1日の終わり、ムーンライトだ。





I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free 

《最初の1分くらいは前奏です》

軽快なリズムのピアノからはじまり、ニーナ・シモンの力強く優しい声が印象的だ。彼女の声には唯一無二の魅力がある。ジャズがあまり好きではない私の母さえも、聴き入ってしまうような、そんな魅力がある。

標題を私なりに訳してみた

"もし知ることができたなら
自由であるとはどんな気持かを"

(英語はめっぽうダメだが間違えていないだろうか)

この曲には、こんな もし がたくさん詰まっている。受け継がれるものというのは、どの時代にも馴染む流動性を持っていると思う。そしてコロナウイルスが流行している昨今、叶わぬ願いが世界中に溢れている。これを聴いて少しでも自分の願いを想起させてほしい。





帰り道(feat. kojikoji)

最後は洋楽ではなく邦楽、裏切って申し訳ない。
私がパパにおすすめした曲だ。

いつだって愛に溢れた日々へ
手を繋いで歩めればいいのに
言葉どおりの愛と平和に憧れてる

始まりの一節、なんて優しい詩だろう。他二曲は優しい中にも強さがあるのに対して、この曲は弱さ(儚さ)が見える。なんとなく、そのままで良いと思わせてくれるようなそんな感じがする。

私にとってパパの様な、パパにとってお婆ちゃんの様な居場所がある事で、安心して生きることができているのかなと思う。

私も無条件の愛を与えることができる人になりたい。



最後に
好きな曲をあげたらキリが無いので、好きなアーティスト名だけ残しておこうと思う。

大橋トリオ、kojikoji、ハンバートハンバート、ニーナ・シモン、Ren、スティービー・ワンダー、ハナレグミ、、、etc


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